総理が喧嘩を売ったGHQの占領期に遡る日本の変質
中韓に偏るメディアが伝えないインドも東南アジアも称賛する安倍外交~山村明義氏
2014.12.05(金) JBpress
マット安川 作家・ジャーナリストの山村明義さんが初登場。安倍自民党政権について、選挙前に考えておきたい日本の現状や課題、消費増税をめぐる財務省との駆け引きや対中政策のポイントなど幅広くお伺いしました。
安倍総理は消費増税先延ばしで財務省に喧嘩を売った
山 村 安倍(晋三)総理は消費増税を先延ばしにして、解散を決断しました。ぶっちゃけたことを言うと、これは財務省に喧嘩を売ったことにほかなりません。財 務省の役人がお膳立てをし政治家に根回しして、日本のシステムを決めてしまう現状に、総理大臣として打てる手を打ったということです。
しばらく前に政治と金の問題が取り沙汰されたのは、ある勢力が糸を引いた結果でした。彼らは反日的な情報を流しては、安倍政権の力を弱めようとします。それで急に元気になった財務省の方々が、10%に上げる方向に勢いづいた。
それでも先延ばしを決めた安倍さんに、彼らは1年半後には必ず上げると言わせました。官僚が権力を握ることの危うさとはこういうことです。そのときの景気がどうでも消費税を上げると決めてしまうのはまずいでしょう。
彼ら黒子のやっていることはベールに覆われ、いつの間にか全部安倍さんが悪いことになっているんです。
速報値からすると、今年のGDPは上がらないことがはっきりしています。それでも消費税率を上げようと動いているのは、よほど何かの思惑がある、日本人をだまそうとしている勢力としか思えません。税率を上げれば景気はガタッと落ち込みます。
8%に上げたことだって、どう考えても失敗でした。そこをさらに10%に上げなければいけない理由など、経済評論家にだって答えられません。財政再建が必要とはいいますが、その前に日本人の暮らしを豊かにすることに取り組むべきでしょう。
中韓に土下座しない安倍総理に権力を集中させよ
第2次安倍内閣は外交面で素晴らしい成果を収めています。国連加盟国の半数近くに訪問しているというのは、今までならありえないことと言ってもいい。
私が見聞きする限り、インドの人も東南アジアの人も、安倍さんを称賛しています。いい総理だ、自分たちのことを本当によく考えてくれる、と。日本のメディアは彼らに背を向けて、中国と韓国が言うことばかりを報道しています。不思議なことです。
日中首脳会談に向けて事前に動いたのは、福田(康夫)元総理でした。訪中して、総理は靖国神社に参拝しないこと、尖閣諸島に関しては絶対に領有権を主張しないこと、という2つの条件を飲んできた。
その上で安倍さんに、会談のときにそれを言ってほしい、言えば会談がうまくいくからと伝えたといいます。しかし、安倍さんはその通りにしなかった。いわば無条件でお会いになって、日本の言うべきことをきっちり言われたのです。
今までの総理大臣とはずいぶん違います。昔なら中国に行けばペコペコするのが当たり前でした。チャイナスクールと言われる外務省の役人も、外交の場で何かというと頭を下げたものです。
土下座外交と言われましたが、本当に情けない。その点安倍さんは、蹴るべきことは蹴るというスタンスでやっています。
例えば親中派、親韓派の政治家が相手国に行き、勝手にご機嫌を取るようなことを言ってはうまくいきません。外交は信用第一なのですから、この人がこう言うのなら国が動くんだと思わせる必要がある。安倍さんに権力を集中させるべきです。
安倍さんが強いことを言うと、危険だの戦前への回帰だのと言う人が多いのですが、それなら総理がリーダーシップを発揮できなくていいのでしょうか。改革の 邪魔をしようというのか、日本を変えないほうがいいとでも言うのか・・・? そういう考え方はそろそろ改めたほうがいいと思います。
憲法、官僚支配・・・GHQの占領政策が日本人を変えてしまった
昭和21年3月、GHQ民政局の局長コートニー・ホイットニーは、スタッフ24人を集めて、これからわれわれが日本の憲法を作ると宣言しました。これが今の日本国憲法の始まりです。
今までは10日間と言われていましたが、実際には5日から8日間しかかかっていません。十数万点の関係資料からは、憲法の中身、少なくとも骨子となる部分 はGHQが作ったということがはっきり読み取れます。前文も9条も、彼らが文案を練り、そのまま今日まで残っているのです。
東日本大震災でも思い知らされたことですが、日本は緊急事態に弱い国家です。そもそも緊急事態にどうするということが、憲法には書かれていません。だから領海、領空を侵されても反撃はおろか、文句ひとつ言えないのが今までの日本政府でした。
このままではいけない、少しは考えようという人が増えてもいいのではないか。しかし憲法は大事だから議論すらしないほうがいいと思わせる何かが、日本を覆っています。おかしなことです。
財務省が国の徴税権、歳出権を牛耳っている今の状況も、さかのぼればGHQの占領期にたどり着きます。
当時、GHQとの交渉や通訳をやられていたのは、大蔵省(当時)の事務次官だった宮沢喜一(元総理)さんをはじめとする方々でした。占領が終わるとき、彼らはGHQから権力を行使していいよと言われているんです。
いわばGHQに権力を委託されて、戦後の彼らは動いてきた。財務省のお膳立ての通りに動いてくれる総理大臣がいいんだということを、財務官僚から直接聞いたことがありますが、背景にはそういう経緯があるわけです。
アメリカの占領政策は日本人を変えてしまった。戦後の私たちが、絶えず改革を叫びながら、実際には組織や既得権益を守ることばかりをしてきたのもそのせいでしょう。
占領政策を改めて見直して、日本人に必要なこととそうではないことの仕分けをしないといけません。その上で必要なことだけを残し、本当の改革を始めるべきです。
拉致問題解決のためにロシアの力を借りるのも手
拉致問題の解決に向けて、北朝鮮に調査をさせていますが、なかなか答えが返ってきません。
実は外務省自体、今回は無理だと思いながらことに臨んできたようです。ひとつには朝鮮総連本部の売却が影響しているという話もあります。日本政府が売ったものと思い込んで、朝鮮労働党の幹部が怒っているというんです。
最近は中国も韓国も北朝鮮に対する影響力を失っています。特に中国は以前が100だったとすると今は10もありません。北朝鮮は中国に対して戦争を仕掛けかねない雰囲気ですし、韓国にも厳しい態度で臨んでいます。孤立せざるをえない中、残っているのが日本とロシアです。
ことに目を引くのはロシアが北朝鮮に接近していること。今までの北朝鮮は石油から何から中国頼みでしたが、今ではすっかりロシアの世話になっています。事態を打開するには、ロシアの力を借りざるをえない局面ではないかと思います。
「マット安川のずばり勝負」2014年11月28日放送
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42366?display=b
未曾有の東日本大震災が発生して被災者を助けたいと思っても、財務省が復興増税を決めるまで金を出さない。原発被災者を助けたいと思っても、補償は東電に押しつけて財布の紐を閉じる。被災地で懸命に救助にあたる自衛隊員の給与を削ろうとする。
景気対策を打たなければいけない時に増税を主張する。国際会議で馬鹿な民主党総理に消費増税を約束させる。国内では財政危機を煽りながらIМFには 気前よく資金提供する。当然、諸外国は日本が財政危機だとは思っていないし、だから円は高くなる。本来、国内に投資されるべき国民の預貯金は、欧州経済危 機や米国経済を支えるために海外に流出した。
東日本大震災直後、NHK日曜討論に出演したが、補正予算の規模は十兆円、建設国債の発行も当然であるという感覚的な合意が各党間にあった。ところ が財務省はあろうことか震災を増税に利用し、予備費の四兆円しか出さなかった。当面、瓦礫処理しか出来ないからということだった。
次は決算剰余金で誤魔化し、結局、三党合意で復興増税が決まる秋まで復興を大幅に遅らせてしまった。そして本来、建設国債で対応すべき防災・減災対策は、消費税法案に書き込まれ、消費税は公共事業にも使えることになった。
千年に一度の大震災を目前にして、復興増税、消費増税、電気料金値上げの旗振り役を務める財務省は明らかに異常である。
しかも日本はデフレ不況から抜け出せずにいる。財務省に物申せず、一体となった菅政権、野田政権の罪は重い。
挙句の果てに、最近、財務省は教育費を節約するために、小学校の学級規模を大きくして、教師を減らせと言いだした。
日本では、国民が納得して税金を払い、その対価として政策の利益を受け取るという経験が希薄である。民主党政権時代に、自民党、公明党も加わって税 社会保障一体改革を決定した背後には、国民が増税を受け容れる代わりに、社会保障を拡充し、負担と受益の関連を明確にするというねらいがあったはずであ る。
ところが5%から8%に法律に従い増税したら、真っ先に財界やメディアが言い出したのは企業減税であり、新聞の減免処置である。公明党までが減免処置を言い出した。聖教新聞を減免対象にということか?逆に創価学会に課税して欲しい。
国民はむしろ減税が一番の景気対策と感じている。
◆消費税増税法案を通したのは【民主党】
知らなければならない事実は、
・消費税増税法案を通したのは【民主党】
・自分達が動かせるお金を増やしたい
【財務官僚】がそれを入れ知恵した
・自民党が消費税増税を止めるためには、
【民主党の増税法案を否定する法案】
を通す必要があった
・自民党内部にも、票のため、欲のために
財務省から予算がほしい【増税賛成派】
が多数いるため、内部分裂を恐れそれが出来なかった
・マスコミは官僚が完全にコントロールしているため、消費税増税に反対するような内容は決して報道しないし、
増税をストップするような動きがあれば、マスコミを通じたバッシングをはじめ、
あらゆる手でそれを潰しにかかる
という事実です。
こうしたポイントから、
今回の解散総選挙の真実が見えてくる
のですが、
高橋先生は、
「現代ビジネス」に下記のような記事を寄稿されています。
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多くの人は、政府のトップの首相が決断すれば法律が成立すると思い込んでいるが、違う。
郵政解散の時でも、小泉首相が出した
郵政民営化法案は国会で否決された。
今回も、消費増税ストップ法案は国会で否決されるどころか、提出もできなかったのは、誰でも知っている事実だ。
というのは、財務省が増税すれば予算措置のアメを与えると国会議員の大半を籠絡していたからだ。
そこで、安倍総理は、衆議院議員を全員クビにして、
つまり解散して、総選挙で財務省ではなく国民から意見を聞いてこいといったわけだ。
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今回は、民主主義の基本の税が争点である。
急に増税から方向転換した民主党や、
自民党でも増税を主張していた議員の是非を問うことができる。急に手の平返しをした人は、選挙後に豹変するかもしれない。
確実に起こった影響は、安倍首相が解散を言ってから、
少なくとも増税派(予算をばらまきたい財務省、
そのおこぼれをもらおうとする国会議員、地方議員、
首長、経済界、マスコミ、有識者、学者など)から
表立っての増税論はなくなったことだ。
ただし、この増税派は反省してもらいたい。
昨年夏から、増税しても景気は大丈夫というウソをつき、その結果、増税後に景気は悪くなった。
それを、天候不順、なかには、エボラ熱、デング熱などが原因という「お笑い」までが官邸のホームページに出てきた。
いかに〓ポチ・エコノミスト〓がデタラメ
かということが誰にもわかる。
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今回の解散総選挙がなければ、
消費税増税の先送りは出来ないということ、
今回の選挙で、与党・野党に限らず、
本当にちゃんとした人を選ばなければ
消費税は上がるという理由が、
お分かり頂けましたでしょうか。
つまり、国会で可決しなければ、
消費税増税の先送りあるいはストップは出来ない。
そして今の衆議院議員は、可決しない。
だから今、その議員達に、
「国民の信が問われている」のです。
本当に大切なのは、
「増税を仕掛けているのは本当は誰か」
を知ることです。
それは財務官僚と、彼らに籠絡された
国会議員、地方議員、首長、経済界、
マスコミ、有識者、学者であり、
彼らが今回の安倍首相による、
「消費税増税先送り解散」発表により、
増税主張を封じられた格好となったため、
財務官僚が裏から手を引くマスコミ、
そして野党は「大義なき選挙」という
前代未聞のPRを繰り広げている、
という訳です。
消費税増税ストップ・先送りのためには、改めて法案を作り、
国会で可決しなければならない事実を
多くの国民が知らない盲点を突いた、
とても狡猾な手口です。
ですから、今回の選挙は、
「誰が本当は増税賛成派なのか」
を見極めなければならない、
非常に重要な選挙なのです。
安倍首相は、こうしたことを見越して、
「増税派潰し・あぶり出し」のために、
戦略的に「増税先送り解散」の発表を
したと言えます。
もちろんそれは、重要な争点で先制し、
選挙で勝ち、長期政権を樹立する狙いもあることは間違いありません。
(中略)
いずれにせよ、それをただ口先だけで
言うだけの政治家ではなく、
本当に官僚に対抗できる力のある政治家を見抜いていく必要があります。
日本のよりよい未来のために。
私達の生活、子ども達の命を守るために、
ともに歩んでいけることを切に願っています。
それでは、また。
今日も皆様にとって幸多き1日になりますように。
(リアルインサイト 鳥内さん FBよりシェア)
◆財務省の論法にダマされるな!!
●税率を単純比較するのはナンセンス
財務省がよく使うのが、「世界でも日本の消費税率は低い」という“解説”だ。しかし、これにダマされたらダメだ。とんでもないカラクリがあるのである。
消費税を導入している国は現在、145カ国。
フランス19.6%、ドイツ19%、イギリス17.5%、スウェーデン25%
――などとなっている。数値を見れば、日本の税率が低く見えるが、そんな単純な話ではないのである。
主要国の多くは、食料品など生活必需品の税率を軽くしている。
イギリスでは食料品、国内旅客輸送、医薬品などの税率はゼロ。
フランスも新聞、医薬品の税率は2.1%である。
アイルランド、オーストラリアも食料品の税率がゼロ。
日本のようにすべての国民を対象に、日用品も贅沢品も関
係なく一律に分捕る制度ではない。
一概に比較できない数値を“喧伝”して「増税やむなし」の雰囲気をつくろうとする財務官僚に騙されてはいけない。
税収(国税)に占める消費税の割合を比べると、
イギリスは38.4%。
消費税(10%)のオーストラリアは26.8%
日本は、8%=5.4*7=37.8% (1%地方分として、除外 )
10%=5.4*9=48.6%
だが、日本のこの計算方法もおかしいと感じるだろう。消費税は、国民にとっては地方分も国税分も関係なく消費時には負担させられる。だから地方分1%分を除くというのは当てはまらない。ただ比較上の都合というだけだ。
だから、日本国民の消費税負担が別に軽いワケではない。
「『日銀貴族』が国を滅ぼす」の著者で、旧日本長期信用銀行出身の経済評論家・上念司氏はこう言う。
「米国・カリフォルニア州では家の売買に消費税はかからない。課税対象が限定されている国と、すべてに課税される日本を比べて消費税率を論じるのは おかしいのです。これは『日本の法人税率は高い』という言い方にも当てはまる。ナフサ原料の非課税(約4兆円規模)などの税制優遇があるのに、法人税だけ を見て、日本の企業の税負担は大きいというのは乱暴です」
仮に消費税増税の方向に向かうとどうなるのか。
「増税で財政再建した国はどこもありません。
EU統合の際、財政赤字を減らすために各国が取った方法には『歳出削減』と『増税』の2通りあったが、増税を選んだのは(事実上破綻した)ギリシャとイタリアの2カ国でした。デフレ下の日本で増税すれば、さらにモノが売れなくなり、税収も落ち込む。
官僚たちの言い分を信じてはいけません」(上念司氏)
財務省は円高を防ぐための為替介入と称して、巨額の円売りドル買いの介入をしてきたが、これらの介入は真っ赤な嘘である。
いずれの場合も即座に買ったドルで米国債を購入しているので、国民の税金を米国政府に献上しているだけなのである。
円安ドル高で、米国債の価値は激減している。かといって円高の時も売ることすらままならなかった。
つまり、米国債購入というのは、米国に対しての献金にも等しい行為である。
小泉・竹中の時代には50兆円という米国債購入時に、国債の証券すら日本に引き渡されなかったことがある。これは当時の財務省も認めている。
◆米国ジャパンハンドラーの露骨な信賞必罰みせしめ劇
1.中川元財務大臣失脚の功労賞か
2009年10月7日、財務省の篠原尚之財務官がIMF(国際通貨基金)の副専務理事に抜擢されたそうです(注1)。その後任財務官に、玉木林太郎国際局 長が抜擢されているそうです(注2)。周知のように両氏は今年2月、ローマG7蔵相会議に中川元財務大臣に同行した官僚たちです。この人事はなんと、中川 氏の変死とほぼ同時タイミングです。財務省国際局官僚はいったい、どんな神経をしているのだろう?よくもまあこんなあつかましいことができるなと、逆に感 心してしまいました。
2.米国にからめとられた日本の国際金融官僚
上記の日本の国際金融官僚の国際的人事から、財務省や日銀や金融庁など、日本の金融官僚トップの人事に、米国ジャパンハンドラーが一定程度、関与していることが伺われます。
本稿記述のため、財務省の組織図を調べたら、財務大臣はアドバイザーの位置(組織図における脇の権限のない“お飾り”の位置)に追いやられ、組織トップは “財務省本省”という抽象体になっています。ここに米国ジャパンハンドラーのボスがカーテンに隠れて闇鎮座しているのでしょうか(笑)。
ところで筆者の知り合いで、日本の大手銀行の幹部だった人物から、金融庁(日本の民間銀行の監督官庁)のトップ人事は完全に米国に握られていると非公式に聞いています。日本の大手銀行幹部はみんな、そのことを知っているはずです。
現在、財務省と日銀と金融庁は表向きそれぞれ独立させられ、小泉政権誕生以前、日本の国富を独占してきた旧大蔵省の弱体化が行われていますが、これも米国 ジャパンハンドラーの差し金だと思います。ちなみに2001年、大蔵省解体・分割のトリガー、ノーパンしゃぶしゃぶ事件はCIA謀略部隊の陰謀と言われて います(証拠はありません)が、この事件からも日本の官憲や大手マスコミの真の役割が何であるかよくわかります。
3.ローマG7での中川朦朧会見を振り返る
さて上記両氏は、今年2月のローマG7における故中川元財務相の朦朧(もうろう)会見事件の主要関与者であることは周知の事実です(注3、注4)。とりわ け玉木氏は、中川氏と麻布高校同級生であった偶然で、わざわざ、G7に政府要人として同行し、朦朧会見直前に、女性記者を同伴の上、中川氏にワインを飲ま していたそうです。
日本の歴史に汚点を残した中川大臣朦朧会見の画像はネットで、日本全国のみならず、全世界を駆け巡りました。今度IMFに転出した篠原氏も、白川日銀総裁 とともに中川会見画像に映っており、両氏の態度・表情は、全世界の人々に目撃されているということです。中川氏の異常会見にまったく動じることがなく、冷 淡に傍観・放置しているのは誰の目にも“不自然”に映ったでしょう。どうして平気でいられるのか、事情を知らない国民はこの画像に、さぞかし苛立ったはず です。中川氏選挙区民を含み、事情を知らないお人好し日本国民の多くは、その苛立ちの矛先を中川氏に(間違って)振り向けたわけです。黒幕の思うつぼとは このことです。
4.中川朦朧会見はケネディ暗殺事件と同じく当事者のシナリオ行動
筆者はこの“不自然”画像をみたとき、とっさにケネディ暗殺前後のリムジン運転手とリムジン周辺の護衛警官の動きを連想しました。狂乱するジャックリーヌ 夫人の制止に動いた護衛一人(夫人付き添い)を除き、リムジンの運転手も、リムジン周辺の護衛も、まったく動じる様子がなかったのです。もしリムジン運転 手も護衛も事前に暗殺計画を知らなかったなら、人間の自然な行動として、狙撃発生後、いったん車を止めて大騒ぎするはずですが、その素振りもなかったわけ です。実に“不自然”でした。これと同質の“不自然さ”が中川会見にも観察できました。
筆者のいう“不自然さ”とは、すなわち、事件被害者を除き、事件の周辺関係者が、事件勃発を予め知っているときに観察できます。これはシナリオに基づく予定行動とみなせます。
5.竹中ハンドラーとツーショットのふてぶてしさ
上記、篠原氏をIMF幹部に推薦したのはロバート・ゼーリック世界銀行総裁で、二人のツーショットがネット上に存在します(注1)。このゼーリックこそ、小泉政権時代、竹中ハンドラーであったことは有名です。
9.11郵政選挙の直前、2005年8月2日、民主党若手ホープ、桜井充参院議員が、国会で竹中郵政民営化担当大臣に質問し、竹中氏が日本国の郵政民営化 なのに、どういうわけか、郵政民営化に関して当時のゼーリック米通商代表と密な交信をしていることの証言を引き出すことに成功しています(注5)。なぜ成 功したかというと、桜井議員が、その交信の書簡コピーをもっていたからです。NHKはたまたま、“闇権力に不都合な”この国会中継を“誤って”放映してし まいましたが、大手マスコミは完全黙殺でした。この大手マスコミの対国民への真実隠蔽体質が、9.11郵政選挙で、国民の大チョンボ(誤った判断)を誘発 してしまいました、実に悔しい思いです。
一方、ゼーリックは日本の郵貯・簡保米営化という“大手柄”(米国寡頭勢力サイドから見て)の見返りに、世界銀行総裁(ネオコン論客、ポール・ウォルフォヴィッツの後釜)に抜擢されているわけです。実にわかりやすい米国流論功行賞人事です。
6.実にわかりやすい米国の信賞必罰人事:反CIA日本人へのみせしめか
上記のような米国覇権主義者の価値観に基づく成果主義人事が、今回、篠原、玉木両氏に適用されたとみるのが自然です。筆者の16年半におよぶ米国組織の経 験から、彼らは常に極めて律儀に論功行賞人事を実践します。これだけは筆者も感心するほどです。それだけに、その逆に期待に沿わなかったら、信賞必罰も徹 底しています。中川元財務大臣には、まさに篠原、玉木氏と逆に再起不能の重罰が下されたとみることができます。
このあからさまな米国流の信賞必罰行動に、一般国民は無反応であっても、アンチCIAの日本人にはそれなりの“みせしめ”効果があります。戦争屋=CIA(デビッドRF系)残党によるいつもの陳腐なジャパンハンドリング手口がここに垣間見られます。
7.ローマG7蔵相会議の真相
米国ジャパンハンドラーが、買弁日本人を使ってまで、中川失脚を企んだのは、当然ながら、それだけの必要性があったからです。そのことは、すでに拙稿(注6)にて分析済みです。
さて国際政治評論家の浜田和幸氏によれば、福田首相(清和会には珍しく対CIA面従腹背政治家)の突然の辞任の真相は、米国金融危機の救済に、われわれ日 本国民の残り少ない虎の子資産から100兆円規模の米国債購入を強要され断ったから(注7)とのことです。この見方に筆者も同感です。なぜなら、福田首相 の前任者、安倍首相も、米国から数10兆円単位の米国債購入(このときはイラン戦争戦費)を強要されたものの、金融官僚コントロールができなくて辞任した のが真相(注8)だと筆者は信じていますから。
蛇足ですが、福田首相が辞任会見で記者に向かって『私はあなたたちとは違うんです!』と怒った意味もよーくわかります(笑)。
さてポスト福田の麻生・中川コンビ(対CIA面従腹背コンビ)は、米国の100兆円拠出要求を、10分の1の10兆円規模のIMF拠出に負けさせたので す。ローマにてゼーリック世界銀行総裁の執拗な残り90兆円の追加要求を中川氏が最後まで拒否したと思われます。このことは、ローマG7の開催中にゼー リックと中川氏が個別会談している事実(注9)から容易に推察できます。
蛇足ですが、上記、篠原氏のIMF転出は、すきあらば、日本からもっとIMF拠出金を引き出すための仕込みと、中川朦朧会見事件の秘密暴露を防止するためと推測できます。
注1:ジャパンハンドラーズと国際情報、2009年10月7日
http://amesei.exblog.jp/10311093/
注2:玉木林太郎、ウィキペディア参照
注3:副島隆彦・植草一秀[2009]『売国者たちの末路』祥伝社、p226
* 中川昭一氏への政治謀略をすべて暴く
注4:副島隆彦[2009]『日米「振り込め詐欺」大恐慌』徳間書店、p249
* 中川昭一財務相はクスリを盛られて大臣の座から引きずり降ろされた
注5:阿修羅サイト、2009年2月2日
“ 2005年8月2日、メディアが完全無視した竹中の「ウソ答弁」とゼーリック米通商代表の手紙・・・郵政民営化特別委員会での桜井議員の質疑“
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak15/msg/676.html
注6:ベンチャー革命No.286『追い詰められる小泉一派とマスコミ』2009年2月15日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr286.htm
注7:浜田和幸[2008]『「大恐慌」以降の世界』光文社、p227
注8:ベンチャー革命No.243『ついにさじを投げた安倍首相』2007年9月12日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr243.htm
注9:副島隆彦、今日のぼやき、2009年2月19日
http://snsi-j.jp/boyakif/wd200902.html#1901
ブログ「もうすぐ北風が強くなる」さんより引用
http://bator.blog14.fc2.com/blog-entry-574.html
(写真は当管理人により挿入)
◆【私はこれで投票する】財務省こそ「国民経済最大の敵」 アベノミクスへの圧倒的信頼を 津川雅彦氏
2014.12.09 zakzak
「えっ!」と思わせた、安倍晋三首相の衆院解散劇。3分の2以上の議席数を持つのになぜ? 朝日新聞や毎日新聞などは「大義がない」と大騒ぎした。本当に国民に「信」を問うべき解散ではないのか?
消費税増税は、デフレの真っ最中に民主党政権が決めた。いま国民の多数は増税延期を望んでいる。2年で2度も消費税をアップした国はない。世に金が回らないとデフレになる。回り過ぎるとインフレだ。
財務省はデフレの最中に消費税を増税し、世の中から金を吸い上げ、デフレに拍車を掛けた。日本経済より、己の権力増大を画す巨大ゾンビが財務省ではないのか。
アベノミクスは、世の中に金を回し、株価を上げ、円安に導いた。企業の利益や雇用、給料、設備投資もアップした。景気もアップし、デフレはストップし、東北の被災地復興も進んだ。
川上に水を入れなければ、川下には流れない。小手先やバラマキはダメだ。経済は原理原則で動く。春の消費税増税で景気は当然停滞した。川下の中小企業とそ の従業員は、まだ潤っていない。アベノミクス効果を隅々まで行き届かせるには最低3年は必要だろう。サラリーマンも3回の賃上げで潤ってくるはずだ。
消費税増税は、中小企業や個人の所得を圧迫する。円安も輸入原材料や原価が高騰して、中小企業の利益を圧迫する。トヨタ自動車は早々に下請けへの配慮を発表した。
さらに景気対策として企業減税も必要だ。だが、財務省は反対。選挙で財務省を落選させられない。「国民経済の最大の敵」である財務省を黙らせるには、衆院選でアベノミクスへの国民の圧倒的信頼が必要なのだ。
民主党はもはや敵ではない。懲りずに入れる無駄な人も許すのが民主主義である。
今回は「消費税増税延期解散」である。安倍晋三首相は、たとえ自民党の議席数を減らしても、血を流しても、経済を立ち直らせ、国民の生活を充実させる王道を歩むという覚悟と決意で、国民の「信を問う」と決断し、行動したのだ。
いま、他に日本経済を心配し、動かせる力を持つ政党があるのか? 「安倍晋三」という政治家ほど、「力」があり、かつ「純粋」で「誠実」なリーダーは前代未聞だ。
■津川雅彦(つがわ・まさひこ) 1940年、京都市生まれ。56年、映画『狂った果実』でデビューし、『マルサの女』『別れぬ理由』『プライド・運命の 瞬間』など数多くの作品に出演し、存在感あるキャラクターを演じる。映画『寝ずの番』『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』などでは、監督・マキノ雅彦 としてメガホンを握る。読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』にレギュラー出演中。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141209/plt1412091140001-n1.htm
◆前財務次官の勝栄二郎の天下り先「I I J」
① 前財務次官の勝栄二郎は、「IIJ」という情報通信関連企業に天下りしている。このIIJは全てのネット情報の詳細を知ることができ、個人情報もIIJにかかっては丸裸にされる。
② 勝が暗躍し、役所のネット関連費用として1000億円の予算が計上された。勝の懐には、1000億円の3%(30億円)がマージンとして入る。
③ 選挙システムを一手に引き受けて不正選挙工作を疑われている「ムサシ」の司令塔は、IIJではないのかという疑惑が囁かれている。
④ 不正選挙は、プログラム開発会社の富士通が決断すれば簡単に防ぐことができる。
⑤ 小沢と菅が争った民主党代表選挙の党員票開票では、党員票の3割がムサシの筑波倉庫で処分され、その費用として民主党は2億円支払った。
IIJは、「株式会社インターネットイニシアティブ(Internet Initiative Japan Inc.)」の略称で、外資を除き、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダ(ISP)として知られている。
1000億円は半端な金額ではないから、今後ネット対策・監視を強めて来ることは必定である。米国や中国並みの監視社会になるわけで、益々生きにくくなる。
郵政宿舎跡地、港区南麻布4丁目5-28、7の土地5679㎡(約1700坪)を中国大使館へ売却した文字通りの売国奴国家公務員共済組合連合会(KKR)の天下り役員
理事長 尾原榮夫 (財務省)
専務理事 日野康臣 (財務省)
常務理事 小林誠一 (防衛庁)
常務理事 丸田和夫 (厚生労働省)
中韓に偏るメディアが伝えないインドも東南アジアも称賛する安倍外交~山村明義氏
2014.12.05(金) JBpress
マット安川 作家・ジャーナリストの山村明義さんが初登場。安倍自民党政権について、選挙前に考えておきたい日本の現状や課題、消費増税をめぐる財務省との駆け引きや対中政策のポイントなど幅広くお伺いしました。
安倍総理は消費増税先延ばしで財務省に喧嘩を売った
山 村 安倍(晋三)総理は消費増税を先延ばしにして、解散を決断しました。ぶっちゃけたことを言うと、これは財務省に喧嘩を売ったことにほかなりません。財 務省の役人がお膳立てをし政治家に根回しして、日本のシステムを決めてしまう現状に、総理大臣として打てる手を打ったということです。
しばらく前に政治と金の問題が取り沙汰されたのは、ある勢力が糸を引いた結果でした。彼らは反日的な情報を流しては、安倍政権の力を弱めようとします。それで急に元気になった財務省の方々が、10%に上げる方向に勢いづいた。
それでも先延ばしを決めた安倍さんに、彼らは1年半後には必ず上げると言わせました。官僚が権力を握ることの危うさとはこういうことです。そのときの景気がどうでも消費税を上げると決めてしまうのはまずいでしょう。
彼ら黒子のやっていることはベールに覆われ、いつの間にか全部安倍さんが悪いことになっているんです。
速報値からすると、今年のGDPは上がらないことがはっきりしています。それでも消費税率を上げようと動いているのは、よほど何かの思惑がある、日本人をだまそうとしている勢力としか思えません。税率を上げれば景気はガタッと落ち込みます。
8%に上げたことだって、どう考えても失敗でした。そこをさらに10%に上げなければいけない理由など、経済評論家にだって答えられません。財政再建が必要とはいいますが、その前に日本人の暮らしを豊かにすることに取り組むべきでしょう。
中韓に土下座しない安倍総理に権力を集中させよ
第2次安倍内閣は外交面で素晴らしい成果を収めています。国連加盟国の半数近くに訪問しているというのは、今までならありえないことと言ってもいい。
私が見聞きする限り、インドの人も東南アジアの人も、安倍さんを称賛しています。いい総理だ、自分たちのことを本当によく考えてくれる、と。日本のメディアは彼らに背を向けて、中国と韓国が言うことばかりを報道しています。不思議なことです。
日中首脳会談に向けて事前に動いたのは、福田(康夫)元総理でした。訪中して、総理は靖国神社に参拝しないこと、尖閣諸島に関しては絶対に領有権を主張しないこと、という2つの条件を飲んできた。
その上で安倍さんに、会談のときにそれを言ってほしい、言えば会談がうまくいくからと伝えたといいます。しかし、安倍さんはその通りにしなかった。いわば無条件でお会いになって、日本の言うべきことをきっちり言われたのです。
今までの総理大臣とはずいぶん違います。昔なら中国に行けばペコペコするのが当たり前でした。チャイナスクールと言われる外務省の役人も、外交の場で何かというと頭を下げたものです。
土下座外交と言われましたが、本当に情けない。その点安倍さんは、蹴るべきことは蹴るというスタンスでやっています。
例えば親中派、親韓派の政治家が相手国に行き、勝手にご機嫌を取るようなことを言ってはうまくいきません。外交は信用第一なのですから、この人がこう言うのなら国が動くんだと思わせる必要がある。安倍さんに権力を集中させるべきです。
安倍さんが強いことを言うと、危険だの戦前への回帰だのと言う人が多いのですが、それなら総理がリーダーシップを発揮できなくていいのでしょうか。改革の 邪魔をしようというのか、日本を変えないほうがいいとでも言うのか・・・? そういう考え方はそろそろ改めたほうがいいと思います。
憲法、官僚支配・・・GHQの占領政策が日本人を変えてしまった
昭和21年3月、GHQ民政局の局長コートニー・ホイットニーは、スタッフ24人を集めて、これからわれわれが日本の憲法を作ると宣言しました。これが今の日本国憲法の始まりです。
今までは10日間と言われていましたが、実際には5日から8日間しかかかっていません。十数万点の関係資料からは、憲法の中身、少なくとも骨子となる部分 はGHQが作ったということがはっきり読み取れます。前文も9条も、彼らが文案を練り、そのまま今日まで残っているのです。
東日本大震災でも思い知らされたことですが、日本は緊急事態に弱い国家です。そもそも緊急事態にどうするということが、憲法には書かれていません。だから領海、領空を侵されても反撃はおろか、文句ひとつ言えないのが今までの日本政府でした。
このままではいけない、少しは考えようという人が増えてもいいのではないか。しかし憲法は大事だから議論すらしないほうがいいと思わせる何かが、日本を覆っています。おかしなことです。
財務省が国の徴税権、歳出権を牛耳っている今の状況も、さかのぼればGHQの占領期にたどり着きます。
当時、GHQとの交渉や通訳をやられていたのは、大蔵省(当時)の事務次官だった宮沢喜一(元総理)さんをはじめとする方々でした。占領が終わるとき、彼らはGHQから権力を行使していいよと言われているんです。
いわばGHQに権力を委託されて、戦後の彼らは動いてきた。財務省のお膳立ての通りに動いてくれる総理大臣がいいんだということを、財務官僚から直接聞いたことがありますが、背景にはそういう経緯があるわけです。
アメリカの占領政策は日本人を変えてしまった。戦後の私たちが、絶えず改革を叫びながら、実際には組織や既得権益を守ることばかりをしてきたのもそのせいでしょう。
占領政策を改めて見直して、日本人に必要なこととそうではないことの仕分けをしないといけません。その上で必要なことだけを残し、本当の改革を始めるべきです。
拉致問題解決のためにロシアの力を借りるのも手
拉致問題の解決に向けて、北朝鮮に調査をさせていますが、なかなか答えが返ってきません。
実は外務省自体、今回は無理だと思いながらことに臨んできたようです。ひとつには朝鮮総連本部の売却が影響しているという話もあります。日本政府が売ったものと思い込んで、朝鮮労働党の幹部が怒っているというんです。
最近は中国も韓国も北朝鮮に対する影響力を失っています。特に中国は以前が100だったとすると今は10もありません。北朝鮮は中国に対して戦争を仕掛けかねない雰囲気ですし、韓国にも厳しい態度で臨んでいます。孤立せざるをえない中、残っているのが日本とロシアです。
ことに目を引くのはロシアが北朝鮮に接近していること。今までの北朝鮮は石油から何から中国頼みでしたが、今ではすっかりロシアの世話になっています。事態を打開するには、ロシアの力を借りざるをえない局面ではないかと思います。
「マット安川のずばり勝負」2014年11月28日放送
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42366?display=b
未曾有の東日本大震災が発生して被災者を助けたいと思っても、財務省が復興増税を決めるまで金を出さない。原発被災者を助けたいと思っても、補償は東電に押しつけて財布の紐を閉じる。被災地で懸命に救助にあたる自衛隊員の給与を削ろうとする。
景気対策を打たなければいけない時に増税を主張する。国際会議で馬鹿な民主党総理に消費増税を約束させる。国内では財政危機を煽りながらIМFには 気前よく資金提供する。当然、諸外国は日本が財政危機だとは思っていないし、だから円は高くなる。本来、国内に投資されるべき国民の預貯金は、欧州経済危 機や米国経済を支えるために海外に流出した。
東日本大震災直後、NHK日曜討論に出演したが、補正予算の規模は十兆円、建設国債の発行も当然であるという感覚的な合意が各党間にあった。ところ が財務省はあろうことか震災を増税に利用し、予備費の四兆円しか出さなかった。当面、瓦礫処理しか出来ないからということだった。
次は決算剰余金で誤魔化し、結局、三党合意で復興増税が決まる秋まで復興を大幅に遅らせてしまった。そして本来、建設国債で対応すべき防災・減災対策は、消費税法案に書き込まれ、消費税は公共事業にも使えることになった。
千年に一度の大震災を目前にして、復興増税、消費増税、電気料金値上げの旗振り役を務める財務省は明らかに異常である。
しかも日本はデフレ不況から抜け出せずにいる。財務省に物申せず、一体となった菅政権、野田政権の罪は重い。
挙句の果てに、最近、財務省は教育費を節約するために、小学校の学級規模を大きくして、教師を減らせと言いだした。
日本では、国民が納得して税金を払い、その対価として政策の利益を受け取るという経験が希薄である。民主党政権時代に、自民党、公明党も加わって税 社会保障一体改革を決定した背後には、国民が増税を受け容れる代わりに、社会保障を拡充し、負担と受益の関連を明確にするというねらいがあったはずであ る。
ところが5%から8%に法律に従い増税したら、真っ先に財界やメディアが言い出したのは企業減税であり、新聞の減免処置である。公明党までが減免処置を言い出した。聖教新聞を減免対象にということか?逆に創価学会に課税して欲しい。
国民はむしろ減税が一番の景気対策と感じている。
◆消費税増税法案を通したのは【民主党】
知らなければならない事実は、
・消費税増税法案を通したのは【民主党】
・自分達が動かせるお金を増やしたい
【財務官僚】がそれを入れ知恵した
・自民党が消費税増税を止めるためには、
【民主党の増税法案を否定する法案】
を通す必要があった
・自民党内部にも、票のため、欲のために
財務省から予算がほしい【増税賛成派】
が多数いるため、内部分裂を恐れそれが出来なかった
・マスコミは官僚が完全にコントロールしているため、消費税増税に反対するような内容は決して報道しないし、
増税をストップするような動きがあれば、マスコミを通じたバッシングをはじめ、
あらゆる手でそれを潰しにかかる
という事実です。
こうしたポイントから、
今回の解散総選挙の真実が見えてくる
のですが、
高橋先生は、
「現代ビジネス」に下記のような記事を寄稿されています。
————————————————
多くの人は、政府のトップの首相が決断すれば法律が成立すると思い込んでいるが、違う。
郵政解散の時でも、小泉首相が出した
郵政民営化法案は国会で否決された。
今回も、消費増税ストップ法案は国会で否決されるどころか、提出もできなかったのは、誰でも知っている事実だ。
というのは、財務省が増税すれば予算措置のアメを与えると国会議員の大半を籠絡していたからだ。
そこで、安倍総理は、衆議院議員を全員クビにして、
つまり解散して、総選挙で財務省ではなく国民から意見を聞いてこいといったわけだ。
———-
今回は、民主主義の基本の税が争点である。
急に増税から方向転換した民主党や、
自民党でも増税を主張していた議員の是非を問うことができる。急に手の平返しをした人は、選挙後に豹変するかもしれない。
確実に起こった影響は、安倍首相が解散を言ってから、
少なくとも増税派(予算をばらまきたい財務省、
そのおこぼれをもらおうとする国会議員、地方議員、
首長、経済界、マスコミ、有識者、学者など)から
表立っての増税論はなくなったことだ。
ただし、この増税派は反省してもらいたい。
昨年夏から、増税しても景気は大丈夫というウソをつき、その結果、増税後に景気は悪くなった。
それを、天候不順、なかには、エボラ熱、デング熱などが原因という「お笑い」までが官邸のホームページに出てきた。
いかに〓ポチ・エコノミスト〓がデタラメ
かということが誰にもわかる。
————————————————
今回の解散総選挙がなければ、
消費税増税の先送りは出来ないということ、
今回の選挙で、与党・野党に限らず、
本当にちゃんとした人を選ばなければ
消費税は上がるという理由が、
お分かり頂けましたでしょうか。
つまり、国会で可決しなければ、
消費税増税の先送りあるいはストップは出来ない。
そして今の衆議院議員は、可決しない。
だから今、その議員達に、
「国民の信が問われている」のです。
本当に大切なのは、
「増税を仕掛けているのは本当は誰か」
を知ることです。
それは財務官僚と、彼らに籠絡された
国会議員、地方議員、首長、経済界、
マスコミ、有識者、学者であり、
彼らが今回の安倍首相による、
「消費税増税先送り解散」発表により、
増税主張を封じられた格好となったため、
財務官僚が裏から手を引くマスコミ、
そして野党は「大義なき選挙」という
前代未聞のPRを繰り広げている、
という訳です。
消費税増税ストップ・先送りのためには、改めて法案を作り、
国会で可決しなければならない事実を
多くの国民が知らない盲点を突いた、
とても狡猾な手口です。
ですから、今回の選挙は、
「誰が本当は増税賛成派なのか」
を見極めなければならない、
非常に重要な選挙なのです。
安倍首相は、こうしたことを見越して、
「増税派潰し・あぶり出し」のために、
戦略的に「増税先送り解散」の発表を
したと言えます。
もちろんそれは、重要な争点で先制し、
選挙で勝ち、長期政権を樹立する狙いもあることは間違いありません。
(中略)
いずれにせよ、それをただ口先だけで
言うだけの政治家ではなく、
本当に官僚に対抗できる力のある政治家を見抜いていく必要があります。
日本のよりよい未来のために。
私達の生活、子ども達の命を守るために、
ともに歩んでいけることを切に願っています。
それでは、また。
今日も皆様にとって幸多き1日になりますように。
(リアルインサイト 鳥内さん FBよりシェア)
◆財務省の論法にダマされるな!!
●税率を単純比較するのはナンセンス
財務省がよく使うのが、「世界でも日本の消費税率は低い」という“解説”だ。しかし、これにダマされたらダメだ。とんでもないカラクリがあるのである。
消費税を導入している国は現在、145カ国。
フランス19.6%、ドイツ19%、イギリス17.5%、スウェーデン25%
――などとなっている。数値を見れば、日本の税率が低く見えるが、そんな単純な話ではないのである。
主要国の多くは、食料品など生活必需品の税率を軽くしている。
イギリスでは食料品、国内旅客輸送、医薬品などの税率はゼロ。
フランスも新聞、医薬品の税率は2.1%である。
アイルランド、オーストラリアも食料品の税率がゼロ。
日本のようにすべての国民を対象に、日用品も贅沢品も関
係なく一律に分捕る制度ではない。
一概に比較できない数値を“喧伝”して「増税やむなし」の雰囲気をつくろうとする財務官僚に騙されてはいけない。
税収(国税)に占める消費税の割合を比べると、
イギリスは38.4%。
消費税(10%)のオーストラリアは26.8%
日本は、8%=5.4*7=37.8% (1%地方分として、除外 )
10%=5.4*9=48.6%
だが、日本のこの計算方法もおかしいと感じるだろう。消費税は、国民にとっては地方分も国税分も関係なく消費時には負担させられる。だから地方分1%分を除くというのは当てはまらない。ただ比較上の都合というだけだ。
だから、日本国民の消費税負担が別に軽いワケではない。
「『日銀貴族』が国を滅ぼす」の著者で、旧日本長期信用銀行出身の経済評論家・上念司氏はこう言う。
「米国・カリフォルニア州では家の売買に消費税はかからない。課税対象が限定されている国と、すべてに課税される日本を比べて消費税率を論じるのは おかしいのです。これは『日本の法人税率は高い』という言い方にも当てはまる。ナフサ原料の非課税(約4兆円規模)などの税制優遇があるのに、法人税だけ を見て、日本の企業の税負担は大きいというのは乱暴です」
仮に消費税増税の方向に向かうとどうなるのか。
「増税で財政再建した国はどこもありません。
EU統合の際、財政赤字を減らすために各国が取った方法には『歳出削減』と『増税』の2通りあったが、増税を選んだのは(事実上破綻した)ギリシャとイタリアの2カ国でした。デフレ下の日本で増税すれば、さらにモノが売れなくなり、税収も落ち込む。
官僚たちの言い分を信じてはいけません」(上念司氏)
財務省は円高を防ぐための為替介入と称して、巨額の円売りドル買いの介入をしてきたが、これらの介入は真っ赤な嘘である。
いずれの場合も即座に買ったドルで米国債を購入しているので、国民の税金を米国政府に献上しているだけなのである。
円安ドル高で、米国債の価値は激減している。かといって円高の時も売ることすらままならなかった。
つまり、米国債購入というのは、米国に対しての献金にも等しい行為である。
小泉・竹中の時代には50兆円という米国債購入時に、国債の証券すら日本に引き渡されなかったことがある。これは当時の財務省も認めている。
◆米国ジャパンハンドラーの露骨な信賞必罰みせしめ劇
1.中川元財務大臣失脚の功労賞か
2009年10月7日、財務省の篠原尚之財務官がIMF(国際通貨基金)の副専務理事に抜擢されたそうです(注1)。その後任財務官に、玉木林太郎国際局 長が抜擢されているそうです(注2)。周知のように両氏は今年2月、ローマG7蔵相会議に中川元財務大臣に同行した官僚たちです。この人事はなんと、中川 氏の変死とほぼ同時タイミングです。財務省国際局官僚はいったい、どんな神経をしているのだろう?よくもまあこんなあつかましいことができるなと、逆に感 心してしまいました。
2.米国にからめとられた日本の国際金融官僚
上記の日本の国際金融官僚の国際的人事から、財務省や日銀や金融庁など、日本の金融官僚トップの人事に、米国ジャパンハンドラーが一定程度、関与していることが伺われます。
本稿記述のため、財務省の組織図を調べたら、財務大臣はアドバイザーの位置(組織図における脇の権限のない“お飾り”の位置)に追いやられ、組織トップは “財務省本省”という抽象体になっています。ここに米国ジャパンハンドラーのボスがカーテンに隠れて闇鎮座しているのでしょうか(笑)。
ところで筆者の知り合いで、日本の大手銀行の幹部だった人物から、金融庁(日本の民間銀行の監督官庁)のトップ人事は完全に米国に握られていると非公式に聞いています。日本の大手銀行幹部はみんな、そのことを知っているはずです。
現在、財務省と日銀と金融庁は表向きそれぞれ独立させられ、小泉政権誕生以前、日本の国富を独占してきた旧大蔵省の弱体化が行われていますが、これも米国 ジャパンハンドラーの差し金だと思います。ちなみに2001年、大蔵省解体・分割のトリガー、ノーパンしゃぶしゃぶ事件はCIA謀略部隊の陰謀と言われて います(証拠はありません)が、この事件からも日本の官憲や大手マスコミの真の役割が何であるかよくわかります。
3.ローマG7での中川朦朧会見を振り返る
さて上記両氏は、今年2月のローマG7における故中川元財務相の朦朧(もうろう)会見事件の主要関与者であることは周知の事実です(注3、注4)。とりわ け玉木氏は、中川氏と麻布高校同級生であった偶然で、わざわざ、G7に政府要人として同行し、朦朧会見直前に、女性記者を同伴の上、中川氏にワインを飲ま していたそうです。
日本の歴史に汚点を残した中川大臣朦朧会見の画像はネットで、日本全国のみならず、全世界を駆け巡りました。今度IMFに転出した篠原氏も、白川日銀総裁 とともに中川会見画像に映っており、両氏の態度・表情は、全世界の人々に目撃されているということです。中川氏の異常会見にまったく動じることがなく、冷 淡に傍観・放置しているのは誰の目にも“不自然”に映ったでしょう。どうして平気でいられるのか、事情を知らない国民はこの画像に、さぞかし苛立ったはず です。中川氏選挙区民を含み、事情を知らないお人好し日本国民の多くは、その苛立ちの矛先を中川氏に(間違って)振り向けたわけです。黒幕の思うつぼとは このことです。
4.中川朦朧会見はケネディ暗殺事件と同じく当事者のシナリオ行動
筆者はこの“不自然”画像をみたとき、とっさにケネディ暗殺前後のリムジン運転手とリムジン周辺の護衛警官の動きを連想しました。狂乱するジャックリーヌ 夫人の制止に動いた護衛一人(夫人付き添い)を除き、リムジンの運転手も、リムジン周辺の護衛も、まったく動じる様子がなかったのです。もしリムジン運転 手も護衛も事前に暗殺計画を知らなかったなら、人間の自然な行動として、狙撃発生後、いったん車を止めて大騒ぎするはずですが、その素振りもなかったわけ です。実に“不自然”でした。これと同質の“不自然さ”が中川会見にも観察できました。
筆者のいう“不自然さ”とは、すなわち、事件被害者を除き、事件の周辺関係者が、事件勃発を予め知っているときに観察できます。これはシナリオに基づく予定行動とみなせます。
5.竹中ハンドラーとツーショットのふてぶてしさ
上記、篠原氏をIMF幹部に推薦したのはロバート・ゼーリック世界銀行総裁で、二人のツーショットがネット上に存在します(注1)。このゼーリックこそ、小泉政権時代、竹中ハンドラーであったことは有名です。
9.11郵政選挙の直前、2005年8月2日、民主党若手ホープ、桜井充参院議員が、国会で竹中郵政民営化担当大臣に質問し、竹中氏が日本国の郵政民営化 なのに、どういうわけか、郵政民営化に関して当時のゼーリック米通商代表と密な交信をしていることの証言を引き出すことに成功しています(注5)。なぜ成 功したかというと、桜井議員が、その交信の書簡コピーをもっていたからです。NHKはたまたま、“闇権力に不都合な”この国会中継を“誤って”放映してし まいましたが、大手マスコミは完全黙殺でした。この大手マスコミの対国民への真実隠蔽体質が、9.11郵政選挙で、国民の大チョンボ(誤った判断)を誘発 してしまいました、実に悔しい思いです。
一方、ゼーリックは日本の郵貯・簡保米営化という“大手柄”(米国寡頭勢力サイドから見て)の見返りに、世界銀行総裁(ネオコン論客、ポール・ウォルフォヴィッツの後釜)に抜擢されているわけです。実にわかりやすい米国流論功行賞人事です。
6.実にわかりやすい米国の信賞必罰人事:反CIA日本人へのみせしめか
上記のような米国覇権主義者の価値観に基づく成果主義人事が、今回、篠原、玉木両氏に適用されたとみるのが自然です。筆者の16年半におよぶ米国組織の経 験から、彼らは常に極めて律儀に論功行賞人事を実践します。これだけは筆者も感心するほどです。それだけに、その逆に期待に沿わなかったら、信賞必罰も徹 底しています。中川元財務大臣には、まさに篠原、玉木氏と逆に再起不能の重罰が下されたとみることができます。
このあからさまな米国流の信賞必罰行動に、一般国民は無反応であっても、アンチCIAの日本人にはそれなりの“みせしめ”効果があります。戦争屋=CIA(デビッドRF系)残党によるいつもの陳腐なジャパンハンドリング手口がここに垣間見られます。
7.ローマG7蔵相会議の真相
米国ジャパンハンドラーが、買弁日本人を使ってまで、中川失脚を企んだのは、当然ながら、それだけの必要性があったからです。そのことは、すでに拙稿(注6)にて分析済みです。
さて国際政治評論家の浜田和幸氏によれば、福田首相(清和会には珍しく対CIA面従腹背政治家)の突然の辞任の真相は、米国金融危機の救済に、われわれ日 本国民の残り少ない虎の子資産から100兆円規模の米国債購入を強要され断ったから(注7)とのことです。この見方に筆者も同感です。なぜなら、福田首相 の前任者、安倍首相も、米国から数10兆円単位の米国債購入(このときはイラン戦争戦費)を強要されたものの、金融官僚コントロールができなくて辞任した のが真相(注8)だと筆者は信じていますから。
蛇足ですが、福田首相が辞任会見で記者に向かって『私はあなたたちとは違うんです!』と怒った意味もよーくわかります(笑)。
さてポスト福田の麻生・中川コンビ(対CIA面従腹背コンビ)は、米国の100兆円拠出要求を、10分の1の10兆円規模のIMF拠出に負けさせたので す。ローマにてゼーリック世界銀行総裁の執拗な残り90兆円の追加要求を中川氏が最後まで拒否したと思われます。このことは、ローマG7の開催中にゼー リックと中川氏が個別会談している事実(注9)から容易に推察できます。
蛇足ですが、上記、篠原氏のIMF転出は、すきあらば、日本からもっとIMF拠出金を引き出すための仕込みと、中川朦朧会見事件の秘密暴露を防止するためと推測できます。
注1:ジャパンハンドラーズと国際情報、2009年10月7日
http://amesei.exblog.jp/10311093/
注2:玉木林太郎、ウィキペディア参照
注3:副島隆彦・植草一秀[2009]『売国者たちの末路』祥伝社、p226
* 中川昭一氏への政治謀略をすべて暴く
注4:副島隆彦[2009]『日米「振り込め詐欺」大恐慌』徳間書店、p249
* 中川昭一財務相はクスリを盛られて大臣の座から引きずり降ろされた
注5:阿修羅サイト、2009年2月2日
“ 2005年8月2日、メディアが完全無視した竹中の「ウソ答弁」とゼーリック米通商代表の手紙・・・郵政民営化特別委員会での桜井議員の質疑“
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak15/msg/676.html
注6:ベンチャー革命No.286『追い詰められる小泉一派とマスコミ』2009年2月15日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr286.htm
注7:浜田和幸[2008]『「大恐慌」以降の世界』光文社、p227
注8:ベンチャー革命No.243『ついにさじを投げた安倍首相』2007年9月12日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr243.htm
注9:副島隆彦、今日のぼやき、2009年2月19日
http://snsi-j.jp/boyakif/wd200902.html#1901
ブログ「もうすぐ北風が強くなる」さんより引用
http://bator.blog14.fc2.com/blog-entry-574.html
(写真は当管理人により挿入)
◆【私はこれで投票する】財務省こそ「国民経済最大の敵」 アベノミクスへの圧倒的信頼を 津川雅彦氏
2014.12.09 zakzak
「えっ!」と思わせた、安倍晋三首相の衆院解散劇。3分の2以上の議席数を持つのになぜ? 朝日新聞や毎日新聞などは「大義がない」と大騒ぎした。本当に国民に「信」を問うべき解散ではないのか?
消費税増税は、デフレの真っ最中に民主党政権が決めた。いま国民の多数は増税延期を望んでいる。2年で2度も消費税をアップした国はない。世に金が回らないとデフレになる。回り過ぎるとインフレだ。
財務省はデフレの最中に消費税を増税し、世の中から金を吸い上げ、デフレに拍車を掛けた。日本経済より、己の権力増大を画す巨大ゾンビが財務省ではないのか。
アベノミクスは、世の中に金を回し、株価を上げ、円安に導いた。企業の利益や雇用、給料、設備投資もアップした。景気もアップし、デフレはストップし、東北の被災地復興も進んだ。
川上に水を入れなければ、川下には流れない。小手先やバラマキはダメだ。経済は原理原則で動く。春の消費税増税で景気は当然停滞した。川下の中小企業とそ の従業員は、まだ潤っていない。アベノミクス効果を隅々まで行き届かせるには最低3年は必要だろう。サラリーマンも3回の賃上げで潤ってくるはずだ。
消費税増税は、中小企業や個人の所得を圧迫する。円安も輸入原材料や原価が高騰して、中小企業の利益を圧迫する。トヨタ自動車は早々に下請けへの配慮を発表した。
さらに景気対策として企業減税も必要だ。だが、財務省は反対。選挙で財務省を落選させられない。「国民経済の最大の敵」である財務省を黙らせるには、衆院選でアベノミクスへの国民の圧倒的信頼が必要なのだ。
民主党はもはや敵ではない。懲りずに入れる無駄な人も許すのが民主主義である。
今回は「消費税増税延期解散」である。安倍晋三首相は、たとえ自民党の議席数を減らしても、血を流しても、経済を立ち直らせ、国民の生活を充実させる王道を歩むという覚悟と決意で、国民の「信を問う」と決断し、行動したのだ。
いま、他に日本経済を心配し、動かせる力を持つ政党があるのか? 「安倍晋三」という政治家ほど、「力」があり、かつ「純粋」で「誠実」なリーダーは前代未聞だ。
■津川雅彦(つがわ・まさひこ) 1940年、京都市生まれ。56年、映画『狂った果実』でデビューし、『マルサの女』『別れぬ理由』『プライド・運命の 瞬間』など数多くの作品に出演し、存在感あるキャラクターを演じる。映画『寝ずの番』『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』などでは、監督・マキノ雅彦 としてメガホンを握る。読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』にレギュラー出演中。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141209/plt1412091140001-n1.htm
◆前財務次官の勝栄二郎の天下り先「I I J」
① 前財務次官の勝栄二郎は、「IIJ」という情報通信関連企業に天下りしている。このIIJは全てのネット情報の詳細を知ることができ、個人情報もIIJにかかっては丸裸にされる。
② 勝が暗躍し、役所のネット関連費用として1000億円の予算が計上された。勝の懐には、1000億円の3%(30億円)がマージンとして入る。
③ 選挙システムを一手に引き受けて不正選挙工作を疑われている「ムサシ」の司令塔は、IIJではないのかという疑惑が囁かれている。
④ 不正選挙は、プログラム開発会社の富士通が決断すれば簡単に防ぐことができる。
⑤ 小沢と菅が争った民主党代表選挙の党員票開票では、党員票の3割がムサシの筑波倉庫で処分され、その費用として民主党は2億円支払った。
IIJは、「株式会社インターネットイニシアティブ(Internet Initiative Japan Inc.)」の略称で、外資を除き、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダ(ISP)として知られている。
1000億円は半端な金額ではないから、今後ネット対策・監視を強めて来ることは必定である。米国や中国並みの監視社会になるわけで、益々生きにくくなる。
郵政宿舎跡地、港区南麻布4丁目5-28、7の土地5679㎡(約1700坪)を中国大使館へ売却した文字通りの売国奴国家公務員共済組合連合会(KKR)の天下り役員
理事長 尾原榮夫 (財務省)
専務理事 日野康臣 (財務省)
常務理事 小林誠一 (防衛庁)
常務理事 丸田和夫 (厚生労働省)
危機到来を予感させるヘーゲル国防長官解任
日本はレームダック化する政権との心中だけは避けよ
2014.12.08(月) 渡部 悦和 JB PRESS
米国のチャック・ヘーゲル国防長官は11月24日、辞任すると発表した。このニュースを最初に伝えたニューヨーク・タイムスによると、ヘーゲル長官は、バラク・オバマ大統領の圧力により辞任せざるを得なかったようである。つまり解任である。
解任されたヘーゲル長官
我が国にとって、オバマ政権内における数少ない日本の理解者を失うことになる。大きな損失であり、残念でならない。
ヘーゲル氏は、任期を2年残して事実上解任されることになったが、かねてヘーゲル国防長官とオバマ大統領の側近たち特にスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官との意見の対立が報道されてきた。
反日・親中の急先鋒、スーザン・ライス米大統領補佐官(安全保障担当)〔AFPBB News〕
オバマ大統領を支えるスタッフについて、アジア太平洋のことを本当に理解しているエキスパートがいないのではないかという懸念が米国内外にあった。その典型例はライス氏であるが、オバマ大統領はまたしても評判の良くない側近を擁護し、国防長官を排除することとなった。
中間選挙において敗北を喫したのを契機に、不手際が目立つライス氏やジョン・ケリー国務長官を更迭するのではないかという報道がなされていたが、最終的には側近ではなく、外様であるヘーゲル氏が辞任することになった。
ライス氏やケリー氏こそ辞任すべきだと思っている人たちは多いと思う。彼らの残留により、今後2年間のオバマ政権の安全保障分野での混迷は継続すると予想され、我が国もそのことを覚悟して対処する必要がある。
ヘーゲル氏の辞任により、オバマ政権6年間で3人の国防長官(ロバート・ゲーツ、レオン・パネッタ、チャック・ヘーゲル)が辞任することになったが、ゲーツ氏とパネッタ氏は、辞任後回顧録を出版しオバマ大統領を厳しく批判している。
その批判の焦点は、オバマ大統領の軍の最高指揮官としての資質に対する疑問である。決断力の欠如、軍に対する信頼感の欠如、最高指揮官としての責任感の欠如などである。
オバマ大統領の誠実で真面目な性格や弱者に対する思いやりとか地球環境に対する配慮とか評価すべき諸点は認める一方で、こと軍の最高指揮官としての資質については2人の元国防長官の評価に同意せざるを得ないのである。
いずれにしろオバマ政権は今後2年間続き、その間において何が起こるか分からない。日米関係をいかに適切なものにしていくかが我が国の課題である。
ヘーゲル氏を評価する
ヘーゲル氏は共和党の上院議員であったが、オバマ大統領の三顧の礼により国防長官に就任した。
オバマ大統領に解任されたチャック・ヘーゲル国防長官〔AFPBB News〕
ヘーゲル氏は、見かけはパッとしないが、ベトナム戦争に下士官として従軍した経験があり、軍隊と軍人の本質を理解し、戦場で苦労する軍人に共感することができる長官であった。この点が、オバマ大統領とヘーゲル氏の根本的な違いである。
筆者は、今回のヘーゲル氏の辞任を同情的に見ているが、ヘーゲル長官をなぜ評価するかについて記述する。
(1)日米同盟の重要性を深く認識し、小野寺五典防衛大臣(当時)ともツーカーの関係であり、日本の立場をよく理解してくれていた。
例えば、2013年4月に米国防長官として初めて、「米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」と明言した。その後、オバマ大統領が同様の発言(「日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」)を2014年4月の日本訪問時にすることになった。
また、今年5月にはシンガポールにおけるシャングリラ会合において、傲慢に行動する中国に忠告を与えるとともに日米同盟の強固さをアピールした。以下に、ヘーゲル氏のシャングリラ会合におけるスピーチの主要な部分を紹介する。
●安倍首相の集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈見直しを支持する。
●(中国の)上空通過と航行の自由を制限するいかなる試みにも反対する。中国による東シナ海での一方的なADIZ(防空識別区)の設定(これには日本が実効支配している尖閣諸島も含まれる)には米軍は拘束されない。
●オバマ大統領は尖閣諸島に対して日米安保条約が適用されることを明言した。
●日米は、この20年間で初めての日米ガイドラインの見直しを行う。安全保障環境の変化および自衛隊の能力向上を反映して日米関係が進化することを確信する。
●昨年12月の普天間代替施設の建設承認のお蔭で戦力再配置のロードマップで完全合意ができた。そして、米国の最新兵器を日本に配置してきた。例えばグローバル・ホークの三沢基地配備、F-22の嘉手納配置、MV-22オスプレイの沖縄配置である。
●アジアにおける米軍の態勢は優先される。特に日本、韓国およびグアムにおける米軍の態勢は優先される。
このように主張したのだ。
(2)強圧的な中国に対して融和的な姿勢が目立つオバマ氏の側近の中で、中国に対し厳しく対峙した数少ない閣僚であった。
例えば、中国が提案する新たな大国関係について本質的な態度をとったのはヘーゲル氏であり、オバマ氏の側近であるライス氏でもケリー国務長官でもない。2人はしばしば中国寄りの発言をし、日本をはじめとする同盟国や友好国に懸念を抱かせているのである。
ヘーゲル氏はシャングリラ会合において次のように中国を批判している。
「中国は、南シナ海を平和、友情、協力の海と呼ぶが、南シナ海における要求を主張する一方的な行動を続けている。中国は、スカボロー礁への接近を制限し、 セカンド・トーマス礁におけるフィリピンの長期にわたるプレゼンスに圧力をかけ、数か所で領土要求活動を開始し、パラセル諸島近くの論争海域にオイル・リ グを設置した」
「米国の立場は明確で一貫していたもので、領土問題にはどちらの立場にも立たないが、いかなる国家であろうと脅迫、強制、軍事力の脅威を利用してその要求を強く主張することに反対する」
「諸問題を外交、確立された国際的ルールや国際的規範に基づいて解決することを選ぶか、脅し(intimidation)や強要(coercion)による解決を選択するか、この地域はテストされている」
「米中の軍対軍の関係における道ははるかに遠い。サイバー問題において、中国は米中サイバー作業グループを停止させたが、引き続き中国側にサイバー問題を提起する。なぜなら、サイバー空間における誤判断やエスカレーションの危機を低減させることが必要である」
これらは極めて妥当な発言と言えるだろう。
(3)ヘーゲル氏は、オバマ大統領の政策を分かりやすく説明する代弁者であった。次のような彼の発言がそれをよく物語っている。
「リバランス(米国のアジア太平洋重視の政策)は、ゴールではない、約束でもない、ビジョンでもない、現実なのだ」
「オバマ大統領がウエストポイントで発言したように、米国は、常に世界の舞台でリードしなければいけない。我々がリードしなければ誰もリードしない。問題は、米国がリードするか否かではなく、いかにリードするかである」
「米国の最大の強みの1つは同盟国および友好国のネットワークである。マーシャル将軍の言葉にあるように、国力は、ただ単に陸軍、軍艦、航空機の数にのみ基づくものではなく、同盟国と友好国の強さにも基づくものである」
このような指摘は同時に、暗に強圧的に行動する中国には本当の同盟国や友好国がないことを示唆している。
(4)現在、中東に於いて最大の問題になっているイスラム国の脅威を強く訴え、イスラム国への断固たる対処を主張した。
彼は、空爆だけではイスラム国を打倒できないとして、地上部隊の投入を主張している。陸海空の統合作戦が不可欠な現代戦において、地上作戦と空爆の併用は常識であり、彼の主張は戦術的には正しい。
しかし、オバマ大統領にとって「地上部隊を派遣しない」という主張は彼の対テロ戦争の骨幹であり、譲れない一線である。だが、オバマ氏が考えている地上戦 においてイラク陸軍を活用することや、シリア内の穏健な反政府グループを活用する案は「言うは易く行うは難し」の案であり、対イスラム国の作戦が成功しな い確率は高くなる。
ヘーゲル氏ではなくオバマ大統領の側近3人が問題である
オバマ大統領が中間選挙の大敗を受け、何人かの閣僚などを交代して人心の一新を図るのではないかという米国内外のマスコミの予測があった。その予測の中で名前が挙がっていたのがライス氏やケリー氏であった。このマスコミの人物評価は正しいと思う。
筆者はさらにジョー・バイデン副大統領も辞任すべきだと思っている。それほどにこの3人は外交を含む安全保障分野においてオバマ大統領の足を引っ張っていると思えてならないのだ。
オバマ政権の問題児3人衆の1人、ジョー・バイデン副大統領〔AFPBB News〕
ただし、不適切な人選をして、米国の安全保障政策を評判の悪いものにしているのはオバマ大統領自身の任命責任である。
スーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官の問題
11月27日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、オバマ大統領は最近、長年信頼を寄せてきたライス氏を長とする「忠臣たちからなるチーム」を重視していると指摘している。
ライス氏のやり方には仲間の民主党議員や彼女に近い外交関係者からも、「不躾で不愉快だ」という不満が出ている。それが時には日本、ドイツ、フランスなどの主要同盟国との関係がぎくしゃくする原因になっている。
彼女は、2013年11月20日にワシントン市内の大学でスピーチした際に、米中関係について「新たな大国関係(new kind of great power relations)を機能させようとしている」と、中国は喜ぶが、日本が受け容れることができない発言をし、我が国を始めとする米国の同盟国に不安感を 与えてしまった。
米中の「新たな大国関係」については米中の思惑が違っている。つまり、中国としては、「中 米は対等の関係である。米国は、中国が核心的利益と見なすチベットや新疆ウイグル自治区、台湾、東シナ海、南シナ海の諸問題に対しては口出ししない。さら に、太平洋を中米で二分し、それぞれの区域のことに関しては介入しない」という解釈である。
米国にとって中国との新たな関係とは、「中国を国際社会における責任ある大国として、グローバルな諸問題解決に尽力し、国際法や国際的な基準に則って行動する国家となることを期待する」というものであるが、中国は決して米国の望むような国にはならないであろう。
ライス氏が我が国をさらに不安にしたのが、同じ講演での尖閣諸島を巡る発言だった。
「米国は主権の問題には立場をとらない」「日中の対立を先鋭化しないよう平和的で、外交的な方法を探るよう両国に促す」と発言した。
これは尖閣諸島を実効支配する日本の立場や挑発的な行動に出る中国を無視した発言である。さらに、ライス氏は、日米安全保障条約が尖閣に適用されるという方針にも触れなかった。あまりにも中国寄りで日本の立場を軽視した発言であると言わざるを得ない。
ケリー国務長官の問題
ケリー国務長官は、世界中の紛争などの火消しのためにめまぐるしくシャトル外交を繰り返しているが、見るべき成果が全くない。
立派な外交官は、行動する前に、自分が解決すべき最も優先順位の高い案件は何で、その解決のための戦略や方策を持っているべきであるが、ケリー長官の動きを見ていると彼は本当に外交戦略を持っているのだろうかという疑問を抱かざるを得ない。
問題児3人衆の1人、ジョン・ケリー国務長官〔AFPBB News〕
また彼はアジアについてはもともと関心が薄く、失言長官としても有名である。数々の失言とアジアに対する無知さは、国務省の外交努力を台無しにしている。
例えば、ケリー長官から「どうして日本はアジアで孤立しているのか」と問われた知日派の元米政府高官が、「それは中国と韓国だけのことで、日本の安倍政権は他のアジア諸国から歓迎されている」と答えるとびっくりしていたという。
また彼は、4月25日にワシントンで開かれた日米欧の有識者による政策協議「三極委員会」で講演し、「中東唯一の道はパレスチナ独立国家樹立による2国家 共存だ」と指摘し、「それができなければ、イスラエルは二級市民を作るアパルトヘイト国家になりかねない」と失言し、ユダヤ人の団体や共和党から引責辞任 を求められた。この種の失言は数多くある。
バイデン副大統領の問題
バイデン副大統領も評判が悪い。元国防長官ゲーツ氏によると、「バイデン副大統領はうぬぼれが強く、過去40年間の外交や国家安全保障に関するほとんどすべての主要政策で誤ちを犯してきた」と手厳しく批判している。
10月5日付のトルコのZaman紙によると、バイデン副大統領は、自らの失言がトルコと米国の間に緊張を生んだとして、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に謝罪した。
その失言とは、イラクとシリアでテロを起こしているイスラム国(IS)が勢力を拡大した際に、トルコも役割を果たしたという趣旨のものである。
バイデン副大統領は、ハーバード大学で行った会見で、エルドアン大統領が、「あなたは正しかった。私たち(トルコ)は、多くの人間が(シリアへ)渡る許可を与えた。今は国境を封鎖しようとしている」と述べたと発言した。
エルドアン大統領は、この発言に対し強く反発し、「絶対にこのような発言をしなかった」と述べた。エルドアン大統領は、バイデン副大統領に謝罪を求め、 「この件に関して、もしバイデン氏がこのような発言をしたとしたら、彼はもう対話の相手ではない。トルコをこのように非難して責任を負わせるのは間違いで ある」と述べた。
バイデン氏は、エルドアン大統領に電話をかけ、自らの発言について謝罪した。
また、11月26日、イスラム国に対する対応でトルコのエルドアン大統領を説得しに行き、本人はある程度の成果があったとうぬぼれていたが、その直後27日にエルドアン大統領が厳しい米国批判を展開して面目丸つぶれになってしまった。
エルドアン氏は、シリア内戦における米国の出しゃばり(impertinence)をこきおろしている。バイデン氏は、イスラム国に半分支配されているコ バネ市を奪回するためにトルコは協力すべきだと圧力をかけに行ったのであるが、エルドアン氏は「我々は、米国の出しゃばり、(トルコの立場をわきまえな い)無頓着さ、終わりなき要求に反対しているのだ」と公の場で米国及びバイデン副大統領を批判したのだ。
元国防長官ゲーツ氏とパネッタ氏のオバマ大統領批判
オバマ政権6年間で3人の国防長官が辞任することになった。最初がゲーツ氏で、次いでパネッタ氏、そして今回のヘーゲル氏である。ゲーツ及びパネッタ両氏は、国防長官辞任後回顧録を出版し、その中でオバマ大統領を厳しく批判している。
レオン・パネッタ元国防長官〔AFPBB News〕
まず、ブッシュおよびオバマ両政権で国防長官を務めたゲーツ氏がその回顧録“DUTY”でオバマ大統領を厳しく批判している。
ゲーツ氏は「オバマ大統領は、自らに仕える司令官を信頼せず、自らの戦略を信じていない。この戦争を他人事のようにとらえている。オバマ氏にとってアフガン戦争は撤退するだけのものだ」と指摘している。
また、ドニロン前大統領補佐官ら側近が取り仕切るオバマ政権の態勢を歴代政権の中でも最も中央集権的で、安全保障に口を出すと指摘し、国防省の部下には 「ホワイトハウスには情報を与えすぎるな」と指示していたと明かしている。これらの証言でも明らかなように、オバマ大統領とゲーツ国防長官や将軍の関係は 緊密なものではなかったのである。
対テロ戦争を主に国内政治として扱う習慣は執務室にまで持ち込まれ、オバマ氏自身の政策を台無しにした。アフガニスタンの場合が特にそうだ。ゲーツ氏は2010年初頭までに、そうした結論に至ったという。
一方、パネッタ氏は、「オバマ政権はイラクで米兵を残留させずに失敗したが、アフガニスタンでは来年も米兵1万人を残留させる交渉を成立させて同じ轍を踏 まなかった」と述べた。またそれと同様に、シリアの反体制穏健派への軍事訓練・武器供与を決断したのは「遅れたが、しないよりは良かった」と話している。
さらに「もし米国がリーダーシップを発揮しなければ、他にどの国も代役はできない」、「政府も大統領も、世界のどの場所であろうと空白を放置できないことを認識した。放置すれば、そこは間もなく制御不能となり、わが国の安全保障を脅かす」と述べた。
予算を巡る米議会との駆け引きにおいて、オバマ氏が「自分の考えを通す信念に欠け」、しばしば「戦いを避け、不満を述べるだけで機会を逸していた」と非難している。
オバマ大統領による2012年の「レッドライン」発言は、シリアのアサド大統領が内戦で化学兵器を使用すれば、米国は軍事介入に踏み切ることを表明したも のだが、アサドが化学兵器を使用したにもかかわらず、米国は軍事介入を避け、シリアの化学兵器放棄を国際協調の枠組みの中で進めることを選んだ。
このことが米国の信頼性に打撃となり、米国の影響力が弱くなっていることを世界に印象づけることになってしまった。パネッタ氏やクリントン前国務長官、当 時のデービッド・ペトレイアスCIA(米中央情報局)長官はシリアの反体制穏健派に武器供与する計画を支持していたが、オバマ氏は逡巡し、この問題を議会 に投げてしまったという。
オバマ大統領のリーダーシップに対する疑問
米国の相対的な国力が低下し、巨大な財政赤字削減の圧力の中でウクライナ紛争やイスラム国との戦いなどグローバルな諸問題を解決するのは非常に難しい。オ バマ大統領が直面している難局を見事に乗り越えることは誰にとっても難しいことではあるが、オバマ氏のリーダーシップに筆者は違和感をもっている。以下3 点指摘する。
(1)対テロ戦争の最高指揮官としての熱意・責任感の欠如
オバマ大統領のイラクやアフガニスタンにおける戦争指導には最高司令官としての熱意を感じることはできない。オバマ氏からすれば、対テロ戦争はブッシュ氏から引き継いだ負の遺産であるという本音がどうしても出てしまうのであろう。
対テロ戦争に熱心でない大統領と第一線で命を落としていく兵士の間には大きな溝があるように思えてならない。この点が、対テロ戦争におけるオバマ大統領の最大の問題点である。
(2)軍隊および軍人に対する軽視
オバマ大統領の6年間を観察して気づくのが軍隊および軍人に対する軽視である。例えば、今年9月23日の国連総会に参加する際、大統領専用機Marine Oneから出てきたオバマ大統領は、彼に敬礼する若い海兵隊員に対し右手にコーヒー・カップを持ったまま答礼をした。
この行為はLatte Salute(カフェラテ敬礼)と呼ばれ、軍隊においては許されない行為である。軍の最高指揮官に対し敬意をこめて敬礼する若い軍人に対し余りにも礼を失する行為である。
この行為に対し国内外から数多くの批判が寄せられたが、これがオバマ氏の軍に対する軽視の典型例である。そんな些細なことを批判しても始まらないと言う人は軍隊の何たるかを知らない人である。
軍人は軍の最高指揮官である大統領の命令によって任務を遂行するのであり、そのために命を落としたり、両手両足を失うこともある。だからこそ軍人の敬礼には心からの敬礼を返すのが常識なのだ。
13年間続いている米国の対テロ戦争において死亡した米国軍人は6800人以上であり、負傷者は5万2000人以上である。この膨大な犠牲者数に対して軍の最高指揮官としていかなる思いでいるかが問われるのである。
(3)オバマ政権に対しては、国家の秩序、社会の秩序を維持することの重要性を深く認識していないのではないかという疑問がある。
ヘーゲル長官が辞任を発表したと同時期に米国のファーガソンにおいて暴動が起こった、黒人少年を射殺した白人警官の不起訴が決定したことに誘発された暴動である。国内の治安を維持する必要性を再認識した米国人は多かったと思う。
筆者が疑問に思うのは国内の治安維持のために不可避的に成立したタイの軍事政権やエジプトの軍事政権に対するオバマ政権の不適切な批判である。
米国の批判ゆえに両国政府は米国を離れ、中国やロシアの側に立つ可能性がある。各国には各国の事情があり、国内の治安を維持するための行動があることを認 め、クーデターによる軍事政権であると言うだけでお節介な批判をしないことである。自らの価値観の押しつけこそ米国は慎むべきである。
今後2年間のオバマ政権に対する我が国の対処法
オバマ大統領の任期はあと2年間であるが、この2年間において起こるであろうグローバルな諸問題に対してオバマ政権は適切に対応できるであろうか。もちろ んグローバルな諸問題に対しては当事者自らがその解決に向けて全力で対処しなければいけないが、米国に期待される役割や責任も大きいのである。
しかし、ライス氏を中心とするオバマ側近グループが今後2年間、安全保障を取り仕切ることになるので、この分野において多くは期待できないであろう。
そして、ヘーゲル氏の後継が誰になるにしろ、過去3人の国防長官が味わったと同じ困難を味わうことになるであろう。
特にイスラム国への対処、「中華民族の偉大なる復興」を目指す中国への対処、ロシアのプーチン大統領の他国侵略には毅然とした態度で臨んでもらいたいもの であるが、過去6年間のオバマ政権の対処を振り返ると、多くを期待することはできず、大きな紛争が起こらないことを願うだけである。
我が国にとって今後、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、日米防衛協力ガイドラインなど多くの日米間の課題があるが、日本の国益を中心として主体的に粘り強く日米交渉に当たってもらいたいと思う。
必要であれば、米国の次期政権の誕生を待って交渉するくらいの覚悟が必要である。焦って日米合意を追求する必要はない。
我が国にとっては、益々レームダック化するオバマ政権を揺さぶる中国や、ロシア、北朝鮮の動きを警戒しつつ、これに適切に対処することが重要である。
特に来年2015年は第2次世界大戦終戦70周年の年である。中国などは、米国をも巻き込んで敗戦国日本の孤立化を狙ってくるであろう。だからこそ我が国には強くて賢いリーダーの下に、ぶれない安全保障上の諸施策の推進が待望されるのである。
米国の歴史において大統領末期になると歴史に名を残したいという大統領が結構いる。典型的なのはオバマ氏の前任のジョージ・W・ブッシュ氏である。彼は、 政権末期に北朝鮮との関係を改善し歴史に名を残そうとし、あまりにも不適切な外交を展開したが、オバマ氏が同じ轍を踏まないことを望む。
歴史に名を残そうという思いは、オバマ氏自身が主張してきた「馬鹿なことをしない」の「馬鹿なこと」そのものである。特に安全保障分野で馬鹿なことをすると世界の平和と安定に重大な影響を与えることになる。
我が国にとって日米同盟は生命線であることに変わりはなく、覚悟して今後予想される諸問題に米国と協調しつつも、我が国として主体的に対処すべきであろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42378
◆共和、民主両党から見放されたオバマ大統領
米中間選挙を前に漂流し始めた米国、世界の行方は
2014.10.31(金) 堀田 佳男
「米国はいま漂流し始めている」
首都ワシントンのシンクタンクに勤務する知人はこう電話で告げてきた。
イスラム国への対応で民主党からも反発強まる
11月4日の中間選挙を前に、オバマ政権の評価と民主・共和両党の攻防を聞くと知人は「漂流」という言葉を使った。
バラク・オバマ米大統領〔AFPBB News〕
その意味は、バラク・オバマ大統領が内政と外交の両面で国をリードし切れず、国家の行き先が定まらないということだった。知人はイスラム国への対応を例に挙げた。
「オバマ大統領が9月にイスラム国の空爆に踏み切ったことで、民主・共和両党から反発を招いてしまいました。民主党リベラル派からは、『空爆したところで イスラム国を壊滅できるわけではないし、米国への反発が強まるだけ。軍事介入は間違いだった』という声が聞かれます。テロとの戦いで、米国はすでに約 6800人もの命を失っています。戦争はもうたくさんという切実な思いがあります」
「一方、共和党保守派か らは、『イスラム国を叩くには空爆だけでは不十分。地上部隊を投入しない限り勝算は見えてこない』との意見が出ています。中途半端が一番いけないというの です。今のオバマ政権は行き場を失った漂流者になったかに見えます。民主党は連邦上下両院で敗退するでしょう」
政治家が1つの事案で政治決断をした場合、有権者の意見は賛否両論に分かれることが多い。だがイスラム国への空爆問題でオバマ大統領は、両党のコアの支持層からそっぽを向かれているというのだ。
オバマ大統領自身は再選の心配がもうないが、中間選挙で選挙に望む民主党議員(候補)たちは負の遺産を引きずりながら戦わざるを得ない。
国内問題に目を向けても同じだ。オバマ大統領が力を入れてきた移民制度改革は、連邦上院でこそ法案が通過したが、共和党が過半数を占める下院では却下されてしまった。
医療保険制度改革も議会を通過して法律になったものの、混乱が相次いだ。当初ウエブサイトでの申請ができなかったり、予算案をティーパーティ(茶会党)の下院議員から反対され、連邦政府機関が一部閉鎖されたりする事態を経験した。
問題はそれだけではない、中間選挙を前に、オバマ大統領と距離を置く民主党議員たちが現れたのだ。それは優柔不断で確固たる指導力を発揮できず、理念的な政治を行おうとしている現職大統領への反抗として捉えられる。
反オバマを掲げたアラスカ州の民主党上院議員
代表格がいる。アラスカ州選出のマーク・ベゲッチ上院議員だ。日本ではほとんど馴染みがないが、前アンカレッジ市長で2008年のオバマ・フィーバーの波に乗って民主党から上院議員に初当選し、今年改選を迎えている。
同議員がいま苦戦を強いられている。というのも、アラスカ州は保守王国として共和党の地盤が強いところで、2008年の「オバマ・チルドレン」の1人として初当選した事実は、すでにプラスどころかマイナスに働き始めているのだ。
ベゲッチ議員は共和党のライバル、ダン・サリバン氏に世論調査でリードされている。そこでベゲッチ議員が劣勢を跳ね返すために採った戦術は、民主党でありながらオバマ大統領と距離を置くことだった。
日本であれば、自民党議員が安倍晋三首相を支持せずに国政選挙をするようなものである。党内からの反発と制裁が予想されるし、自民党議員という理由で1票を入れた有権者の気持ちに背くことにもなる。
ただ米政界では党議拘束が緩いため、法案の採決時に党の決定に従わなくても構わない。議員自らの意思で投票できる。
それでもあえてオバマ氏と距離を置く戦術は、何がなんでも自分だけは再選を果たしたいという我欲に映る。本当に民主党有権者から多くの支持が得られるかは疑問だ。まして共和党有権者からは「心変わりをした民主議員」とレッテルを貼られてしまう。
唯一期待できるのが無党派層からの票だが、有権者の心を動かせるかどうかは分からない。ただ今週行われた世論調査では、ベゲッチ議員の支持が少し伸びており、サリバン氏とつばぜり合いを繰り広げている。
ベゲッチ議員の選挙前の行動は、いまの米国が漂流し始めている一端を表しているかもしれない。
さらに、オバマ大統領が2008年の選挙戦から繰り返し述べてきた人種や階層、性別などを乗り越えた「1つのアメリカ」という野望は、6年経っても実現できていない。「1つのアメリカ」どころか、米国を分断させてしまったとの見方さえある。
それが大統領の支持率42%という数字に示されている。次の世論調査を見て頂きたい。CNNとORCインターナショナルという団体が行った調査結果だ。
オバマ施政に不満な国民が68%
米国の現状に「大変怒っている」(30%)と「やや怒っている」(38%)と答えた人を合わせると68%になる。世論調査は質問の文章で結果が変わってくるが、現状に怒るということはオバマ政権の施政に不満であるということにつながる。
米経済はリーマンショックから立ち直り、実質GDP(国内総生産)成長率も4-6月期で前年比年率4%のプラスを示すと同時に株価も伸張している。失業率は5.9%(9月)まで下がっており、数値の上では悪くはない。
しかし有権者の現状への怒りは治まらない。経済指標には個人の生活が反映されないからだ。
むしろハーバード大学経済学部ローレンス・カッツ教授が指摘する、24歳の若者の6人に1人(16%)は学業にも仕事にも従事していない米版「プー太郎」状態という事実の方が説得力を持つ。
こうした社会状況を眺めると、オバマ大統領が率いる民主党が、中間選挙で躍進するとは考えにくい。共和党が下院で過半数を維持することはほぼ確実で、上院でも過半数を奪うことになりそうだ。
というのも、中間選挙は歴史的に投票率が30%台であることが多く、若者が投票所に足を運びにくい。投票するのは中高年の有権者が多く、おのずと保守系の共和党議員に票が流れることになる。
しかも中間選挙は、時の大統領と敵対する政党の有権者が「不満票」の意味合いで一票を入れる傾向があり、政権党は負けるのが常である。過去100年を見ても、政権党が勝ったのは3回(1934年、1998年、2002年)だけだ。
ホワイトハウスと議会が違う政党であることの方がワシントンでは普通であるが、共和党の「打倒オバマ」の姿勢が緩むようには見えず、与野党間の対立は激化していくだろう。
「漂流」という言葉はいまの米社会を的確に表現しているのかもしれない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42099
そして、大方の予想通り民主党は大敗を喫した。
◆米17州がオバマ大統領を提訴、移民制度改革で
2014年12月04日 AFP
【12月4日 AFP】米国の17州が3日、不法移民500万人に滞在を認める移民制度改革をめぐり、バラク・オバマ(Barack Obama)政権を提訴した。
訴訟を率いるテキサス(Texas)州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)司法長官は声明で、オバマ大統領が野党・共和党による議会での法案通過の妨害を回避するため大統領権限で一方的に決定した移民制度改革は、 合衆国憲法を「踏みにじる」ものだと批判。「大統領は、議会が正当な手順に基づいて成立させた法律を正確に施行するという自らの責任を放棄し、その権限が ないにもかかわらず、移民法を書き換えようとしている」と述べた。
論争を呼んでいるオバマ大統領の制度改革 の下では、米国内に5年以上居住し、米国の市民権保有者または合法居住者である子どもを持った数百万人の不法移民に対し、3年間の滞在許可が与えられる。 大統領はまた、改革の実施後にはメキシコとの国境周辺にさらなる資源を注入するほか、国外退去処分は重罪犯を優先して行う方針に変更する方針を示してい る。
だが、移民制度改革を実現させるためオバマ氏が大統領権限を行使したことに対しては、発表直後から「違法」や「憲法違反」といった批判が噴出していた。(c)AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3033373?pid=14896902
日本はレームダック化する政権との心中だけは避けよ
2014.12.08(月) 渡部 悦和 JB PRESS
米国のチャック・ヘーゲル国防長官は11月24日、辞任すると発表した。このニュースを最初に伝えたニューヨーク・タイムスによると、ヘーゲル長官は、バラク・オバマ大統領の圧力により辞任せざるを得なかったようである。つまり解任である。
解任されたヘーゲル長官
我が国にとって、オバマ政権内における数少ない日本の理解者を失うことになる。大きな損失であり、残念でならない。
ヘーゲル氏は、任期を2年残して事実上解任されることになったが、かねてヘーゲル国防長官とオバマ大統領の側近たち特にスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官との意見の対立が報道されてきた。
反日・親中の急先鋒、スーザン・ライス米大統領補佐官(安全保障担当)〔AFPBB News〕
オバマ大統領を支えるスタッフについて、アジア太平洋のことを本当に理解しているエキスパートがいないのではないかという懸念が米国内外にあった。その典型例はライス氏であるが、オバマ大統領はまたしても評判の良くない側近を擁護し、国防長官を排除することとなった。
中間選挙において敗北を喫したのを契機に、不手際が目立つライス氏やジョン・ケリー国務長官を更迭するのではないかという報道がなされていたが、最終的には側近ではなく、外様であるヘーゲル氏が辞任することになった。
ライス氏やケリー氏こそ辞任すべきだと思っている人たちは多いと思う。彼らの残留により、今後2年間のオバマ政権の安全保障分野での混迷は継続すると予想され、我が国もそのことを覚悟して対処する必要がある。
ヘーゲル氏の辞任により、オバマ政権6年間で3人の国防長官(ロバート・ゲーツ、レオン・パネッタ、チャック・ヘーゲル)が辞任することになったが、ゲーツ氏とパネッタ氏は、辞任後回顧録を出版しオバマ大統領を厳しく批判している。
その批判の焦点は、オバマ大統領の軍の最高指揮官としての資質に対する疑問である。決断力の欠如、軍に対する信頼感の欠如、最高指揮官としての責任感の欠如などである。
オバマ大統領の誠実で真面目な性格や弱者に対する思いやりとか地球環境に対する配慮とか評価すべき諸点は認める一方で、こと軍の最高指揮官としての資質については2人の元国防長官の評価に同意せざるを得ないのである。
いずれにしろオバマ政権は今後2年間続き、その間において何が起こるか分からない。日米関係をいかに適切なものにしていくかが我が国の課題である。
ヘーゲル氏を評価する
ヘーゲル氏は共和党の上院議員であったが、オバマ大統領の三顧の礼により国防長官に就任した。
オバマ大統領に解任されたチャック・ヘーゲル国防長官〔AFPBB News〕
ヘーゲル氏は、見かけはパッとしないが、ベトナム戦争に下士官として従軍した経験があり、軍隊と軍人の本質を理解し、戦場で苦労する軍人に共感することができる長官であった。この点が、オバマ大統領とヘーゲル氏の根本的な違いである。
筆者は、今回のヘーゲル氏の辞任を同情的に見ているが、ヘーゲル長官をなぜ評価するかについて記述する。
(1)日米同盟の重要性を深く認識し、小野寺五典防衛大臣(当時)ともツーカーの関係であり、日本の立場をよく理解してくれていた。
例えば、2013年4月に米国防長官として初めて、「米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」と明言した。その後、オバマ大統領が同様の発言(「日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」)を2014年4月の日本訪問時にすることになった。
また、今年5月にはシンガポールにおけるシャングリラ会合において、傲慢に行動する中国に忠告を与えるとともに日米同盟の強固さをアピールした。以下に、ヘーゲル氏のシャングリラ会合におけるスピーチの主要な部分を紹介する。
●安倍首相の集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈見直しを支持する。
●(中国の)上空通過と航行の自由を制限するいかなる試みにも反対する。中国による東シナ海での一方的なADIZ(防空識別区)の設定(これには日本が実効支配している尖閣諸島も含まれる)には米軍は拘束されない。
●オバマ大統領は尖閣諸島に対して日米安保条約が適用されることを明言した。
●日米は、この20年間で初めての日米ガイドラインの見直しを行う。安全保障環境の変化および自衛隊の能力向上を反映して日米関係が進化することを確信する。
●昨年12月の普天間代替施設の建設承認のお蔭で戦力再配置のロードマップで完全合意ができた。そして、米国の最新兵器を日本に配置してきた。例えばグローバル・ホークの三沢基地配備、F-22の嘉手納配置、MV-22オスプレイの沖縄配置である。
●アジアにおける米軍の態勢は優先される。特に日本、韓国およびグアムにおける米軍の態勢は優先される。
このように主張したのだ。
(2)強圧的な中国に対して融和的な姿勢が目立つオバマ氏の側近の中で、中国に対し厳しく対峙した数少ない閣僚であった。
例えば、中国が提案する新たな大国関係について本質的な態度をとったのはヘーゲル氏であり、オバマ氏の側近であるライス氏でもケリー国務長官でもない。2人はしばしば中国寄りの発言をし、日本をはじめとする同盟国や友好国に懸念を抱かせているのである。
ヘーゲル氏はシャングリラ会合において次のように中国を批判している。
「中国は、南シナ海を平和、友情、協力の海と呼ぶが、南シナ海における要求を主張する一方的な行動を続けている。中国は、スカボロー礁への接近を制限し、 セカンド・トーマス礁におけるフィリピンの長期にわたるプレゼンスに圧力をかけ、数か所で領土要求活動を開始し、パラセル諸島近くの論争海域にオイル・リ グを設置した」
「米国の立場は明確で一貫していたもので、領土問題にはどちらの立場にも立たないが、いかなる国家であろうと脅迫、強制、軍事力の脅威を利用してその要求を強く主張することに反対する」
「諸問題を外交、確立された国際的ルールや国際的規範に基づいて解決することを選ぶか、脅し(intimidation)や強要(coercion)による解決を選択するか、この地域はテストされている」
「米中の軍対軍の関係における道ははるかに遠い。サイバー問題において、中国は米中サイバー作業グループを停止させたが、引き続き中国側にサイバー問題を提起する。なぜなら、サイバー空間における誤判断やエスカレーションの危機を低減させることが必要である」
これらは極めて妥当な発言と言えるだろう。
(3)ヘーゲル氏は、オバマ大統領の政策を分かりやすく説明する代弁者であった。次のような彼の発言がそれをよく物語っている。
「リバランス(米国のアジア太平洋重視の政策)は、ゴールではない、約束でもない、ビジョンでもない、現実なのだ」
「オバマ大統領がウエストポイントで発言したように、米国は、常に世界の舞台でリードしなければいけない。我々がリードしなければ誰もリードしない。問題は、米国がリードするか否かではなく、いかにリードするかである」
「米国の最大の強みの1つは同盟国および友好国のネットワークである。マーシャル将軍の言葉にあるように、国力は、ただ単に陸軍、軍艦、航空機の数にのみ基づくものではなく、同盟国と友好国の強さにも基づくものである」
このような指摘は同時に、暗に強圧的に行動する中国には本当の同盟国や友好国がないことを示唆している。
(4)現在、中東に於いて最大の問題になっているイスラム国の脅威を強く訴え、イスラム国への断固たる対処を主張した。
彼は、空爆だけではイスラム国を打倒できないとして、地上部隊の投入を主張している。陸海空の統合作戦が不可欠な現代戦において、地上作戦と空爆の併用は常識であり、彼の主張は戦術的には正しい。
しかし、オバマ大統領にとって「地上部隊を派遣しない」という主張は彼の対テロ戦争の骨幹であり、譲れない一線である。だが、オバマ氏が考えている地上戦 においてイラク陸軍を活用することや、シリア内の穏健な反政府グループを活用する案は「言うは易く行うは難し」の案であり、対イスラム国の作戦が成功しな い確率は高くなる。
ヘーゲル氏ではなくオバマ大統領の側近3人が問題である
オバマ大統領が中間選挙の大敗を受け、何人かの閣僚などを交代して人心の一新を図るのではないかという米国内外のマスコミの予測があった。その予測の中で名前が挙がっていたのがライス氏やケリー氏であった。このマスコミの人物評価は正しいと思う。
筆者はさらにジョー・バイデン副大統領も辞任すべきだと思っている。それほどにこの3人は外交を含む安全保障分野においてオバマ大統領の足を引っ張っていると思えてならないのだ。
オバマ政権の問題児3人衆の1人、ジョー・バイデン副大統領〔AFPBB News〕
ただし、不適切な人選をして、米国の安全保障政策を評判の悪いものにしているのはオバマ大統領自身の任命責任である。
スーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官の問題
11月27日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、オバマ大統領は最近、長年信頼を寄せてきたライス氏を長とする「忠臣たちからなるチーム」を重視していると指摘している。
ライス氏のやり方には仲間の民主党議員や彼女に近い外交関係者からも、「不躾で不愉快だ」という不満が出ている。それが時には日本、ドイツ、フランスなどの主要同盟国との関係がぎくしゃくする原因になっている。
彼女は、2013年11月20日にワシントン市内の大学でスピーチした際に、米中関係について「新たな大国関係(new kind of great power relations)を機能させようとしている」と、中国は喜ぶが、日本が受け容れることができない発言をし、我が国を始めとする米国の同盟国に不安感を 与えてしまった。
米中の「新たな大国関係」については米中の思惑が違っている。つまり、中国としては、「中 米は対等の関係である。米国は、中国が核心的利益と見なすチベットや新疆ウイグル自治区、台湾、東シナ海、南シナ海の諸問題に対しては口出ししない。さら に、太平洋を中米で二分し、それぞれの区域のことに関しては介入しない」という解釈である。
米国にとって中国との新たな関係とは、「中国を国際社会における責任ある大国として、グローバルな諸問題解決に尽力し、国際法や国際的な基準に則って行動する国家となることを期待する」というものであるが、中国は決して米国の望むような国にはならないであろう。
ライス氏が我が国をさらに不安にしたのが、同じ講演での尖閣諸島を巡る発言だった。
「米国は主権の問題には立場をとらない」「日中の対立を先鋭化しないよう平和的で、外交的な方法を探るよう両国に促す」と発言した。
これは尖閣諸島を実効支配する日本の立場や挑発的な行動に出る中国を無視した発言である。さらに、ライス氏は、日米安全保障条約が尖閣に適用されるという方針にも触れなかった。あまりにも中国寄りで日本の立場を軽視した発言であると言わざるを得ない。
ケリー国務長官の問題
ケリー国務長官は、世界中の紛争などの火消しのためにめまぐるしくシャトル外交を繰り返しているが、見るべき成果が全くない。
立派な外交官は、行動する前に、自分が解決すべき最も優先順位の高い案件は何で、その解決のための戦略や方策を持っているべきであるが、ケリー長官の動きを見ていると彼は本当に外交戦略を持っているのだろうかという疑問を抱かざるを得ない。
問題児3人衆の1人、ジョン・ケリー国務長官〔AFPBB News〕
また彼はアジアについてはもともと関心が薄く、失言長官としても有名である。数々の失言とアジアに対する無知さは、国務省の外交努力を台無しにしている。
例えば、ケリー長官から「どうして日本はアジアで孤立しているのか」と問われた知日派の元米政府高官が、「それは中国と韓国だけのことで、日本の安倍政権は他のアジア諸国から歓迎されている」と答えるとびっくりしていたという。
また彼は、4月25日にワシントンで開かれた日米欧の有識者による政策協議「三極委員会」で講演し、「中東唯一の道はパレスチナ独立国家樹立による2国家 共存だ」と指摘し、「それができなければ、イスラエルは二級市民を作るアパルトヘイト国家になりかねない」と失言し、ユダヤ人の団体や共和党から引責辞任 を求められた。この種の失言は数多くある。
バイデン副大統領の問題
バイデン副大統領も評判が悪い。元国防長官ゲーツ氏によると、「バイデン副大統領はうぬぼれが強く、過去40年間の外交や国家安全保障に関するほとんどすべての主要政策で誤ちを犯してきた」と手厳しく批判している。
10月5日付のトルコのZaman紙によると、バイデン副大統領は、自らの失言がトルコと米国の間に緊張を生んだとして、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に謝罪した。
その失言とは、イラクとシリアでテロを起こしているイスラム国(IS)が勢力を拡大した際に、トルコも役割を果たしたという趣旨のものである。
バイデン副大統領は、ハーバード大学で行った会見で、エルドアン大統領が、「あなたは正しかった。私たち(トルコ)は、多くの人間が(シリアへ)渡る許可を与えた。今は国境を封鎖しようとしている」と述べたと発言した。
エルドアン大統領は、この発言に対し強く反発し、「絶対にこのような発言をしなかった」と述べた。エルドアン大統領は、バイデン副大統領に謝罪を求め、 「この件に関して、もしバイデン氏がこのような発言をしたとしたら、彼はもう対話の相手ではない。トルコをこのように非難して責任を負わせるのは間違いで ある」と述べた。
バイデン氏は、エルドアン大統領に電話をかけ、自らの発言について謝罪した。
また、11月26日、イスラム国に対する対応でトルコのエルドアン大統領を説得しに行き、本人はある程度の成果があったとうぬぼれていたが、その直後27日にエルドアン大統領が厳しい米国批判を展開して面目丸つぶれになってしまった。
エルドアン氏は、シリア内戦における米国の出しゃばり(impertinence)をこきおろしている。バイデン氏は、イスラム国に半分支配されているコ バネ市を奪回するためにトルコは協力すべきだと圧力をかけに行ったのであるが、エルドアン氏は「我々は、米国の出しゃばり、(トルコの立場をわきまえな い)無頓着さ、終わりなき要求に反対しているのだ」と公の場で米国及びバイデン副大統領を批判したのだ。
元国防長官ゲーツ氏とパネッタ氏のオバマ大統領批判
オバマ政権6年間で3人の国防長官が辞任することになった。最初がゲーツ氏で、次いでパネッタ氏、そして今回のヘーゲル氏である。ゲーツ及びパネッタ両氏は、国防長官辞任後回顧録を出版し、その中でオバマ大統領を厳しく批判している。
レオン・パネッタ元国防長官〔AFPBB News〕
まず、ブッシュおよびオバマ両政権で国防長官を務めたゲーツ氏がその回顧録“DUTY”でオバマ大統領を厳しく批判している。
ゲーツ氏は「オバマ大統領は、自らに仕える司令官を信頼せず、自らの戦略を信じていない。この戦争を他人事のようにとらえている。オバマ氏にとってアフガン戦争は撤退するだけのものだ」と指摘している。
また、ドニロン前大統領補佐官ら側近が取り仕切るオバマ政権の態勢を歴代政権の中でも最も中央集権的で、安全保障に口を出すと指摘し、国防省の部下には 「ホワイトハウスには情報を与えすぎるな」と指示していたと明かしている。これらの証言でも明らかなように、オバマ大統領とゲーツ国防長官や将軍の関係は 緊密なものではなかったのである。
対テロ戦争を主に国内政治として扱う習慣は執務室にまで持ち込まれ、オバマ氏自身の政策を台無しにした。アフガニスタンの場合が特にそうだ。ゲーツ氏は2010年初頭までに、そうした結論に至ったという。
一方、パネッタ氏は、「オバマ政権はイラクで米兵を残留させずに失敗したが、アフガニスタンでは来年も米兵1万人を残留させる交渉を成立させて同じ轍を踏 まなかった」と述べた。またそれと同様に、シリアの反体制穏健派への軍事訓練・武器供与を決断したのは「遅れたが、しないよりは良かった」と話している。
さらに「もし米国がリーダーシップを発揮しなければ、他にどの国も代役はできない」、「政府も大統領も、世界のどの場所であろうと空白を放置できないことを認識した。放置すれば、そこは間もなく制御不能となり、わが国の安全保障を脅かす」と述べた。
予算を巡る米議会との駆け引きにおいて、オバマ氏が「自分の考えを通す信念に欠け」、しばしば「戦いを避け、不満を述べるだけで機会を逸していた」と非難している。
オバマ大統領による2012年の「レッドライン」発言は、シリアのアサド大統領が内戦で化学兵器を使用すれば、米国は軍事介入に踏み切ることを表明したも のだが、アサドが化学兵器を使用したにもかかわらず、米国は軍事介入を避け、シリアの化学兵器放棄を国際協調の枠組みの中で進めることを選んだ。
このことが米国の信頼性に打撃となり、米国の影響力が弱くなっていることを世界に印象づけることになってしまった。パネッタ氏やクリントン前国務長官、当 時のデービッド・ペトレイアスCIA(米中央情報局)長官はシリアの反体制穏健派に武器供与する計画を支持していたが、オバマ氏は逡巡し、この問題を議会 に投げてしまったという。
オバマ大統領のリーダーシップに対する疑問
米国の相対的な国力が低下し、巨大な財政赤字削減の圧力の中でウクライナ紛争やイスラム国との戦いなどグローバルな諸問題を解決するのは非常に難しい。オ バマ大統領が直面している難局を見事に乗り越えることは誰にとっても難しいことではあるが、オバマ氏のリーダーシップに筆者は違和感をもっている。以下3 点指摘する。
(1)対テロ戦争の最高指揮官としての熱意・責任感の欠如
オバマ大統領のイラクやアフガニスタンにおける戦争指導には最高司令官としての熱意を感じることはできない。オバマ氏からすれば、対テロ戦争はブッシュ氏から引き継いだ負の遺産であるという本音がどうしても出てしまうのであろう。
対テロ戦争に熱心でない大統領と第一線で命を落としていく兵士の間には大きな溝があるように思えてならない。この点が、対テロ戦争におけるオバマ大統領の最大の問題点である。
(2)軍隊および軍人に対する軽視
オバマ大統領の6年間を観察して気づくのが軍隊および軍人に対する軽視である。例えば、今年9月23日の国連総会に参加する際、大統領専用機Marine Oneから出てきたオバマ大統領は、彼に敬礼する若い海兵隊員に対し右手にコーヒー・カップを持ったまま答礼をした。
この行為はLatte Salute(カフェラテ敬礼)と呼ばれ、軍隊においては許されない行為である。軍の最高指揮官に対し敬意をこめて敬礼する若い軍人に対し余りにも礼を失する行為である。
この行為に対し国内外から数多くの批判が寄せられたが、これがオバマ氏の軍に対する軽視の典型例である。そんな些細なことを批判しても始まらないと言う人は軍隊の何たるかを知らない人である。
軍人は軍の最高指揮官である大統領の命令によって任務を遂行するのであり、そのために命を落としたり、両手両足を失うこともある。だからこそ軍人の敬礼には心からの敬礼を返すのが常識なのだ。
13年間続いている米国の対テロ戦争において死亡した米国軍人は6800人以上であり、負傷者は5万2000人以上である。この膨大な犠牲者数に対して軍の最高指揮官としていかなる思いでいるかが問われるのである。
(3)オバマ政権に対しては、国家の秩序、社会の秩序を維持することの重要性を深く認識していないのではないかという疑問がある。
ヘーゲル長官が辞任を発表したと同時期に米国のファーガソンにおいて暴動が起こった、黒人少年を射殺した白人警官の不起訴が決定したことに誘発された暴動である。国内の治安を維持する必要性を再認識した米国人は多かったと思う。
筆者が疑問に思うのは国内の治安維持のために不可避的に成立したタイの軍事政権やエジプトの軍事政権に対するオバマ政権の不適切な批判である。
米国の批判ゆえに両国政府は米国を離れ、中国やロシアの側に立つ可能性がある。各国には各国の事情があり、国内の治安を維持するための行動があることを認 め、クーデターによる軍事政権であると言うだけでお節介な批判をしないことである。自らの価値観の押しつけこそ米国は慎むべきである。
今後2年間のオバマ政権に対する我が国の対処法
オバマ大統領の任期はあと2年間であるが、この2年間において起こるであろうグローバルな諸問題に対してオバマ政権は適切に対応できるであろうか。もちろ んグローバルな諸問題に対しては当事者自らがその解決に向けて全力で対処しなければいけないが、米国に期待される役割や責任も大きいのである。
しかし、ライス氏を中心とするオバマ側近グループが今後2年間、安全保障を取り仕切ることになるので、この分野において多くは期待できないであろう。
そして、ヘーゲル氏の後継が誰になるにしろ、過去3人の国防長官が味わったと同じ困難を味わうことになるであろう。
特にイスラム国への対処、「中華民族の偉大なる復興」を目指す中国への対処、ロシアのプーチン大統領の他国侵略には毅然とした態度で臨んでもらいたいもの であるが、過去6年間のオバマ政権の対処を振り返ると、多くを期待することはできず、大きな紛争が起こらないことを願うだけである。
我が国にとって今後、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、日米防衛協力ガイドラインなど多くの日米間の課題があるが、日本の国益を中心として主体的に粘り強く日米交渉に当たってもらいたいと思う。
必要であれば、米国の次期政権の誕生を待って交渉するくらいの覚悟が必要である。焦って日米合意を追求する必要はない。
我が国にとっては、益々レームダック化するオバマ政権を揺さぶる中国や、ロシア、北朝鮮の動きを警戒しつつ、これに適切に対処することが重要である。
特に来年2015年は第2次世界大戦終戦70周年の年である。中国などは、米国をも巻き込んで敗戦国日本の孤立化を狙ってくるであろう。だからこそ我が国には強くて賢いリーダーの下に、ぶれない安全保障上の諸施策の推進が待望されるのである。
米国の歴史において大統領末期になると歴史に名を残したいという大統領が結構いる。典型的なのはオバマ氏の前任のジョージ・W・ブッシュ氏である。彼は、 政権末期に北朝鮮との関係を改善し歴史に名を残そうとし、あまりにも不適切な外交を展開したが、オバマ氏が同じ轍を踏まないことを望む。
歴史に名を残そうという思いは、オバマ氏自身が主張してきた「馬鹿なことをしない」の「馬鹿なこと」そのものである。特に安全保障分野で馬鹿なことをすると世界の平和と安定に重大な影響を与えることになる。
我が国にとって日米同盟は生命線であることに変わりはなく、覚悟して今後予想される諸問題に米国と協調しつつも、我が国として主体的に対処すべきであろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42378
◆共和、民主両党から見放されたオバマ大統領
米中間選挙を前に漂流し始めた米国、世界の行方は
2014.10.31(金) 堀田 佳男
「米国はいま漂流し始めている」
首都ワシントンのシンクタンクに勤務する知人はこう電話で告げてきた。
イスラム国への対応で民主党からも反発強まる
11月4日の中間選挙を前に、オバマ政権の評価と民主・共和両党の攻防を聞くと知人は「漂流」という言葉を使った。
バラク・オバマ米大統領〔AFPBB News〕
その意味は、バラク・オバマ大統領が内政と外交の両面で国をリードし切れず、国家の行き先が定まらないということだった。知人はイスラム国への対応を例に挙げた。
「オバマ大統領が9月にイスラム国の空爆に踏み切ったことで、民主・共和両党から反発を招いてしまいました。民主党リベラル派からは、『空爆したところで イスラム国を壊滅できるわけではないし、米国への反発が強まるだけ。軍事介入は間違いだった』という声が聞かれます。テロとの戦いで、米国はすでに約 6800人もの命を失っています。戦争はもうたくさんという切実な思いがあります」
「一方、共和党保守派か らは、『イスラム国を叩くには空爆だけでは不十分。地上部隊を投入しない限り勝算は見えてこない』との意見が出ています。中途半端が一番いけないというの です。今のオバマ政権は行き場を失った漂流者になったかに見えます。民主党は連邦上下両院で敗退するでしょう」
政治家が1つの事案で政治決断をした場合、有権者の意見は賛否両論に分かれることが多い。だがイスラム国への空爆問題でオバマ大統領は、両党のコアの支持層からそっぽを向かれているというのだ。
オバマ大統領自身は再選の心配がもうないが、中間選挙で選挙に望む民主党議員(候補)たちは負の遺産を引きずりながら戦わざるを得ない。
国内問題に目を向けても同じだ。オバマ大統領が力を入れてきた移民制度改革は、連邦上院でこそ法案が通過したが、共和党が過半数を占める下院では却下されてしまった。
医療保険制度改革も議会を通過して法律になったものの、混乱が相次いだ。当初ウエブサイトでの申請ができなかったり、予算案をティーパーティ(茶会党)の下院議員から反対され、連邦政府機関が一部閉鎖されたりする事態を経験した。
問題はそれだけではない、中間選挙を前に、オバマ大統領と距離を置く民主党議員たちが現れたのだ。それは優柔不断で確固たる指導力を発揮できず、理念的な政治を行おうとしている現職大統領への反抗として捉えられる。
反オバマを掲げたアラスカ州の民主党上院議員
代表格がいる。アラスカ州選出のマーク・ベゲッチ上院議員だ。日本ではほとんど馴染みがないが、前アンカレッジ市長で2008年のオバマ・フィーバーの波に乗って民主党から上院議員に初当選し、今年改選を迎えている。
同議員がいま苦戦を強いられている。というのも、アラスカ州は保守王国として共和党の地盤が強いところで、2008年の「オバマ・チルドレン」の1人として初当選した事実は、すでにプラスどころかマイナスに働き始めているのだ。
ベゲッチ議員は共和党のライバル、ダン・サリバン氏に世論調査でリードされている。そこでベゲッチ議員が劣勢を跳ね返すために採った戦術は、民主党でありながらオバマ大統領と距離を置くことだった。
日本であれば、自民党議員が安倍晋三首相を支持せずに国政選挙をするようなものである。党内からの反発と制裁が予想されるし、自民党議員という理由で1票を入れた有権者の気持ちに背くことにもなる。
ただ米政界では党議拘束が緩いため、法案の採決時に党の決定に従わなくても構わない。議員自らの意思で投票できる。
それでもあえてオバマ氏と距離を置く戦術は、何がなんでも自分だけは再選を果たしたいという我欲に映る。本当に民主党有権者から多くの支持が得られるかは疑問だ。まして共和党有権者からは「心変わりをした民主議員」とレッテルを貼られてしまう。
唯一期待できるのが無党派層からの票だが、有権者の心を動かせるかどうかは分からない。ただ今週行われた世論調査では、ベゲッチ議員の支持が少し伸びており、サリバン氏とつばぜり合いを繰り広げている。
ベゲッチ議員の選挙前の行動は、いまの米国が漂流し始めている一端を表しているかもしれない。
さらに、オバマ大統領が2008年の選挙戦から繰り返し述べてきた人種や階層、性別などを乗り越えた「1つのアメリカ」という野望は、6年経っても実現できていない。「1つのアメリカ」どころか、米国を分断させてしまったとの見方さえある。
それが大統領の支持率42%という数字に示されている。次の世論調査を見て頂きたい。CNNとORCインターナショナルという団体が行った調査結果だ。
オバマ施政に不満な国民が68%
米国の現状に「大変怒っている」(30%)と「やや怒っている」(38%)と答えた人を合わせると68%になる。世論調査は質問の文章で結果が変わってくるが、現状に怒るということはオバマ政権の施政に不満であるということにつながる。
米経済はリーマンショックから立ち直り、実質GDP(国内総生産)成長率も4-6月期で前年比年率4%のプラスを示すと同時に株価も伸張している。失業率は5.9%(9月)まで下がっており、数値の上では悪くはない。
しかし有権者の現状への怒りは治まらない。経済指標には個人の生活が反映されないからだ。
むしろハーバード大学経済学部ローレンス・カッツ教授が指摘する、24歳の若者の6人に1人(16%)は学業にも仕事にも従事していない米版「プー太郎」状態という事実の方が説得力を持つ。
こうした社会状況を眺めると、オバマ大統領が率いる民主党が、中間選挙で躍進するとは考えにくい。共和党が下院で過半数を維持することはほぼ確実で、上院でも過半数を奪うことになりそうだ。
というのも、中間選挙は歴史的に投票率が30%台であることが多く、若者が投票所に足を運びにくい。投票するのは中高年の有権者が多く、おのずと保守系の共和党議員に票が流れることになる。
しかも中間選挙は、時の大統領と敵対する政党の有権者が「不満票」の意味合いで一票を入れる傾向があり、政権党は負けるのが常である。過去100年を見ても、政権党が勝ったのは3回(1934年、1998年、2002年)だけだ。
ホワイトハウスと議会が違う政党であることの方がワシントンでは普通であるが、共和党の「打倒オバマ」の姿勢が緩むようには見えず、与野党間の対立は激化していくだろう。
「漂流」という言葉はいまの米社会を的確に表現しているのかもしれない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42099
そして、大方の予想通り民主党は大敗を喫した。
◆米17州がオバマ大統領を提訴、移民制度改革で
2014年12月04日 AFP
【12月4日 AFP】米国の17州が3日、不法移民500万人に滞在を認める移民制度改革をめぐり、バラク・オバマ(Barack Obama)政権を提訴した。
訴訟を率いるテキサス(Texas)州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)司法長官は声明で、オバマ大統領が野党・共和党による議会での法案通過の妨害を回避するため大統領権限で一方的に決定した移民制度改革は、 合衆国憲法を「踏みにじる」ものだと批判。「大統領は、議会が正当な手順に基づいて成立させた法律を正確に施行するという自らの責任を放棄し、その権限が ないにもかかわらず、移民法を書き換えようとしている」と述べた。
論争を呼んでいるオバマ大統領の制度改革 の下では、米国内に5年以上居住し、米国の市民権保有者または合法居住者である子どもを持った数百万人の不法移民に対し、3年間の滞在許可が与えられる。 大統領はまた、改革の実施後にはメキシコとの国境周辺にさらなる資源を注入するほか、国外退去処分は重罪犯を優先して行う方針に変更する方針を示してい る。
だが、移民制度改革を実現させるためオバマ氏が大統領権限を行使したことに対しては、発表直後から「違法」や「憲法違反」といった批判が噴出していた。(c)AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3033373?pid=14896902
ブッシュが壊しオバマが傷を広げた世界平和
米国の対テロ戦争(War on Terrorism)を総括する
2014.12.01(月) 渡部 悦和 JB PRESS
世界の至る所で紛争が発生し、極めて不安定で不幸な状況が続いている。ウクライナ東部ではウクライナ軍とロシア軍に支援された親ロシア派テロリストとの間に激しい戦闘が生起した。一応の停戦合意がなされたが、今後の展開は予断を許さない。
また、シリアおよびイラクではイスラム国(IS: Islamic State)やアルカイダが、アフリカではボコ・ハラム(ナイジェリアのタリバンと呼ばれるテロ組織)やソマリアのアル・シャバブなどのイスラム過激派集団が活発に活動している。
イスラム国の戦闘員〔AFPBB News〕
特に残忍極まりないイスラム国は、国際社会における大きな脅威となっている。一方、アジアにおいては中国の軍事力を背景とした強圧的な対外姿勢により周辺諸国との領土問題に解決の兆しがない。
混乱を極める世界情勢の背景は何なのか。米国が世界の警察官としての役割を果たせなくなったのが1つの理由である。なぜ、米国がその影響力を低下させてしまったのか。最大の要因は、米国の対テロ戦争特にイラク戦争開始以降の米国の不適切な対応にある。
特に当時のジョージ・W・ブッシュ大統領の傲慢さと独善に対するイスラム教徒をはじめとする世界の怒りが背景にある。
米国の著名な戦略家ブレジンスキー(注1)は、その著書『SECOND CHANCE』(日本訳「ブッシュが壊したアメリカ」)においてブッシュ大統領を手厳しく批判し、「イラク戦争の最も重大な影響は、アメリカのグローバ ル・リーダーシップが信用を失った点だ。もうアメリカの大義では世界の力を結集できなくなり、アメリカの軍事力では決定的な勝利を収められなくなった。ア メリカの行動は同盟を分裂させ、対立相手を結束させ、敵と悪党に塩を送った。混乱に陥れられたイスラム世界は、アメリカに激しい憎悪で応えた。アメリカの 政治手腕に対する敬意は先細りとなり、アメリカの指導力は低下の一途をたどっていった」(注2)と指摘している。
まさにイラク戦争はパンドラの箱を開ける行為だったのだ。米国の影響力は低下する一方で、多くのイスラム過激派が米国に対する怒りや憎悪ゆえにその活動を活発化させ、残忍な活動を中東やアフリカを中心に展開しているのである。
そして、中国やロシアなどの米国主導の秩序に反対する国々も自国の国益に沿った反米的な活動を活発化させたのである。その結果がロシアによるクリミア編入 とウクライナ東部へのロシア軍の侵攻である。世界中の紛争は、イラク戦争あるいは対テロ戦争というパンドラの箱から出てきたのである。
ISAF(International Security Assistance Force:国際治安支援部隊)を構成する米軍などの各国戦闘部隊は、アフガニスタンでの戦闘任務を終了し、2014年末までにアフガニスタンから撤退する。
2001年の9・11以来続いてきた13年間に及ぶ米国の対テロ戦争の大きな節目を迎えるに当たり、本稿ではその戦いについて現時点までの総括を実施する。
結論的に言えば「13年間の対テロ戦争は成功したとは言えない」というのが筆者の評価である。当然ながら、筆者の結論に反対する人もいるであろう。大切な ことは、米国の対テロ戦争について活発な議論をし、総括することであり、そうすることにより現在の混沌とした世界情勢に対する解決策を見出すことである。
1 世界の混乱は米国の対テロ戦争特にイラク戦争に起因する
東西冷戦終結以降の米国に対する過大評価とその現実
冷戦の真っただ中の1978年に自衛隊に入隊した私にとって、冷戦終結はにわかには信じられない画期的な出来事であった。冷戦の終結そして何よりもソ連崩壊は全世界に大きな影響を与え、それが現在の様々な紛争の遠因となっている。
ブレジンスキーが指摘するように、「ソ連崩壊の1991年以降、世界の人々は米国が無敵であると思い込み、米国は自らの権勢がどこまでも広がると夢想して いたが、イラク戦争後の占領政策が失敗したことにより、これからの思い込みと夢想はもろくも崩れ去った」(注3)のである。
イラク戦争やアフガニスタン戦争で米国が苦戦を強いられる以前は、米国を「唯一のスーパーパワー」と表現する者が多かった。しかし、米国が推し進めたいわ ゆる「テロとの戦い」が示した現実は、米国は大国ではあるが、すべてを単独で解決できるスーパーパワーではなかったという事実であった。
世界の安全保障を考える際には、EU、日本、中国、ロシア、UNの協力が欠かせないことを、米国はテロとの戦いを通じて認識することになるのである。
9・11NY同時多発テロと世界から支持された当初のアフガン侵攻作戦
9・11NY同時多発テロは米国のみならず世界各国に大きな衝撃を与えた。民航機をハイジャックし、世界貿易センタービルとペンタゴンに対する自爆テロを敢行した大胆な行為にブッシュ政権も米国民も驚愕し、その驚愕がテロリストへの怒りへと転換していった。
そして、「アフガニスタンのタリバン政権が9・11の主犯たちをかくまっている以上、米国にはタリバンを抹殺する必要性と権利がある」という米国の主張は、世界のほぼ全域から支持された。
米英軍を中心とした有志連合は、10月7日、「テロリズムに対するグローバルな戦争」(Global War on Terrorism)としてアフガニスタンでの「不朽の自由作戦」(Operation Enduring Freedom-Afghanistan , OEF-A)を開始したが、この時点では米国の行動に対する世界的な支持があった。
2003年まで、世界各国は当然のように、米国大統領の言葉に信頼を寄せ、彼が事実と断言したことは、そのまま事実として受け取られたのだ。
世紀のテロ行為に衝撃を受けた米国民は、ブッシュ大統領のもとで結束を強めていった。「ブッシュにとって9・11とは、一人の人間として天啓に触れ、特別 な使命を授けられた機会であった。この思い込みは、ブッシュに傲慢と紙一重の自己過信を与えた」(注4)のだ。ブッシュ大統領は9・11を機に、同盟国の 意向にかまわず、自らの思うがまま行動する一国行動主義に陥っていくことになる。
パンドラの箱を開けてしまったイラク戦争
ブッシュ大統領は、2003年3月19日、イラク武装解除問題の進展義務違反を理由としてイラク戦争「イラク自由作戦」(Iraq Freedom Operation)を開始した。そして、バクダッドを陥落させ、フセイン政権を打倒したのである。
イラク戦争の大義はイラクの大量破壊兵器の保有であったが、実際にはイラクは大量破壊兵器を保有していなかった。しかし、ブッシュ大統領は、バグダッド陥落から2カ月が経っても、相変わらずシレッとした顔で「我々は大量破壊兵器を発見した」と言い張ったのである。
2001年9月12日、世界同時多発テロへの対応を協議するブッシュ大統領(中央)、チェイニー副大統領(右)、パウエル国務長官(左)(肩書きはいずれも当時)〔AFPBB News〕
そのツケは国際社会からの信用の低下となって表れた。米国は、国際社会から信用をなくし、正当性を疑われるようになったのである。
これまで米国が正当性を認められてきたのは、おそらく、米国の行動と人類の基本的利益が、ある程度まで一致していたからだろう。
しかし、正当性を失ってしまっては、国は弱体化をまぬがれない。同じ結果を達成するのに、以前よりも多くの資源を投入しなければならないからだ。こうやって、ソフトパワーの喪失はハードパワーの喪失につながっていったのである。(注5)
ブッシュ大統領は、イラク戦争を強行することによりパンドラの箱を開けてしまったのである。その箱からは米国でさえ制御不可能な様々な厄介なものが出てきたのだ。
まず主要国(ドイツ、フランス、カナダなど)の信頼を失ってしまった。ブッシュ大統領は9・11以降、世界の指導者たちに対しても「あなたが我々の味方で ないなら、あなたは私の敵である」と発言し、その傲慢で独善的な姿勢はひんしゅくを買うことになり、同盟国であるドイツ、フランス、カナダさえも明確にイ ラク進攻に反対した。
次いで、イスラム世界との決定的対立である。
ブッシュ大統領がイラク戦争を十字軍の戦いであると言えば言うほど、全世界のイスラム教徒を激怒させ、イスラム社会との全面衝突を引き起こしてしまった。 彼は、傲慢にも「イスラム教徒にキリスト教を源流とする自由と民主主義を教えてやる」という態度をとったのである。民主主義や自由の押しつけは、安定化を もたらすどころか、各国で社会内部の緊張を激化させたのである。(注6)
さらに膨大な戦費と膨大な犠牲は徐々に米国の国力を低下させていったのである。イラク戦争に費やされたコストの見積もりに関しては8000億ドルから3兆ドルまで様々な計算結果があるが、この膨大な戦費は米国の膨大な財政赤字の原因となった。
イラク戦争における米軍人の戦死者は4500人、負傷者は3万2000人であり、特に米陸軍はその後遺症に苦しんでいる。イラク戦争は米国の世界的名声と信用に甚大なダメージを与えた。米国の影響力の低下はイラク戦争に始まったと言える。
2 サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」と対テロ戦争
「文明の衝突」の趣旨
冷戦終結直後の1993年、ハーバード大学教授のサミュエル・ハンチントンは、「文明の衝突」を発表し、世界中の人々に衝撃を与えた。多くの学者たちが、 冷戦終結後の世界は、「グローバルな国際社会の一体化が進む」と思っていたが、ハンチントンは彼らとは全く反対の考えを示したのである。
彼は、「冷戦終結後の世界は、むしろ数多くの文明の単位に分裂してゆき、それらが相互に対立・衝突する流れが、新しい世界秩序の基調となる」と主張したのだ。
多くの学者、政治家たちは驚き・ショックを受け、見当違いな批判をハンチントンに浴びせたが、現実はハンチントンが予言した通りになったのだ。特に日本で は、「冷戦後の世界は、平和と協調の時代となり、軍事力や国家というものがその存在価値を失う時代となる」といったユートピアを唱える学者もいたが、その 説が完全に間違いであったことは歴史が証明した。
ハンチントンが「文明の衝突」で最も言いたかったことは、「文明の衝突は世界平和の最大の脅威であり、文明に依拠した国際秩序こそが世界戦争を防ぐ最も確実な安全装置だ」(注7)ということである。その他の注目点を4点にまとめると以下のようになる。
(1)歴史上初めて国際政治が多極化し、かつ多文明化している。近代化によって何か意味のある普遍的な文明が生み出されるわけではないし、非西欧社会が西欧化するわけではない(注8)。
(2) 米国人は、世界が米国一極体制であるかのように行動したり発言したりするのはやめるべきだ。世界は一極体制ではない。世界の重要な問題に対処するために は、米国は少なくともいくつかの大国の協力を必要とする。米国の指導者は慈悲深い覇権国という幻想を捨て、自国の利益や価値観が他の国々のそれとおのずか ら一致するという考えを捨てなければならない。実際はそうでないからだ(注9)。
(4)西欧文明の指導者は、他の文明を西欧文明に染め上げようとしてはいけない。西欧文明のユニークな実質を維持し、守り、新しくする責任がある。西欧文明の他の文明への干渉が最も危険な不安定の要因となり、グローバルな紛争の要因となる(注10)。
(5)西欧は普遍主義的な主張のため、次第に他の文明と衝突するようになり、特にイスラム諸国や中国との衝突は極めて深刻である(注11)。
「文明の衝突」の趣旨を無視したブッシュ大統領
ブッシュ大統領は、全く見事なまでにハンチントンの忠告を無視したのである。そのために、米国のみではなく、世界中が多くの悲劇を経験することになったの である。あまり勉強しないブッシュ大統領が「文明の衝突」を読み、その内容を理解していれば歴史は違った方向に向かっていたのかもしれない。
「文明の衝突」の趣旨を結果的に実践した自衛隊
当時の小泉純一郎政権は、2003年12月から2009年2月までの間、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」に基づき自衛隊をイラクに派遣した。
自衛隊のイラクでの活動は、多方面から高く評価されたが、その評価の大きな要因はハンチントンの「文明の衝突」の趣旨を実践したこと(ハンチントンの文明の衝突を知っていたかどうかは別にして)にある。
つまり、イラクにおいて「郷に入っては郷に従え」を合言葉に、イラク人の民族・宗教・文化・風俗・習慣を尊重し、自らの価値観を押し付けなかったからである。
例えば、2004年1月16日付の現地サマーワ新聞は、「我々は我が県に日本隊が到着するまで、この道徳と倫理を保持した立派な人々について何も知らず、 感情のかけらもない技術革命により、全世界の心を支配するつもりだろうと思っていた。しかし、日本国陸上自衛隊が県内に到着して数週間の内に、サマーワの 人々は彼らが「古きニッポン」の子孫として、愛情と倫理にあふれた人々であることを見出した。彼らは偉大なる文明を保持するとともに他の国を尊重し、他国 民の家庭や職業に敬意を払う立派な伝統を持っていたのだ」と伝えている。
この自衛隊の他の文明に対する態度はイラクにおける活動のみならず、海外における活動ではいつも重視されている態度である。結果的に、ハンチントンの精神を実践したのはブッシュ大統領ではなく、自衛隊だったのである。
3 イラク戦争をはじめとする対テロ戦争がもたらしたもの
イラク戦争を始めとする対テロ戦争がもたらしたものを以下2項目列挙する。つまり、「米国の国力及び影響力の低下」、「イスラム過激派の台頭」である。
米国の国力および影響力の低下
ブレジンスキーがその著書『SECOND CHANCE』で指摘するように、「イラク戦争は米国の世界的名声に甚大なダメージを与えた。イラク戦争開戦以来、世界における米国の信用は低下の一途を たどっている」のであり、「国際社会から信用を無くし、正当性を疑われるようになった米国は、弱体化をまぬがれない」のである。(注12)
米国の国家情報会議(The National Intelligence Council)が発表した将来予測“Global Trends 2030”によると、「2030年において米国は、かつての覇権国からトップ集団の1位に留まる」と指摘し、「圧倒的な力を背景に世界を同一の方向に向か わせてきた覇権国が存在しない2030年の世界」になると指摘している。(注13)
そして、米国に関するシ ナリオとして、(1)楽観シナリオ「再成長する米国」と(2)悲観シナリオ「没落する米国」を提示しているが、国力を算定する2つのモデルの中で4変数モ デル(GDP、人口、軍事費、技術投資の4つが変数のモデル)では、2030年頃に中国の国力が米国の国力を抜き、2048年頃にインドが米国を抜くと予 想している。
また、7変数モデル(GDP、人口、軍事費、技術投資、健康、教育、統治の7つが変数のモデル)では2042年頃に中国が米国を抜くと予想している。下図は4変数モデルでの予測を示している。
膨大な連邦財政赤字の要因の1つが対テロ戦争における膨大な戦費である。その膨大な財政赤字削減のために国防費の強制的削減 (sequestration)が予定されており、軍事力の低下が将来的に不可避な状況になっている。米国国力低下は対テロ戦争がもたらしたものである。
イスラム過激派の台頭
ブレジンスキーが指摘するように、「反イスラムのにおいを漂わせるテロとの戦争は、イスラム世界の言論を反米で一致させ、この土壌から次々と生まれ出たテ ロリストたちが、アメリカとイスラエルに対してテロ活動を展開していった。イスラム過激派の主張である外国人と異教徒の排斥も、やはりテロとの戦争で民衆 に受け入れやすくなった」(注14)のであり、民主主義の押しつけは、安定化の見通しをもたらすどころか、各国で社会内部の緊張を激化させたのである。
今後の米軍戦闘部隊のアフガニスタン撤退以降、イスラム国にいかに対処するかが大きな課題になる。そのため、イスラム過激派の台頭については、「5 オバマ大統領の対テロ戦争」で紹介する。
4 オバマ大統領の対テロ戦争
ブッシュ大統領から負の遺産を引き継いだオバマ大統領
バラク・オバマ大統領は、地に落ちた米国の名誉の回復を託されて大統領に選出された。彼は、イラク戦争及びサブプライムローンに端を発するリーマン・ショックという2つの極めて大きな負の遺産を受け継いで政権を発足させざるを得なかった。
リーマン・ショックからの立ち直りは何とか果たせたが、対テロ戦争の負の遺産の解消にはいまだ成功していない。それほどにこの負の遺産の解決は難しいのである。
オバマ大統領は、国内の保守派の反対を押し切ってイラクからの米軍撤退(2011・12・18)を実施した。これはオバマ大統領の選挙公約に則った行為で ある。イラク戦争の大義に疑問を抱き、対テロ戦争の犠牲の大きさを認識する過半数の米国人の支持を得たイラクからの米軍撤退であった。
イラクの統治はイラク人に任せる、他のいかなる外国人もイラクの統治に関して正当な権利を持ちえないという当たり前の認識を多くの米国人が共有したのである。
一方でオバマ大統領のアフガニスタン政策には問題がある。彼は、イラクからの米軍の撤退とともにアフガニスタンでの米軍の活動を重視することを決定したが、この決定は不適切であった。
イラクからの撤退と同時にアフガニスタンからも早期に撤退すべきであったというのが私の結論である。イラクの統治の責任はイラク人にしかないのと同様に、アフガニスタンの統治はアフガニスタン人に任せる、他のいかなる外国人も正当な統治の権利を持ちえないのである。
当然ながら、米国のアフガニスタンでの活動はうまくいっていない。うまくいかないのは当たり前で、アフガニスタン政府要人は、外国の援助に頼り、自国を統 治しようという当事者意識に欠け、汚職がはびこる中で外国の軍隊がどんなに頑張ってもその努力は徒労に終わる運命にある。
そして、オバマ大統領のアフガニスタンにおける戦争指導には最高司令官としての熱意が希薄である。ブッシュおよびオバマ両政権で国防長官を務めたロバー ト・ゲーツ氏がその回顧録『DUTY』でオバマ大統領を厳しく批判し、「オバマ大統領は、自らに仕える司令官を信頼せず、自らの戦略を信じていない。オバ マ氏にとってアフガン戦争は撤退するだけのものだ」(注15)と指摘している。
また、ドニロン前大統領補佐官ら側近が取り仕切るオバマ政権の態勢を歴代政権の中でも最も中央集権的で、安全保障に口を出すと指摘し、国防省の部下には「ホワイトハウスには情報を与えすぎるな」(注16)と指示していたと明かしている。
これらの証言でも明らかなように、オバマ大統領とゲーツ国防長官や将軍の関係は緊密なものではなかったのである。オバマ大統領からすれば、ブッシュ前大統領から引き継いだ負の遺産であるという意識が本音としてどうしても出てしまうのであろう。
対テロ戦争に熱心でない大統領と第一線で命を落としていく兵士の間には大きな溝があるように思えてならない。この点が、対テロ戦争におけるオバマ大統領の最大の問題点である。
オバマ大統領の演説と現実の乖離
オバマ大統領のウェスト・ポイントでの演説と現実の対応とはかなりの差がある。
つまり、2014年5月にウェスト・ポイントにおいて、「米国が世界においてリードしなければならない。米国がやらなければ、他に世界をリードする国はな い」と発言し、「新たな世界において、米国が世界をリードするか否かではなくて、いかに世界をリードするかが問われている。米国の平和と繁栄を確実にする だけではなく、平和と繁栄を地球全体に拡散しなければいけない」、「21世紀において米国の孤立主義は選択肢ではないということは絶対的に真実だ。米国の 国境外で起こることを無視する選択はとらない」と発言したのである。米国が再び世界の警察官としての役割を果たすと宣言したに等しい。
しかし、実際には、ウクライナの紛争においてはロシアに対する経済制裁をしただけである。経済制裁だけではウクライナにおける紛争は解決できないし、イラ クで活動するイスラム国の脅威に対し米国が実施している空爆にも限界がある。しかし、オバマ大統領は、地上軍の投入を常に否定している。ここにオバマ大統 領の演説と現実の対応の乖離を認識せざるを得ないのである。
オバマ大統領が開始した対テロ戦争:イスラム国(IS)との戦い
現在、世界的な脅威となっているIS(オバマ政権ではISではなく、常にISIL:Islamic State in Iraq and the Levantと呼んでいる)は、チャック・ヘーゲル国防長官が8月21日の記者会見で表現したように、「巧みな戦略と戦術上の軍事能力などこれまでに見た どの組織よりも洗練され、資金も豊富で、単なるテロ組織を超えた存在」であり、現在最も残忍で実力のあるイスラム原理主義組織である。
このISへの対応はオバマ大統領にとって喫緊の課題であり、ISとの戦いをイラクで開始し、その範囲はシリア領内の目標に対する航空攻撃にまで拡大してい る。イラク戦争とアフガニスタン戦争の終結を掲げて大統領になったオバマ氏が、皮肉にも新たな対テロ戦争を開始したのである。このISとの戦いは残り2年 間のオバマ政権の対テロ戦争の中心になるであろう。
ISは、イラクのアルカイダ(AQI: al-Qaeda in Iraq)から派生した組織であり、イラク戦争を背景として、直接的には3年に及ぶシリア内戦を経て台頭してきた。ISは、シリアのラッカを首都とし、シ リアからイラクにかけた広大な地域を自らの領土として宣言した。次図でも分かる通り、チグリス川とユーフラテス川沿いの重要な地域を占領している。
出典:Institute for the Study of War
ISは、国際武装組織アルカイダとは違い、領土を確保し、社会基盤を構築し、国家を建設する意思がある。ISをアルカイダと同列に扱うことはできない。ISは、CIA(米中央情報局)の見積りでは3万人以上の勢力で、約3000人が西欧出身だと言われている。
彼らは、自らを聖戦士と呼び自らはFive Star Jihad(5つ星聖戦)に参加しているという。しかし、大部分のイスラム教徒は、ISを単に犯罪者集団とみなし、ISの思想や残忍な恐怖支配を批判している。
ISとの戦い
米国は、当初イラクで活動するISに対して空爆を実施してきたが、地上軍の投入や空爆をシリアにまで拡大することをしてこなかった。しかし、オバマ大統領 は、9月10日の “Statement by the President on ISIL”および9月13日の“Remarks of President Barack Obama Weekly Address”によりISILを撃破することを宣言し、そのために以下の様な戦略を発表した。
(1)空爆をイラクのみならずシリア領内にも拡大する
(2)地上でISILと戦うイラク軍、クルド人の部隊、シリアで活動する穏健な反アサド武装勢力への支援(武器供与・情報・訓練支援)を拡大する
(3)ISILの攻撃を防ぐために対テロ能力を強化する
(4)ISILのために避難を余儀なくされた人々に対する人道援助を拡大する
(5)以上の4つの項目のために、広範な対ISIL有志連合(coalition)を形成する
イスラム国家を打倒するためにはアサド政権との共同作戦も不可欠であるが、米国が今までシリアのアサド政権を批判し対立してきた経緯から、その実現は困難である。
上記5原則に基づき、シリア領内での空爆が9月22日から開始された。しかし、空爆のみではISを打倒することはできず、地上部隊の作戦との連携が不可欠であるが、オバマ大統領は米地上軍の投入を否定している。
そのためにイラク軍、クルド人の部隊、比較的穏健な反アサド武装勢力などによる地上作戦との連携が重要となる。つまり、ISに対し米国単独では対応できないのである。
そのため、多くの同盟国および友好国と有志連合を形成してISに対処することが不可欠になるが、9月22日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦 (UAE)、ヨルダン、バーレーンおよびカタールは、米国によるシリアのISに対する爆撃に協力したのである。米国単独の作戦ではなく、有志連合による作 戦が機能し始めたのは望ましいことである。そして今や60カ国以上が有志連合に参加を表明している。今後とも有志連合の拡充を図るべきである。
対テロ戦争におけるオバマ大統領とブッシュ前大統領の違い
オバマ大統領は明らかにブッシュ大統領の対テロ戦争を反面教師にしている。ブッシュ大統領の傲慢な一国行動主義に対して、努めて多くの国々を有志連合の中 に取り込み、「米国一国対イスラム世界」という対立の構図を努めて避けようとして いる。この姿勢は極めて妥当である。
オバマ大統領は、ISをイスラム教を信奉する集団と認めず単なる殺人集団と規定し、キリスト教対イスラム教という文明の衝突の構図を徹底的に避けようとしている。彼が採用する「文明の衝突の回避」という姿勢は極めて妥当である。
オバマ大統領のたび重なる決心の変更
ここで指摘したいのがオバマ大統領の度重なる決心の変更である。シリア内戦において「シリアによる化学兵器の使用はレッドラインを越えるものである」と軍 事的介入を2013年8月に警告しておきながら、米国民や議会の支持が少ないとみるや最終的に軍事力の使用を断念したのはその典型である。
また、シリア内戦に対し武力による介入をしないと決定した際において、「米国は世界の警察官ではない」と発言して、米国内外からあまりにも消極的であると 批判された。その後のウェスト・ポイントにおけるスピーチでは「米国が世界においてリードしなければならない。米国がやらなければ、他に世界をリードする 国はない」と発言し、世界の警察官復活を連想させる発言をしている。
そして、大統領は、シリア国内での空爆は実施しないと言い続けてきたが、ISによる2人の米国人ジャーナリスト殺害に対する米国人のISへ怒りをみてシリア国内の目標に対する空爆を決断した。
また、1人目の米国人が殺害された際の記者会見で「戦略をまだ持っていない」と失言し、共和党やメディアの集中砲火を浴びた。この世論の反発に反省し、シリア国内の空爆に方針転換をしたのかもしれない。
オバマ大統領の決断は、状況の変化に対応した柔軟な決心の変更だと言えなくもないが、日和見主義的であるという批判をまぬかれることはできない。その揺れ動く決心がISに対する新たな対テロ戦争の開始につながっていったのである。
いずれにしろ、オバマ政権が決心したISの撃破は短期間では終わりそうもない。いつISを打倒できるのか将来の予測がつかない対テロ戦争に突入したことになる。残り2年の任期しかないオバマ政権では解決できず、新たな対テロ戦争は次の政権に継承されるのであろう。
5 対テロ戦争13年間の教訓
(1) 世界の紛争の原因を追究していくと二元論的な見方がその根源にあると私には思えてならない。我と彼、敵と味方、キリスト教とイスラム教、イスラム教の中で もスンニー派とシーア派など二元論的な見方が充満している。二元論はしばしば人を不寛容にするし無慈悲にするし不幸にする。イスラム国はその典型な例であ る。
我々には、自分とは違うもの例えば他者への理解、他者を認める寛容さ・度量が求められる。特に、世界各国の指導者にはそれが必須である。視野の狭い独善的なナショナリズムや排外主義は紛争の原因であり、避けるべきである。
違いを認め合いながら協調すること、共生することが大切である。特に米国、中国、ロシアなどの大国は、自らの価値観や自らのルールを他国に押し付けないことである。
(2) しかし、現実の国際情勢の中で多くの文明の衝突を目撃する。例えば、異文明に対する敵意をむき出しにするイスラム原理主義集団やウクライナ紛争などは典型 的である。次に問われるべきは、これらの現実的な紛争にいかに対処するかであるが、脅威の度合い及び紛争の態様に応じて現実的に対処せざるを得ない。
例えば、現在大きな脅威になっているイスラム国の様な残忍で自分たちの考え以外の考えを一切拒否し殺害を繰り返すような組織をイスラム教に基づく組織として認めることはできない。単なる殺人集団であり、排除すべきである。
彼らが装備する武器、部隊運用の巧みさなどを考慮するとこちらも武力で対処せざるを得ない。その際に、これらの諸問題の解決に際し、米国にのみに頼ることは不適切である。米国を支える同盟国、友好国などの有志連合で対処することが不可欠である。
(3) 我々がアフガニスタンやイラクで目撃したことは、軍事力による政権の打倒や破壊は可能でも、国家の再建は非常に難しいという事実である。オバマ大統領が ウェストポイントで主張した「第2次世界大戦以来、我々が高い代償を払った失敗は、自制をすることなく、結果を考えないで、国際的な支持と行動に対する適 法性を確保することなく、払うべき犠牲について国民に伝えることなく、進んで軍事的冒険に突入したことに起因する」という指摘は妥当である。
安易に軍事力を使用してはいけない。軍事力の使用は最終的な手段であり、軍事力を使用する際には国際社会が認める大義が必要であることを肝に銘じるべきである。特に地上戦力(陸軍、海兵隊)の投入は最後の最後にすべきである。
(4)その国の国民以外誰もその国の将来に最終的な責任を負うことはできない。脆弱な諸国(fragile states)の再建は困難であるが、当該国以外の他国がその再建を一方的に担うことはできない。
現在、世界中で活発に活動するアルカイダとその関連組織(IS、タリバン、アルカイダ、ボコハラム、アル・シャバブなどの)の活動拠点となっている脆弱諸 国(イラク、アフガニスタン、イエメン、ソマリア、リビア、パキスタンなど)に対して、9・11以来多大の戦後復興の努力がなされてきたが、所期の目的を 達成していない。投資した資金に比較して成果がマッチしていない。それほどに脆弱国の再建は難しいのである。
(5) ハンチントンの指摘である「日本文明は、一国のみで文明を形成する家族を持たない文明であり、日本は米中対立の中でどっちつかずの迷いを見せて孤立する危 険性がある。また、米国と日本との関係は、米国が欧州の同盟国との間で築いているような、打ち解けた、思いやりのある親しいものであったことはないし、こ れからもそういう関係が築けるとは考えにくい」を肝に銘じ、日本は覚悟して主体的に自らの未来を切り開くべきである。
その一方で、自衛隊が海外での活動で示してきたように、他国の宗教・風俗習慣・価値観などを認め、受容し、謙虚かつ真摯にそれに対応する姿勢を貫くことが世界の模範となる。その寛容で誠実な姿勢を貫き通すべきである。
(6)軍人としてのあるべき姿=真のシビリアン・コントロールとは
イラク戦争を主導していったのがブッシュ大統領とネオコンであるディック・チェイニー副大統領、ドナルド・ラムズフェルド国防長官、ウォルフォ・ヴィッツ国防副長官であった。政治家、実業家、学者であった。
一方、イラク戦争に反対したのがコリン・パウエル国務長官、リチャード・アーミテージ国務副長官であり、両者ともに軍人出身である。パウエル氏は、黒人と して初めて統合参謀本部議長として、ブッシュパパの湾岸戦争の時に手腕を発揮した生粋の軍人出身であり、アーミテージ氏も海軍出身の元軍人である。
現在のデンプシー統合参謀本部議長もまた将来の明確な見通しのない軍事力の使用について常に反対する立場でオバマ大統領を補佐している。オバマ大統領が問 題解決のための軍事力特に陸軍の使用について消極的なのは本人の信念であると共にマーティン・デンプシー統合参謀本部議長の助言も大いに影響をしている。
なぜ、これら軍人が安易な軍事力の使用に反対するのか。答えは簡単で、真の軍人ほど軍隊の可能性と限界、戦争の悲惨さを知っているからである。
6 結言
米国の13年間にわたる対テロ戦争は成功したとは言えない。そしてその原因の中で特に大きな原因がジョージ・W・ブッシュ大統領のイラク戦争にあったと記述してきた。
無謬の人はいないし、無謬の国家も存在しない。人は時に状況判断を誤るし、国家もまた状況判断を誤る。大切なことは、状況判断を誤ったならばそれを速やかに認め、訂正することである。
しかし、9・11以降の米国はそうすることができなかった。そのために、全世界においてイスラム過激派たちの無法行動を許し、ロシア・中国などの米国中心の世界秩序に反対する諸国の反米的行動を招くことになったのである。
イラク戦争以降、世界において「米国は世界秩序の守護者なのか?破壊者なのか?」という議論が湧き上がったが、多くの人々が「ブッシュ大統領はやりすぎた」と思っている。
あまりにも好戦的なブッシュ大統領を反面教師にしたオバマ大統領に対しては「言葉だけで、あまりにも行動しない。対テロ戦争を遂行する最高指揮官の自覚に欠ける」と批判する声が多い。
世界最強の米国の大統領には世界の厳しい目が向けられ、最善の決心と行動が求められるのである。オバマ大統領には今後の適切なISなどへの対処を期待したい。
注1:ズビグネフ・ブレジンスキー(Zbigniew Brezinski)は、カーター大統領の国家安全保障担当の大統領補佐官を務め、米国を代表する戦略家である。彼のブッシュ大統領批判は極めて厳しいものであるが、多くの米国人も彼の意見に同調するであろう。
注2: ズビグネフ・ブレジンスキー(Zbigniew Brezinski) ,“SECOND CHANCE (Three Presidents and the Crisis of American Superpower) ”の日本訳「ブッシュが壊したアメリカ」、徳間書店、P173
注3:同上P25
注4:同上P166
注5:同上P172
注6:同上P182
注7:Samuel P. Huntington, “THE CLASH OF CIVILIZATIONS AND THE REMAKING OF WORLD ORDER” ,The Free Press, P13
注8:サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突」、鈴木主税訳、集英社、P21
注9:サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突と21世紀の日本」、鈴木主税訳、集英社、P85~P86
注10:Samuel P. Huntington, “THE CLASH OF CIVILIZATIONS AND THE REMAKING OF WORLD ORDER” , The Free Press, P311~312
注11:サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突」、鈴木主税訳、集英社、P21
注12:「ブッシュが壊したアメリカ」P172
注13:The National Intelligence Council 発行の“Global Trends 2030”
注14:「ブッシュが壊したアメリカ」P175
注15:Robert M. Gates,“DUTY”, P557
注16:Robert M. Gates,“DUTY”P512
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42291
米国の対テロ戦争(War on Terrorism)を総括する
2014.12.01(月) 渡部 悦和 JB PRESS
世界の至る所で紛争が発生し、極めて不安定で不幸な状況が続いている。ウクライナ東部ではウクライナ軍とロシア軍に支援された親ロシア派テロリストとの間に激しい戦闘が生起した。一応の停戦合意がなされたが、今後の展開は予断を許さない。
また、シリアおよびイラクではイスラム国(IS: Islamic State)やアルカイダが、アフリカではボコ・ハラム(ナイジェリアのタリバンと呼ばれるテロ組織)やソマリアのアル・シャバブなどのイスラム過激派集団が活発に活動している。
イスラム国の戦闘員〔AFPBB News〕
特に残忍極まりないイスラム国は、国際社会における大きな脅威となっている。一方、アジアにおいては中国の軍事力を背景とした強圧的な対外姿勢により周辺諸国との領土問題に解決の兆しがない。
混乱を極める世界情勢の背景は何なのか。米国が世界の警察官としての役割を果たせなくなったのが1つの理由である。なぜ、米国がその影響力を低下させてしまったのか。最大の要因は、米国の対テロ戦争特にイラク戦争開始以降の米国の不適切な対応にある。
特に当時のジョージ・W・ブッシュ大統領の傲慢さと独善に対するイスラム教徒をはじめとする世界の怒りが背景にある。
米国の著名な戦略家ブレジンスキー(注1)は、その著書『SECOND CHANCE』(日本訳「ブッシュが壊したアメリカ」)においてブッシュ大統領を手厳しく批判し、「イラク戦争の最も重大な影響は、アメリカのグローバ ル・リーダーシップが信用を失った点だ。もうアメリカの大義では世界の力を結集できなくなり、アメリカの軍事力では決定的な勝利を収められなくなった。ア メリカの行動は同盟を分裂させ、対立相手を結束させ、敵と悪党に塩を送った。混乱に陥れられたイスラム世界は、アメリカに激しい憎悪で応えた。アメリカの 政治手腕に対する敬意は先細りとなり、アメリカの指導力は低下の一途をたどっていった」(注2)と指摘している。
まさにイラク戦争はパンドラの箱を開ける行為だったのだ。米国の影響力は低下する一方で、多くのイスラム過激派が米国に対する怒りや憎悪ゆえにその活動を活発化させ、残忍な活動を中東やアフリカを中心に展開しているのである。
そして、中国やロシアなどの米国主導の秩序に反対する国々も自国の国益に沿った反米的な活動を活発化させたのである。その結果がロシアによるクリミア編入 とウクライナ東部へのロシア軍の侵攻である。世界中の紛争は、イラク戦争あるいは対テロ戦争というパンドラの箱から出てきたのである。
ISAF(International Security Assistance Force:国際治安支援部隊)を構成する米軍などの各国戦闘部隊は、アフガニスタンでの戦闘任務を終了し、2014年末までにアフガニスタンから撤退する。
2001年の9・11以来続いてきた13年間に及ぶ米国の対テロ戦争の大きな節目を迎えるに当たり、本稿ではその戦いについて現時点までの総括を実施する。
結論的に言えば「13年間の対テロ戦争は成功したとは言えない」というのが筆者の評価である。当然ながら、筆者の結論に反対する人もいるであろう。大切な ことは、米国の対テロ戦争について活発な議論をし、総括することであり、そうすることにより現在の混沌とした世界情勢に対する解決策を見出すことである。
1 世界の混乱は米国の対テロ戦争特にイラク戦争に起因する
東西冷戦終結以降の米国に対する過大評価とその現実
冷戦の真っただ中の1978年に自衛隊に入隊した私にとって、冷戦終結はにわかには信じられない画期的な出来事であった。冷戦の終結そして何よりもソ連崩壊は全世界に大きな影響を与え、それが現在の様々な紛争の遠因となっている。
ブレジンスキーが指摘するように、「ソ連崩壊の1991年以降、世界の人々は米国が無敵であると思い込み、米国は自らの権勢がどこまでも広がると夢想して いたが、イラク戦争後の占領政策が失敗したことにより、これからの思い込みと夢想はもろくも崩れ去った」(注3)のである。
イラク戦争やアフガニスタン戦争で米国が苦戦を強いられる以前は、米国を「唯一のスーパーパワー」と表現する者が多かった。しかし、米国が推し進めたいわ ゆる「テロとの戦い」が示した現実は、米国は大国ではあるが、すべてを単独で解決できるスーパーパワーではなかったという事実であった。
世界の安全保障を考える際には、EU、日本、中国、ロシア、UNの協力が欠かせないことを、米国はテロとの戦いを通じて認識することになるのである。
9・11NY同時多発テロと世界から支持された当初のアフガン侵攻作戦
9・11NY同時多発テロは米国のみならず世界各国に大きな衝撃を与えた。民航機をハイジャックし、世界貿易センタービルとペンタゴンに対する自爆テロを敢行した大胆な行為にブッシュ政権も米国民も驚愕し、その驚愕がテロリストへの怒りへと転換していった。
そして、「アフガニスタンのタリバン政権が9・11の主犯たちをかくまっている以上、米国にはタリバンを抹殺する必要性と権利がある」という米国の主張は、世界のほぼ全域から支持された。
米英軍を中心とした有志連合は、10月7日、「テロリズムに対するグローバルな戦争」(Global War on Terrorism)としてアフガニスタンでの「不朽の自由作戦」(Operation Enduring Freedom-Afghanistan , OEF-A)を開始したが、この時点では米国の行動に対する世界的な支持があった。
2003年まで、世界各国は当然のように、米国大統領の言葉に信頼を寄せ、彼が事実と断言したことは、そのまま事実として受け取られたのだ。
世紀のテロ行為に衝撃を受けた米国民は、ブッシュ大統領のもとで結束を強めていった。「ブッシュにとって9・11とは、一人の人間として天啓に触れ、特別 な使命を授けられた機会であった。この思い込みは、ブッシュに傲慢と紙一重の自己過信を与えた」(注4)のだ。ブッシュ大統領は9・11を機に、同盟国の 意向にかまわず、自らの思うがまま行動する一国行動主義に陥っていくことになる。
パンドラの箱を開けてしまったイラク戦争
ブッシュ大統領は、2003年3月19日、イラク武装解除問題の進展義務違反を理由としてイラク戦争「イラク自由作戦」(Iraq Freedom Operation)を開始した。そして、バクダッドを陥落させ、フセイン政権を打倒したのである。
イラク戦争の大義はイラクの大量破壊兵器の保有であったが、実際にはイラクは大量破壊兵器を保有していなかった。しかし、ブッシュ大統領は、バグダッド陥落から2カ月が経っても、相変わらずシレッとした顔で「我々は大量破壊兵器を発見した」と言い張ったのである。
2001年9月12日、世界同時多発テロへの対応を協議するブッシュ大統領(中央)、チェイニー副大統領(右)、パウエル国務長官(左)(肩書きはいずれも当時)〔AFPBB News〕
そのツケは国際社会からの信用の低下となって表れた。米国は、国際社会から信用をなくし、正当性を疑われるようになったのである。
これまで米国が正当性を認められてきたのは、おそらく、米国の行動と人類の基本的利益が、ある程度まで一致していたからだろう。
しかし、正当性を失ってしまっては、国は弱体化をまぬがれない。同じ結果を達成するのに、以前よりも多くの資源を投入しなければならないからだ。こうやって、ソフトパワーの喪失はハードパワーの喪失につながっていったのである。(注5)
ブッシュ大統領は、イラク戦争を強行することによりパンドラの箱を開けてしまったのである。その箱からは米国でさえ制御不可能な様々な厄介なものが出てきたのだ。
まず主要国(ドイツ、フランス、カナダなど)の信頼を失ってしまった。ブッシュ大統領は9・11以降、世界の指導者たちに対しても「あなたが我々の味方で ないなら、あなたは私の敵である」と発言し、その傲慢で独善的な姿勢はひんしゅくを買うことになり、同盟国であるドイツ、フランス、カナダさえも明確にイ ラク進攻に反対した。
次いで、イスラム世界との決定的対立である。
ブッシュ大統領がイラク戦争を十字軍の戦いであると言えば言うほど、全世界のイスラム教徒を激怒させ、イスラム社会との全面衝突を引き起こしてしまった。 彼は、傲慢にも「イスラム教徒にキリスト教を源流とする自由と民主主義を教えてやる」という態度をとったのである。民主主義や自由の押しつけは、安定化を もたらすどころか、各国で社会内部の緊張を激化させたのである。(注6)
さらに膨大な戦費と膨大な犠牲は徐々に米国の国力を低下させていったのである。イラク戦争に費やされたコストの見積もりに関しては8000億ドルから3兆ドルまで様々な計算結果があるが、この膨大な戦費は米国の膨大な財政赤字の原因となった。
イラク戦争における米軍人の戦死者は4500人、負傷者は3万2000人であり、特に米陸軍はその後遺症に苦しんでいる。イラク戦争は米国の世界的名声と信用に甚大なダメージを与えた。米国の影響力の低下はイラク戦争に始まったと言える。
2 サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」と対テロ戦争
「文明の衝突」の趣旨
冷戦終結直後の1993年、ハーバード大学教授のサミュエル・ハンチントンは、「文明の衝突」を発表し、世界中の人々に衝撃を与えた。多くの学者たちが、 冷戦終結後の世界は、「グローバルな国際社会の一体化が進む」と思っていたが、ハンチントンは彼らとは全く反対の考えを示したのである。
彼は、「冷戦終結後の世界は、むしろ数多くの文明の単位に分裂してゆき、それらが相互に対立・衝突する流れが、新しい世界秩序の基調となる」と主張したのだ。
多くの学者、政治家たちは驚き・ショックを受け、見当違いな批判をハンチントンに浴びせたが、現実はハンチントンが予言した通りになったのだ。特に日本で は、「冷戦後の世界は、平和と協調の時代となり、軍事力や国家というものがその存在価値を失う時代となる」といったユートピアを唱える学者もいたが、その 説が完全に間違いであったことは歴史が証明した。
ハンチントンが「文明の衝突」で最も言いたかったことは、「文明の衝突は世界平和の最大の脅威であり、文明に依拠した国際秩序こそが世界戦争を防ぐ最も確実な安全装置だ」(注7)ということである。その他の注目点を4点にまとめると以下のようになる。
(1)歴史上初めて国際政治が多極化し、かつ多文明化している。近代化によって何か意味のある普遍的な文明が生み出されるわけではないし、非西欧社会が西欧化するわけではない(注8)。
(2) 米国人は、世界が米国一極体制であるかのように行動したり発言したりするのはやめるべきだ。世界は一極体制ではない。世界の重要な問題に対処するために は、米国は少なくともいくつかの大国の協力を必要とする。米国の指導者は慈悲深い覇権国という幻想を捨て、自国の利益や価値観が他の国々のそれとおのずか ら一致するという考えを捨てなければならない。実際はそうでないからだ(注9)。
(4)西欧文明の指導者は、他の文明を西欧文明に染め上げようとしてはいけない。西欧文明のユニークな実質を維持し、守り、新しくする責任がある。西欧文明の他の文明への干渉が最も危険な不安定の要因となり、グローバルな紛争の要因となる(注10)。
(5)西欧は普遍主義的な主張のため、次第に他の文明と衝突するようになり、特にイスラム諸国や中国との衝突は極めて深刻である(注11)。
「文明の衝突」の趣旨を無視したブッシュ大統領
ブッシュ大統領は、全く見事なまでにハンチントンの忠告を無視したのである。そのために、米国のみではなく、世界中が多くの悲劇を経験することになったの である。あまり勉強しないブッシュ大統領が「文明の衝突」を読み、その内容を理解していれば歴史は違った方向に向かっていたのかもしれない。
「文明の衝突」の趣旨を結果的に実践した自衛隊
当時の小泉純一郎政権は、2003年12月から2009年2月までの間、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」に基づき自衛隊をイラクに派遣した。
自衛隊のイラクでの活動は、多方面から高く評価されたが、その評価の大きな要因はハンチントンの「文明の衝突」の趣旨を実践したこと(ハンチントンの文明の衝突を知っていたかどうかは別にして)にある。
つまり、イラクにおいて「郷に入っては郷に従え」を合言葉に、イラク人の民族・宗教・文化・風俗・習慣を尊重し、自らの価値観を押し付けなかったからである。
例えば、2004年1月16日付の現地サマーワ新聞は、「我々は我が県に日本隊が到着するまで、この道徳と倫理を保持した立派な人々について何も知らず、 感情のかけらもない技術革命により、全世界の心を支配するつもりだろうと思っていた。しかし、日本国陸上自衛隊が県内に到着して数週間の内に、サマーワの 人々は彼らが「古きニッポン」の子孫として、愛情と倫理にあふれた人々であることを見出した。彼らは偉大なる文明を保持するとともに他の国を尊重し、他国 民の家庭や職業に敬意を払う立派な伝統を持っていたのだ」と伝えている。
この自衛隊の他の文明に対する態度はイラクにおける活動のみならず、海外における活動ではいつも重視されている態度である。結果的に、ハンチントンの精神を実践したのはブッシュ大統領ではなく、自衛隊だったのである。
3 イラク戦争をはじめとする対テロ戦争がもたらしたもの
イラク戦争を始めとする対テロ戦争がもたらしたものを以下2項目列挙する。つまり、「米国の国力及び影響力の低下」、「イスラム過激派の台頭」である。
米国の国力および影響力の低下
ブレジンスキーがその著書『SECOND CHANCE』で指摘するように、「イラク戦争は米国の世界的名声に甚大なダメージを与えた。イラク戦争開戦以来、世界における米国の信用は低下の一途を たどっている」のであり、「国際社会から信用を無くし、正当性を疑われるようになった米国は、弱体化をまぬがれない」のである。(注12)
米国の国家情報会議(The National Intelligence Council)が発表した将来予測“Global Trends 2030”によると、「2030年において米国は、かつての覇権国からトップ集団の1位に留まる」と指摘し、「圧倒的な力を背景に世界を同一の方向に向か わせてきた覇権国が存在しない2030年の世界」になると指摘している。(注13)
そして、米国に関するシ ナリオとして、(1)楽観シナリオ「再成長する米国」と(2)悲観シナリオ「没落する米国」を提示しているが、国力を算定する2つのモデルの中で4変数モ デル(GDP、人口、軍事費、技術投資の4つが変数のモデル)では、2030年頃に中国の国力が米国の国力を抜き、2048年頃にインドが米国を抜くと予 想している。
また、7変数モデル(GDP、人口、軍事費、技術投資、健康、教育、統治の7つが変数のモデル)では2042年頃に中国が米国を抜くと予想している。下図は4変数モデルでの予測を示している。
膨大な連邦財政赤字の要因の1つが対テロ戦争における膨大な戦費である。その膨大な財政赤字削減のために国防費の強制的削減 (sequestration)が予定されており、軍事力の低下が将来的に不可避な状況になっている。米国国力低下は対テロ戦争がもたらしたものである。
イスラム過激派の台頭
ブレジンスキーが指摘するように、「反イスラムのにおいを漂わせるテロとの戦争は、イスラム世界の言論を反米で一致させ、この土壌から次々と生まれ出たテ ロリストたちが、アメリカとイスラエルに対してテロ活動を展開していった。イスラム過激派の主張である外国人と異教徒の排斥も、やはりテロとの戦争で民衆 に受け入れやすくなった」(注14)のであり、民主主義の押しつけは、安定化の見通しをもたらすどころか、各国で社会内部の緊張を激化させたのである。
今後の米軍戦闘部隊のアフガニスタン撤退以降、イスラム国にいかに対処するかが大きな課題になる。そのため、イスラム過激派の台頭については、「5 オバマ大統領の対テロ戦争」で紹介する。
4 オバマ大統領の対テロ戦争
ブッシュ大統領から負の遺産を引き継いだオバマ大統領
バラク・オバマ大統領は、地に落ちた米国の名誉の回復を託されて大統領に選出された。彼は、イラク戦争及びサブプライムローンに端を発するリーマン・ショックという2つの極めて大きな負の遺産を受け継いで政権を発足させざるを得なかった。
リーマン・ショックからの立ち直りは何とか果たせたが、対テロ戦争の負の遺産の解消にはいまだ成功していない。それほどにこの負の遺産の解決は難しいのである。
オバマ大統領は、国内の保守派の反対を押し切ってイラクからの米軍撤退(2011・12・18)を実施した。これはオバマ大統領の選挙公約に則った行為で ある。イラク戦争の大義に疑問を抱き、対テロ戦争の犠牲の大きさを認識する過半数の米国人の支持を得たイラクからの米軍撤退であった。
イラクの統治はイラク人に任せる、他のいかなる外国人もイラクの統治に関して正当な権利を持ちえないという当たり前の認識を多くの米国人が共有したのである。
一方でオバマ大統領のアフガニスタン政策には問題がある。彼は、イラクからの米軍の撤退とともにアフガニスタンでの米軍の活動を重視することを決定したが、この決定は不適切であった。
イラクからの撤退と同時にアフガニスタンからも早期に撤退すべきであったというのが私の結論である。イラクの統治の責任はイラク人にしかないのと同様に、アフガニスタンの統治はアフガニスタン人に任せる、他のいかなる外国人も正当な統治の権利を持ちえないのである。
当然ながら、米国のアフガニスタンでの活動はうまくいっていない。うまくいかないのは当たり前で、アフガニスタン政府要人は、外国の援助に頼り、自国を統 治しようという当事者意識に欠け、汚職がはびこる中で外国の軍隊がどんなに頑張ってもその努力は徒労に終わる運命にある。
そして、オバマ大統領のアフガニスタンにおける戦争指導には最高司令官としての熱意が希薄である。ブッシュおよびオバマ両政権で国防長官を務めたロバー ト・ゲーツ氏がその回顧録『DUTY』でオバマ大統領を厳しく批判し、「オバマ大統領は、自らに仕える司令官を信頼せず、自らの戦略を信じていない。オバ マ氏にとってアフガン戦争は撤退するだけのものだ」(注15)と指摘している。
また、ドニロン前大統領補佐官ら側近が取り仕切るオバマ政権の態勢を歴代政権の中でも最も中央集権的で、安全保障に口を出すと指摘し、国防省の部下には「ホワイトハウスには情報を与えすぎるな」(注16)と指示していたと明かしている。
これらの証言でも明らかなように、オバマ大統領とゲーツ国防長官や将軍の関係は緊密なものではなかったのである。オバマ大統領からすれば、ブッシュ前大統領から引き継いだ負の遺産であるという意識が本音としてどうしても出てしまうのであろう。
対テロ戦争に熱心でない大統領と第一線で命を落としていく兵士の間には大きな溝があるように思えてならない。この点が、対テロ戦争におけるオバマ大統領の最大の問題点である。
オバマ大統領の演説と現実の乖離
オバマ大統領のウェスト・ポイントでの演説と現実の対応とはかなりの差がある。
つまり、2014年5月にウェスト・ポイントにおいて、「米国が世界においてリードしなければならない。米国がやらなければ、他に世界をリードする国はな い」と発言し、「新たな世界において、米国が世界をリードするか否かではなくて、いかに世界をリードするかが問われている。米国の平和と繁栄を確実にする だけではなく、平和と繁栄を地球全体に拡散しなければいけない」、「21世紀において米国の孤立主義は選択肢ではないということは絶対的に真実だ。米国の 国境外で起こることを無視する選択はとらない」と発言したのである。米国が再び世界の警察官としての役割を果たすと宣言したに等しい。
しかし、実際には、ウクライナの紛争においてはロシアに対する経済制裁をしただけである。経済制裁だけではウクライナにおける紛争は解決できないし、イラ クで活動するイスラム国の脅威に対し米国が実施している空爆にも限界がある。しかし、オバマ大統領は、地上軍の投入を常に否定している。ここにオバマ大統 領の演説と現実の対応の乖離を認識せざるを得ないのである。
オバマ大統領が開始した対テロ戦争:イスラム国(IS)との戦い
現在、世界的な脅威となっているIS(オバマ政権ではISではなく、常にISIL:Islamic State in Iraq and the Levantと呼んでいる)は、チャック・ヘーゲル国防長官が8月21日の記者会見で表現したように、「巧みな戦略と戦術上の軍事能力などこれまでに見た どの組織よりも洗練され、資金も豊富で、単なるテロ組織を超えた存在」であり、現在最も残忍で実力のあるイスラム原理主義組織である。
このISへの対応はオバマ大統領にとって喫緊の課題であり、ISとの戦いをイラクで開始し、その範囲はシリア領内の目標に対する航空攻撃にまで拡大してい る。イラク戦争とアフガニスタン戦争の終結を掲げて大統領になったオバマ氏が、皮肉にも新たな対テロ戦争を開始したのである。このISとの戦いは残り2年 間のオバマ政権の対テロ戦争の中心になるであろう。
ISは、イラクのアルカイダ(AQI: al-Qaeda in Iraq)から派生した組織であり、イラク戦争を背景として、直接的には3年に及ぶシリア内戦を経て台頭してきた。ISは、シリアのラッカを首都とし、シ リアからイラクにかけた広大な地域を自らの領土として宣言した。次図でも分かる通り、チグリス川とユーフラテス川沿いの重要な地域を占領している。
出典:Institute for the Study of War
ISは、国際武装組織アルカイダとは違い、領土を確保し、社会基盤を構築し、国家を建設する意思がある。ISをアルカイダと同列に扱うことはできない。ISは、CIA(米中央情報局)の見積りでは3万人以上の勢力で、約3000人が西欧出身だと言われている。
彼らは、自らを聖戦士と呼び自らはFive Star Jihad(5つ星聖戦)に参加しているという。しかし、大部分のイスラム教徒は、ISを単に犯罪者集団とみなし、ISの思想や残忍な恐怖支配を批判している。
ISとの戦い
米国は、当初イラクで活動するISに対して空爆を実施してきたが、地上軍の投入や空爆をシリアにまで拡大することをしてこなかった。しかし、オバマ大統領 は、9月10日の “Statement by the President on ISIL”および9月13日の“Remarks of President Barack Obama Weekly Address”によりISILを撃破することを宣言し、そのために以下の様な戦略を発表した。
(1)空爆をイラクのみならずシリア領内にも拡大する
(2)地上でISILと戦うイラク軍、クルド人の部隊、シリアで活動する穏健な反アサド武装勢力への支援(武器供与・情報・訓練支援)を拡大する
(3)ISILの攻撃を防ぐために対テロ能力を強化する
(4)ISILのために避難を余儀なくされた人々に対する人道援助を拡大する
(5)以上の4つの項目のために、広範な対ISIL有志連合(coalition)を形成する
イスラム国家を打倒するためにはアサド政権との共同作戦も不可欠であるが、米国が今までシリアのアサド政権を批判し対立してきた経緯から、その実現は困難である。
上記5原則に基づき、シリア領内での空爆が9月22日から開始された。しかし、空爆のみではISを打倒することはできず、地上部隊の作戦との連携が不可欠であるが、オバマ大統領は米地上軍の投入を否定している。
そのためにイラク軍、クルド人の部隊、比較的穏健な反アサド武装勢力などによる地上作戦との連携が重要となる。つまり、ISに対し米国単独では対応できないのである。
そのため、多くの同盟国および友好国と有志連合を形成してISに対処することが不可欠になるが、9月22日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦 (UAE)、ヨルダン、バーレーンおよびカタールは、米国によるシリアのISに対する爆撃に協力したのである。米国単独の作戦ではなく、有志連合による作 戦が機能し始めたのは望ましいことである。そして今や60カ国以上が有志連合に参加を表明している。今後とも有志連合の拡充を図るべきである。
対テロ戦争におけるオバマ大統領とブッシュ前大統領の違い
オバマ大統領は明らかにブッシュ大統領の対テロ戦争を反面教師にしている。ブッシュ大統領の傲慢な一国行動主義に対して、努めて多くの国々を有志連合の中 に取り込み、「米国一国対イスラム世界」という対立の構図を努めて避けようとして いる。この姿勢は極めて妥当である。
オバマ大統領は、ISをイスラム教を信奉する集団と認めず単なる殺人集団と規定し、キリスト教対イスラム教という文明の衝突の構図を徹底的に避けようとしている。彼が採用する「文明の衝突の回避」という姿勢は極めて妥当である。
オバマ大統領のたび重なる決心の変更
ここで指摘したいのがオバマ大統領の度重なる決心の変更である。シリア内戦において「シリアによる化学兵器の使用はレッドラインを越えるものである」と軍 事的介入を2013年8月に警告しておきながら、米国民や議会の支持が少ないとみるや最終的に軍事力の使用を断念したのはその典型である。
また、シリア内戦に対し武力による介入をしないと決定した際において、「米国は世界の警察官ではない」と発言して、米国内外からあまりにも消極的であると 批判された。その後のウェスト・ポイントにおけるスピーチでは「米国が世界においてリードしなければならない。米国がやらなければ、他に世界をリードする 国はない」と発言し、世界の警察官復活を連想させる発言をしている。
そして、大統領は、シリア国内での空爆は実施しないと言い続けてきたが、ISによる2人の米国人ジャーナリスト殺害に対する米国人のISへ怒りをみてシリア国内の目標に対する空爆を決断した。
また、1人目の米国人が殺害された際の記者会見で「戦略をまだ持っていない」と失言し、共和党やメディアの集中砲火を浴びた。この世論の反発に反省し、シリア国内の空爆に方針転換をしたのかもしれない。
オバマ大統領の決断は、状況の変化に対応した柔軟な決心の変更だと言えなくもないが、日和見主義的であるという批判をまぬかれることはできない。その揺れ動く決心がISに対する新たな対テロ戦争の開始につながっていったのである。
いずれにしろ、オバマ政権が決心したISの撃破は短期間では終わりそうもない。いつISを打倒できるのか将来の予測がつかない対テロ戦争に突入したことになる。残り2年の任期しかないオバマ政権では解決できず、新たな対テロ戦争は次の政権に継承されるのであろう。
5 対テロ戦争13年間の教訓
(1) 世界の紛争の原因を追究していくと二元論的な見方がその根源にあると私には思えてならない。我と彼、敵と味方、キリスト教とイスラム教、イスラム教の中で もスンニー派とシーア派など二元論的な見方が充満している。二元論はしばしば人を不寛容にするし無慈悲にするし不幸にする。イスラム国はその典型な例であ る。
我々には、自分とは違うもの例えば他者への理解、他者を認める寛容さ・度量が求められる。特に、世界各国の指導者にはそれが必須である。視野の狭い独善的なナショナリズムや排外主義は紛争の原因であり、避けるべきである。
違いを認め合いながら協調すること、共生することが大切である。特に米国、中国、ロシアなどの大国は、自らの価値観や自らのルールを他国に押し付けないことである。
(2) しかし、現実の国際情勢の中で多くの文明の衝突を目撃する。例えば、異文明に対する敵意をむき出しにするイスラム原理主義集団やウクライナ紛争などは典型 的である。次に問われるべきは、これらの現実的な紛争にいかに対処するかであるが、脅威の度合い及び紛争の態様に応じて現実的に対処せざるを得ない。
例えば、現在大きな脅威になっているイスラム国の様な残忍で自分たちの考え以外の考えを一切拒否し殺害を繰り返すような組織をイスラム教に基づく組織として認めることはできない。単なる殺人集団であり、排除すべきである。
彼らが装備する武器、部隊運用の巧みさなどを考慮するとこちらも武力で対処せざるを得ない。その際に、これらの諸問題の解決に際し、米国にのみに頼ることは不適切である。米国を支える同盟国、友好国などの有志連合で対処することが不可欠である。
(3) 我々がアフガニスタンやイラクで目撃したことは、軍事力による政権の打倒や破壊は可能でも、国家の再建は非常に難しいという事実である。オバマ大統領が ウェストポイントで主張した「第2次世界大戦以来、我々が高い代償を払った失敗は、自制をすることなく、結果を考えないで、国際的な支持と行動に対する適 法性を確保することなく、払うべき犠牲について国民に伝えることなく、進んで軍事的冒険に突入したことに起因する」という指摘は妥当である。
安易に軍事力を使用してはいけない。軍事力の使用は最終的な手段であり、軍事力を使用する際には国際社会が認める大義が必要であることを肝に銘じるべきである。特に地上戦力(陸軍、海兵隊)の投入は最後の最後にすべきである。
(4)その国の国民以外誰もその国の将来に最終的な責任を負うことはできない。脆弱な諸国(fragile states)の再建は困難であるが、当該国以外の他国がその再建を一方的に担うことはできない。
現在、世界中で活発に活動するアルカイダとその関連組織(IS、タリバン、アルカイダ、ボコハラム、アル・シャバブなどの)の活動拠点となっている脆弱諸 国(イラク、アフガニスタン、イエメン、ソマリア、リビア、パキスタンなど)に対して、9・11以来多大の戦後復興の努力がなされてきたが、所期の目的を 達成していない。投資した資金に比較して成果がマッチしていない。それほどに脆弱国の再建は難しいのである。
(5) ハンチントンの指摘である「日本文明は、一国のみで文明を形成する家族を持たない文明であり、日本は米中対立の中でどっちつかずの迷いを見せて孤立する危 険性がある。また、米国と日本との関係は、米国が欧州の同盟国との間で築いているような、打ち解けた、思いやりのある親しいものであったことはないし、こ れからもそういう関係が築けるとは考えにくい」を肝に銘じ、日本は覚悟して主体的に自らの未来を切り開くべきである。
その一方で、自衛隊が海外での活動で示してきたように、他国の宗教・風俗習慣・価値観などを認め、受容し、謙虚かつ真摯にそれに対応する姿勢を貫くことが世界の模範となる。その寛容で誠実な姿勢を貫き通すべきである。
(6)軍人としてのあるべき姿=真のシビリアン・コントロールとは
イラク戦争を主導していったのがブッシュ大統領とネオコンであるディック・チェイニー副大統領、ドナルド・ラムズフェルド国防長官、ウォルフォ・ヴィッツ国防副長官であった。政治家、実業家、学者であった。
一方、イラク戦争に反対したのがコリン・パウエル国務長官、リチャード・アーミテージ国務副長官であり、両者ともに軍人出身である。パウエル氏は、黒人と して初めて統合参謀本部議長として、ブッシュパパの湾岸戦争の時に手腕を発揮した生粋の軍人出身であり、アーミテージ氏も海軍出身の元軍人である。
現在のデンプシー統合参謀本部議長もまた将来の明確な見通しのない軍事力の使用について常に反対する立場でオバマ大統領を補佐している。オバマ大統領が問 題解決のための軍事力特に陸軍の使用について消極的なのは本人の信念であると共にマーティン・デンプシー統合参謀本部議長の助言も大いに影響をしている。
なぜ、これら軍人が安易な軍事力の使用に反対するのか。答えは簡単で、真の軍人ほど軍隊の可能性と限界、戦争の悲惨さを知っているからである。
6 結言
米国の13年間にわたる対テロ戦争は成功したとは言えない。そしてその原因の中で特に大きな原因がジョージ・W・ブッシュ大統領のイラク戦争にあったと記述してきた。
無謬の人はいないし、無謬の国家も存在しない。人は時に状況判断を誤るし、国家もまた状況判断を誤る。大切なことは、状況判断を誤ったならばそれを速やかに認め、訂正することである。
しかし、9・11以降の米国はそうすることができなかった。そのために、全世界においてイスラム過激派たちの無法行動を許し、ロシア・中国などの米国中心の世界秩序に反対する諸国の反米的行動を招くことになったのである。
イラク戦争以降、世界において「米国は世界秩序の守護者なのか?破壊者なのか?」という議論が湧き上がったが、多くの人々が「ブッシュ大統領はやりすぎた」と思っている。
あまりにも好戦的なブッシュ大統領を反面教師にしたオバマ大統領に対しては「言葉だけで、あまりにも行動しない。対テロ戦争を遂行する最高指揮官の自覚に欠ける」と批判する声が多い。
世界最強の米国の大統領には世界の厳しい目が向けられ、最善の決心と行動が求められるのである。オバマ大統領には今後の適切なISなどへの対処を期待したい。
注1:ズビグネフ・ブレジンスキー(Zbigniew Brezinski)は、カーター大統領の国家安全保障担当の大統領補佐官を務め、米国を代表する戦略家である。彼のブッシュ大統領批判は極めて厳しいものであるが、多くの米国人も彼の意見に同調するであろう。
注2: ズビグネフ・ブレジンスキー(Zbigniew Brezinski) ,“SECOND CHANCE (Three Presidents and the Crisis of American Superpower) ”の日本訳「ブッシュが壊したアメリカ」、徳間書店、P173
注3:同上P25
注4:同上P166
注5:同上P172
注6:同上P182
注7:Samuel P. Huntington, “THE CLASH OF CIVILIZATIONS AND THE REMAKING OF WORLD ORDER” ,The Free Press, P13
注8:サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突」、鈴木主税訳、集英社、P21
注9:サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突と21世紀の日本」、鈴木主税訳、集英社、P85~P86
注10:Samuel P. Huntington, “THE CLASH OF CIVILIZATIONS AND THE REMAKING OF WORLD ORDER” , The Free Press, P311~312
注11:サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突」、鈴木主税訳、集英社、P21
注12:「ブッシュが壊したアメリカ」P172
注13:The National Intelligence Council 発行の“Global Trends 2030”
注14:「ブッシュが壊したアメリカ」P175
注15:Robert M. Gates,“DUTY”, P557
注16:Robert M. Gates,“DUTY”P512
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42291
大陸の動乱と遣唐使の廃止
2014/09/21 草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN
平安朝では学問も進み、戦乱の続く中国大陸から学ぶべきものは残っていなかった。
■1.「菅原道真が提唱した遣唐使廃止の理由」
平安時代を支えた藤原氏の英智」[a]では、天変地異がうち続く中でも、人口増を支えた藤原氏の奮闘を描いたが、内乱のうち続く大陸との縁を切って、遣唐使を廃止したことも英断の一つであった。
自由社の歴史教科書は「9世紀に入ると唐がおとろえた。朝廷は菅原道真の意見を取り入れて、894(寛平6)年に遣唐使を廃止した」と述べ、「菅原道真が提唱した遣唐使廃止の理由」と題するコラムで、次のような理由を挙げている。[1,p68]
(1) 中国では内乱が続いている。
(2) 遭難が多く、国家有為の人材を失う。
(3) 日本と唐の文化は対等で、もはや学ぶべきものはない。
(4) いつのまにか朝貢のようにあつかわれており、国の辱(はずかしめ)である。
(「菅家文集」より)
遣唐使廃止は、わが国の文化的独立を象徴する歴史的な事件であり、その廃止を提唱した菅原道真の説明を記載している点は優れた配慮だが、ここの所はもう少し背景の説明が必要だ。
■2.「唐や新羅の商船を利用して」
同じ遣唐使廃止を東京書籍版はこう説明する。
東アジアの変化と遣唐使の廃止 その後も多くの僧が、唐や新羅の商船を利用して日本と唐との間を行き来しましたが、唐では国内が乱れ、9世紀にはその勢力が急速におとろえたため、日本は長く続けてきた遣唐使を廃止しました。
唐は10世紀のはじめにほろび、やがて宋が中国を統一しました。同じ頃、朝鮮半島では高麗(コリョ、こうらい)がおこり、新羅をほろぼしました。
日本は、宋や高麗とは正式な国交を結びませんでしたが、両国の商人の活動を通じて、文物を輸入しました。[2,P42]
自由社版よりはやや精しく中国大陸や朝鮮半島の情勢が書かれているが、よく読むと、巧みなトリックによる偏向記述が隠されている。
「多くの僧が、唐や新羅の商船を利用して日本と唐との間を行き来し」たというのは、事実だが、その後、遣唐使廃止の文を続けているために、あたかも遣唐使も「唐や新羅の商船」を使ったかのように誤解してしまう中学生もいるだろう。
遣唐使船が日本の船である事は、Wikipediaの「大阪住吉の住吉大社で海上安全の祈願を行い、海の神の『住吉大神』を船の舳先に祀り」という記述[3]からも明らかである。
そもそも大和朝廷は、すでに3百年以上前の663(天智2)年に、朝鮮半島の白村江の戦いで400隻もの軍船を送っているほどの造船・操船技術を持っていた。[b]
なのに「多くの僧が、唐や新羅の商船を利用して」というのは、大陸や半島の戦乱から国内を守るために、大和朝廷が半鎖国政策をとって、日本の商船の渡航を禁じていたからである。
■3.戦乱うち続いた中国大陸と朝鮮半島
東書版では「唐では国内が乱れ」「宋が中国を統一しました」とか、「朝鮮半島では高麗(コリョ、こうらい)がおこり」などと、さも平和的な政権交代が起こったかのように記述しているが、当然、王朝交代には激しい戦乱がつきものであった。
唐は907年に滅びたが、その末期には859年、868年と内乱が続き、874年から884まで10年も続いた黄巣の乱は全国に波及した。菅原道真が遣唐使廃止を提唱した理由の第一に「中国では内乱が続いている」とあるのは、この事である。
唐の滅亡後は、907年から960年の半世紀もの間、華北では5つの王朝が興っては滅び、また華中、華南では10カ国もの地方政権が割拠したため、この時代を「五代十国時代」と呼ぶ。
一方の新羅は唐との対立から長らく日本に従属し、朝貢する関係にあった。752(天平8)年には新羅王子が7百余名もの新羅使を伴って朝貢した。しかし、その北に渤海が興り、唐との戦いを始めると、新羅は唐に接近して、渤海を攻撃する。
唐との関係が良くなると、新羅は日本に無礼な態度をとったり、また国内が混乱すると、慇懃な態度に戻ったりと、その節操なき外交姿勢は現在の韓国・北朝鮮と同様であった。
そして新羅の国内情勢が悪化すると、人民の一部が日本に亡命してきたり、賊と化して対馬や博多を襲ったりした。朝廷は842年に新羅人の入国を禁じ、流民は食料を与えて帰国させ、商人は交易終了後、直ちに帰国させることを命じた。[3,p150]
内乱が続く中で、892年に南西部に後百済が興り、901年には北部で後高句麗が建てられて、3国が争う時代に入る。そして後高句麗が政変により高麗となり、後百済、新羅を亡ぼして、ようやく半島を統一したのは936年であった。
10世紀前半は大陸も半島も、このような戦乱の最中にあった。
大和朝廷が、遣唐使をやめ、半鎖国状態をとったのは、こういう国際情勢からだった。平安時代には、まさに平安のうちに国風文化が花開いたが、その結果から見ても半鎖国政策は正しかったと判断しうる。
■4.宋から輸入品
東書版は、遣唐使廃止後も「両国の商人の活動を通じて、文物を輸入しました」という。あいかわらず「先進地域から文明を学んだ」というふうに読めてしまうが、実際はどうだったのか。
大陸で群雄割拠した10国のうち、揚子江の下流、東シナ海に面した呉越国は他国よりも平和だったために産業や文化が発達し、海外貿易も盛んで、わが国にも936(承平6)年以降、数回使者を送ってきた。
また、この地方に960年、宋王朝が興り、半世紀ぶりに大陸を統一した。
宋の商船はしきりにわが国に来航して、12世紀の半ばまでの約2百年間に70回以上に達した。朝廷は宋船の来航を制限する法令も出したが、貿易の利益を狙う宋の商人は太宰府の管理する博多港をさけ、越前の敦賀などに密入国までした。
日本が「文物を輸入した」というのは史実の半面で、日本からの輸出品で大儲けできるから、多くの宋船がやってきたのである。宋の商人が持ってきたのは、絹織物、香、薬品、陶器、文房具、書籍など、平安貴族が珍重する贅沢品が多かった。
輸入されたのは中国の文物に限らない。ペルシャ産のガラス器やインド、東南アジアからの香木、染料、薬物なども唐を経由して輸入された。宋は当時の国際貿易ネットワークの中心であった。
宋の商人から輸入したと言っても、「中国の進んだ文物を輸入した」とだけ理解しては一面的である。
また、東書版は何かと朝鮮を引き合いに出す習性をここでも見せて、わざわざ高麗商人の活躍も記載している。
しかし、たとえば『日本全史』は「古代世界を結ぶ物流のネットワーク 輸入された文物」という見開き2ページの記事で、世界各地からの様々な舶来商品を紹介しているが、そこには朝鮮産の商品は登場しない[4,p150]。
朝鮮は地理的な利点から仲介貿易には関わっても、平安貴族が珍重するような文化財は産出していなかったようだ。
■5.宋の商人が求めたもの
一方、宋の商人がわが国に求めたのは、金・銀・硫黄・水晶などの鉱産物、絹、布などを中心として、金銀蒔絵(まきえ)、漆器類、扇・屏風・刀剣などの工芸品も珍重された。日本が一方的に「文物を輸入」したのではなく、互いの文化財を交換したのである。
1073(延久5)年、宋の第六代皇帝・神宗は、渡来していた日本僧の帰国に際して、大和朝廷あての正式の国書と贈り物を持たせて、国交を開こうとした。しかし朝廷は国交再開には消極的だった。
宋との貿易は貴族の珍重する贅沢品が中心で、これ以上、拡大しても国益が増進するはずもなく、また宋が統一したとはいえ、いつまた動乱に戻るかも知れない大陸に関わっては、国内の平和が脅かされる恐れもあったからだろう。
日宋貿易とは言っても、宋の方が熱心で、日本の方が消極的だったという史実を見れば、「文物を輸入しました」というより、「日本の文物を求めて、朝廷の半鎖国政策もものともせずに、宋や高麗の商船がやってきました」と書いた方が正確だろう。
■6.日本から仏典を逆輸出
遣唐使廃止の理由の第3に「日本と唐の文化は対等で、もはや学ぶべきものはない」という点も、国史を学ぶ上で重要なポイントだ。國學院大學名誉教授の樋口清之氏は『うめぼし博士の逆・日本史3』で、こう語っている。
遣唐使制度が始まってからわずか十数回も往復しただけで、平安初期には、すでに中国の文化・文物の大部分が日本に輸入されてしまう。仏教経典の全集という べき大蔵経も来てしまった。大蔵経とは、三蔵法師が天竺(インド)から中国へ持ち帰って漢訳した仏典のことである。[5,p105]
日本があらかたの仏典を持ち帰ったのに対して、中国では五代十国の戦乱で、多くの文献が失われたようで、宋代に渡った日本人僧は逆に多くの書籍を持っていった。
1003年(長保5)年に入宋した天台宗の僧寂照(じゃくしょう)も多くの書物を持っていったが、そのうちにも宋ではもはやみることのできなくなったものもあって、その一部はかの地の僧の手によって出版されたという。
成尋(じょうじん)は天台宗や真言宗関係の経典6百巻以上をたずさえて渡宋したが、これもかの地では貴重なものであったらしく、神宗に献上されている。[5,p155]
■7.中国以上に進んでいた我が国の仏教学
半世紀もの戦乱で多くの書物が失われたということは、焼かれた寺や殺された僧も多かったであろう。そんな動乱の中で仏教研究が進むはずもない。
逆に平和な日本では、買い集めた仏典で研究に没頭することができた。宮内庁書陵部の橋本義彦氏は日本の僧が入宋に際して、書物を持っていった事に関して、こう述べている。
こうしたことは唐代までは見られなかったできごとで、わが国の仏教学が中国と対等、あるいはそれ以上の地位まで進んだことを語っている。[5,p155]
その実例として氏は、源信(942-1017)の著した「往生要集」が中国に送られ、多いにもてはやされた、という事実を挙げている。
また、上述の成尋の旅行記では、多くの学僧と会った話はあるが、教えを受けた様子はなく、かえって法華経の講義をしたことが書かれている。[5,p156]
寂照は宋に在ること三十余年でかの地に没したが、その間第3代の皇帝真宋をはじめ朝廷の人々に深く敬愛されたという。[5,p157]
しかし、それではなぜ日本僧たちは、はるばる波濤を超え、危険を冒して大陸に渡ったのか。彼らの目的は中国仏教の研究や、典籍の輸入ではなく、天台宗の根本道場である天台山に詣でたり、文殊菩薩があらわれるという霊場五臺山に巡礼することだった。
たとえて言えば、中世以降の欧州のキリスト教徒が聖地エルサレムに巡礼をするようなもので、そこで何を学んだかという事よりも、苦難を乗り越えて、そこに行く事自体が修行だった。その求道心は立派である。
■8.大陸で活躍した日本人
大陸に渡って活躍した日本人を見ても、日本の文明の程度がすでにひけを取るものではなかった事が分かる。
弘法大師・空海は804(延暦23)年に遣唐使の一員として入唐した。船が目的地のはるか南の福州に到着した為、地方の役人が怪しんで都への出発許可を与えない。
空海は遣唐大使の代理として福州観察使への手紙を書いたが、観察使はあまりに見事な漢文に驚き、ただちに疑いを捨てて、出発を許した。[6,p107]
長安ではインド仏教の流れを伝える最後の高僧・恵果阿闍梨(けいかあじゃり)に巡り会った。死期の迫っていた恵果は空海を見るや「われ先より汝の来たるを知り、相待つこと久し」と喜び、
千人以上もいた弟子たちを差し置いて、ただちに密教の秘法をすべて空海に授けた。こうしてインド密教の正統は、日本に伝えられたのである。[6,p117]
留学生として有名なのは、奈良時代、717(養老元)年に入唐した阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)である。唐で科挙に合格し、高官にまで出世し、李白や王維ら当時一流の文人たちと交際し、彼らに引けをとらない漢詩をつくっていたという。
在唐35年にして、一度は帰国を許されて遣唐使の帰国船に乗り込んだが、ベトナム中部に漂着し、唐に戻った。帰国船に乗り込む前の送別会で、王維ら友人を前にして日本語で詠ったとされているのが、百人一首に選ばれている次の歌である。
天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも
同じ天の原の月に照らされている、はるか郷里の山を偲ぶ切々とした望郷の思いが伝わってくる。こういう歌で、遣唐使として渡唐し異境に客死した先人の心を偲ぶことは、中学生の情操教育にも良いだろう。
(文責:伊勢雅臣)
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-6281.html
◆カタカナの起源
日本は奈良の僧徒たちが、仏典の漢文訓読のために補助的な符号として用い始めたものが発達を遂げ、今のカタカナへと発展しました。
僧 徒たちは、漢文の助詞や送り仮名を行間や字間など狭い場所に書き込むために字画が少ないことが必要で、漢字の一部だけをとったもので出来るだけ字画を省略 していました。しかし、省略の仕方が一定せずに多くのバリエーションが生じていたのが、平安時代の中期になって字体が統一されて今日の「カタカナ」になっ たのだそうです。
仏教関係の文書など、実用を旨として美的な表現を目的としないものだけに使われていたようですね。
現行のカタカナの字体は1900年(明治33年)の「小学校令施行規則」で確定しています。
朝鮮語は15世紀半ばまでそれを表記する固有の文字を持たず、口訣(こうけつ)・吏読(りとう)など漢字を借りた表記法により断片的・暗示的に示されてきました。
当然難しい漢字を崩して簡略的に書いていたということで、日本も同様です。
しかし李氏朝鮮では漢文は両班のみに留まり、中、下級官吏は漢字の音と訓を利用して朝鮮語を表記する吏読(りとう)方式でした。
吏読では名詞・動詞語幹などの実質的部分は主に漢語が用いられ、文法的部分に吏読が主に用いられます。
より簡略に書こうとすれば、当然日本がカタカナを作る段階の簡略化と似たものになって当然です。
ですから、カタカナの起源が朝鮮半島というのは全く見当違いです。朝鮮では、むしろ難しすぎて漢字を使いこなせなかったために、いい加減な文字で誤魔化していたと言うことになります。
両班以外は教育すらされず、この出来損ないの簡略漢字すら知らなかったのです。
◆太秦と秦氏
ブログ「服部堂」より
京都の西に太秦(うずまさ)という所がある。
国宝で知られる弥勒菩薩半跏思惟像というとても
綺麗な仏像がある広隆寺の前の交差点の名前だ。
その太秦には伊佐良井(イサライ)という地名がある。
「扶桑京華志」(寛文5年 松生元敬著)に
「伊佐良井 太秦村ニ在リ。深ノ事ハ知レザル和歌有リ」と
書いてある。
太秦の地名の由来は、古代ユダヤ古代ヘブライ語の「ウズ」(光)、
「マサ」(賜物)が語源であるなど諸説あるが、太秦=聖徳太子+秦氏と
なっているのにも大きな意味がありそうだ。
太秦にある広隆寺は、秦氏と聖徳太子を結びつける重要な寺だ。
ちなみに僕は数年前に広隆寺に呼ばれ、1日中仏像の前で
瞑想したことがある。
秦氏と広隆寺のつながりは以下の通りである。
1.広隆寺
太秦にある広隆寺は、渡来人系の豪族秦氏の氏寺であり、
太秦寺という別名がある。建立したのは秦河勝
2.弥勒菩薩
広隆寺の弥勒菩薩(国宝 宝冠弥勒)は新羅から渡来したものと
言われている。秦氏は渡来人である。
3.十戒
古代ユダヤのモーセの十戒・・・ユダヤ期限の秦氏とのつながりがある。
聖徳太子と広隆寺のつながり
1.広隆寺
広隆寺の本堂 上宮王院太子殿の本尊は聖徳太子像である。
2.弥勒菩薩
広隆寺の弥勒菩薩(泣き弥勒)。
「宝冠弥勒」と同様のポーズをとるが、やや小さい。
日本製と言われている。・・・聖徳太子を模したと言われている。
3.十善戒
広隆寺の十善戒・・・聖徳太子
ここで、十戒と十善戒を比較してみる。
広隆寺の十善戒とモーセの十戒
広隆寺の十善戒 モーセの十戒
不殺生 (殺さない) 殺人をしてはいけない
不偸盗 (盗まない) 盗んではいけない
不邪淫 (邪淫しない) 姦淫をしてはいけない
不妄語 (嘘をつかない) 偽証してはいけない
不慳貪 (欲張らない) 隣人の家をむさぼってはいけない
不両舌 (二枚舌を使わない) ヤハウェが唯一の神である
不綺語 (お世辞を言わない) 神の名を徒らに取り上げてはならない
不瞋恚 (怒らない) 安息日を守る
不悪口 (悪口を言わない ) 父母を敬う
不邪見 (不正な考えをしない) 偶像を作ってはならない
(偶像崇拝の禁止)
十善戒は聖徳太子に縁のある広隆寺の境内に書いてある。 秦氏は、ユダヤ教、原始キリスト教、景教に関係があると言われている。
十善戒は聖徳太子が作ったものではなく、
古くからある仏教の教えである。
聖徳太子の十七条の憲法は肯定文で何かをするように
指示されているのに対し、十善戒は「何々するな」と
否定語で書かれている。
十七条の憲法が聖徳太子の作だとすれば、十善戒の文面は
聖徳太子に似合わない。
その十善戒が広隆寺の境内に書かれているのは、
聖徳太子以外の何者かの考えがあった事を推察させる。
いずれ明らかになることと思うが、太秦という地名に加えて
広隆寺周辺にはこうした不思議な話がたくさんある。
またいずれ訪問することになると思うが、半跏思惟像は
すばらしい作品なので、一度ご覧になっていただきたい。
http://13131313.com/archives/2011/05/%E5%A4%AA%E7%A7%A6%E3%81%A8%E7%A7%A6%E6%B0%8F.html
◆裏天皇の漢波羅秘密組織「八咫烏」とは何か?
一般的には、「日本最古の秘密結社」と言われているが
最古の歴史を誇る日本、「世界最古の秘密結社」と言えるのではないかと思う。
熊野那智本宮大社
「八咫烏」とは、生まれもって戸籍に入る事を免除され法律上は存在していない事になり、日本国民でもない。
八咫烏とは、神武天皇以前に既に奈良にいた「もう一つの天皇家」のことである。同じ天皇家だったから八咫烏から現在に繋がる天皇家への国譲りが出来た。遡ると邪馬台国の卑弥呼の時代から既に彼らはいた。
八咫烏の正体は物部氏である。物部氏とは、中国の秦始皇帝の命を受けた除福が連れてきた技術者集団であり、それが若狭湾など複数の地点から上陸してきた。そして、神武天皇への国譲り以後は裏天皇として存在を維持することになった。これが八咫烏である。
八咫烏の主な役目は何かというと、祭司にのみ関係している。祭司を教授する組織が八咫烏である。
皇太子が後を継ぐときになされる大嘗祭は京都で行われる可能性が高い。
天 皇がやるべき儀式、そして天皇の目的、天皇が将来的に何をするかという預言、それらを司るのが八咫烏である。天皇家の京都への移動も八咫烏が決めている。 もし、天皇家に男子が出生しなかった場合でも、八咫烏の家系から男子を連れてくる。(物部系の天皇に入れ代わることになる。)
神武天皇以降の天皇家は基本的には秦氏系である。ルーツはどちらもユダヤだから大きな違いは無い。
八 咫烏は現在70名いる。その上部組織は12名からなっていて、「大烏」と呼ばれている。さらに、その中で最高位に立っているのが3人の金鵄がいるという構 図である。金鵄は天皇に代わって祭司を行ってきた裏天皇であり、建国以前から日本史の秘密を全て握っている存在である。
これは、イエス・キリストの12使徒の構造と全く同じだ。
彼等は全員が「漢波羅」とよばれる迦波羅(カバラ)の達人で陰陽師でもある。
そして八咫烏(物部氏)の正体は、イスラエル12支族に属さない祭祀を司っていたレビ族の末裔=モーセの末裔になる。
イスラエル12支族の象徴の「鳥」から、一抜けて「烏(カラス)」になりイスラエル12支族からの脱退を意味する13番目に位置する支族である。
「八咫烏」とは、西洋でいうフリーメイソンのことでフリーメイソンの原型が「八咫烏」なのだ。
そして、日本は神国で、世界の雛形国。
日本が崩壊すれば、世界が崩壊すると言われているが日本を支配している裏天皇は、世界をも支配していると言える。
八 咫烏というのは物部氏だから、天皇家を裏から支えているのは物部氏ということになる。伊勢神宮の内宮や外宮を裏で支えているのは伊雑宮(いざわのみや)と いう物部系の伊勢神宮であり、京都においても天皇を守っていた下鴨神社と上賀茂神社を支えているのは物部系の河合神社である。
伊勢神宮は現在地に鎮座するまで、90年かけて候補地を転々としている。それを元伊勢(もといせ)というが、その元伊勢の中でも最重要な存在が籠神社(このじんじゃ)である。これは、特別に本伊勢(ほんいせ)とも呼ばれている。
籠神社の裏社紋がユダヤのシンボルであるダビデの星である。
物部系の神社はユダヤの旧約を守っていたから血の儀式をやっていて、牛などを生贄(いけにえ)に捧げていた。ところが、秦氏系の神武天皇の後からは血の儀式を止めるようにお触れが出て、今は何処もやっていない。
八 咫烏と対抗するために置かれたのが「忍(しのび)」である。それを造ったのが聖徳太子のブレーンとされる秦河勝である。物部氏の八咫烏に対して、秦氏は忍 を置いた。甲賀や伊賀といった忍者の里は、八咫烏の領域の真ん中辺りに置かれている。聖徳太子の正体は秦河勝であり、秦氏が忍者を創設したことになり、全 ての辻褄が合う。
八咫烏は政治を一切やらない。日本は基本的に秦氏と物部氏との間のバランスで成立してきた。物部氏は裏に回る約束だった。しかし、時々暴走する物部氏が出てくる。
「カ ゴメ唄」の本当の意味は、カゴメ唄の中にある言葉が出てきたら、日本をがんじがらめにしている封印が解ける。籠神社の宮司が口にしたら、一気に事態が進 む。まず、熱田神宮から伊勢神宮に草薙の剣が移管される。そして、三種の神器が揃った伊勢神宮は、いよいよ防衛態勢に入る。籠神社の宮司の一言があると、 その「がんじがらめの鎖」が全部外れてしまう。それは2015年以降に起きても良い。起きなければおかしい。
諏訪大社は物部系である。諏訪大社の筒粥神事(つつがゆしんじ)で、2011年は「かってない出来事が起きて、春に日本は足をすくわれる」という結果が出た。実際に起きたのが3・11の東日本大震災だった。占いでは「三分五厘」であり、主から絶たれるという意味である。
2012 年の筒粥神事は「三分六厘」だった。一厘増えたけど、これは「日月神示」のいう神一厘つまり、土壇場で大逆転をもたらす一厘である。一厘の意味が誰も分か らなかったが、いよいよ見えてくる。隠された一厘の姿が現す・2015年を境にして全てが入れ代わる。これからは日本中心に世界は動く。日本はイスラエル の三種の神器が揃っている「ユダヤの中のユダヤ」であり、聖書の民が日本人だから、当然日本中心に世界は動くことになる。
*2014年の筒粥神事は3分6厘で世相は明るい兆しが見られるという。権宮司によると「今年の前半は安定し、事を起こすなら早い方が良い。後半は石橋を叩いて渡る気持ちが必要である。」と話している。
日本の外宮にヤハウェがいる。だから、まず日本で事が起きる。そして世界に波及していく。物部氏に主権が戻る。物部氏が真実をオープンにすると日本のいろんな仕掛けが全部はじけ飛ぶ。八咫烏も象徴ではあるが世に出る。
というのが「八咫烏」の真実である。
なんともファンタジーに富んだ興味をそそられる伝承ではないか。
◆日本の武術の精神
石坂 哲朗氏(FBより)
日本の武術は他の国の格闘と異なり、技術的にも精神的にも「護る・守る・衛る」と言うものがベースにある。
そして「勝利の定義」が、ただ殺戮と言う結論に達せず大変高尚な哲学に裏付けられているのだ。
現代社会においての争いにも大変通ずるものがある。
民事事件の場合、敵の財産が移動されないうちに、仮差押を打つ。
そしてあまたの証拠をそろえ法廷での準備をして、提訴したり、準備を整えて示談交渉をしたりする。
決裂すれば裁判と言うわけだ。
悪質な相手であれば、「刑事告訴」を付加しておく。
財産を隠蔽してもこれをすることにより刑務所生活を免れる為、取り下げを条件に金を支払う。
(外堀から埋めて戦にのぞむ訳だねー)
これを武道では「布陣」と言う。
スポーツと武道の違いはまさしくここにある。
ルールに守られたゲームに勝利する事を目的とするか、社会の場で勝利する心構えを培う為に修行するものかに大きく分かれるわけである。
(みんな知っててやってるのかなー)
しかし現在心無い指導者が多く、欧米ナイズされ競技に走る「優勝至上主義」傾向は止まる事が無い。
勝って泣いたり、負けて泣いたりの御祭り騒ぎで とても武道と呼べる代物でないものが蔓延しているのだ。
国際社会における紛争は「示談」これが「外交」にあたる。
そして「民事訴訟」は「国際司法裁判所」であり、「刑事訴訟」は「軍備」に相当するものである。
「惻隠の情」を持つ我が国民の持つ裁判所でさえ常に大賑わいの中、文化を異にする外国との争いを「示談」のみに頼り「刑事罰」を放棄させられ、我が国はそれを改めず、良い外交が出来る道理が無いのだ。
( 外務省もやる気なくなってんじゃあない?)
江戸時代まで「日本刀」と言う武力を帯刀し、いつでも死ぬ覚悟で切腹の為の「脇差」を持ち歩き、毅然とし礼儀を重んじ交渉をする凛とした武士の姿。
この様な血の通っている我が大和民族が侵略戦争など起こす事は皆無である。
いい加減外国から押し付けられたまやかしの歴史観を捨去り目覚めの一歩を踏み出す事。
これが私流の「武術の真髄」の序章である。
櫻満開の中こんな話の花も咲かせて頂きたいと切望する。
( いしざか てつろー )
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◆ 『君が代』
『君が代』の原歌は古今和歌集の賀歌に出てきますね。
長寿を祈る歌です。
「私の敬愛する人よ、
千年も八千年も、
小さな石が巨岩となって、
さらにその表面を苔が覆うように
なるまでの永い歳月を、
どうか息災でいて下さい」
という、君が代の「君」…
つまり、親、兄弟、恋人、仲間など、
『愛する人の長寿』を願う歌です。
これのどこが軍国主義の象徴なのか?
日教組の石頭に説明して欲しいですね。
◆日本神話よ復活してくれ!
イギリスの高名な歴史学者「アーノルド・J・トゥインビー」は「12・13歳までに自国の神話を学ばなかった民族は例外無く滅ぶ」と述べている。
誰が「日本神話を奪ったか知ってますか?」それは「連合国総司令部GHQ」です。日本人の凄まじいばかりの精神性の高さに恐れを成したGHQは「神道指 令」を発令し「宗教、神話としての神道」を奪い去りました。「古事記」「日本書紀」を「史実ではなく非科学的だ」と教えさせる事を止めさせた。「ア レ〜ッ」実に変だ。GHQの中心的国家米国は大統領の即位式に、今でも聖書に手を置き宣誓する。その聖書は史実で科学的なのか?ノアの箱船、マリア処女生 誕と奇跡のオンパレード、とても史実、科学的とは思えない。ダブルスタンダードも甚だしい。
かと言ってGHQ、米国が悪いとは思っていない。負けた国を貶めるのは当たり前。ましてや高貴なる日本民族の精神破壊は徹底せざるを得なかっただろう。敗戦後70年近くも「邪悪な破壊工作」を、そのまま受け入れる現在の日本人の問題だと個人的に思う。
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◆【日本はなぜ世界の奇跡なのか。日本の素晴らしさを語れる日本人になろう】
さくらの花びらの「日本人よ、誇りを持とう」より
「天壌無窮(てんじょうむきゅう)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
台湾で医学と教育学の博士号を持ち、台湾の元国会議員であった許國雄(きょこくゆう 1922~2002)さんが、平成9年に東京の教育会館で挨拶をされた時に「日本人の大切な忘れもの」としていきなり「天壌無窮の神勅」を朗誦しました。
豊 葦原(とよあしはら)の千五百秋(ちいほあき)瑞穂の国は、是(これ)、吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり。よろしく爾皇孫(いま しすめみま)、就(ゆ)きて治(しら)せ。さきくませ。宝祚(あまつひつぎ)の隆(さか)えまさむこと、当(まさ)に天壌(あめつち)と窮(きわまり)り なかるべし。
この朗唱には会場の方々が大変驚きました。戦前の修身の教科書にはこの神勅が書かれており、昔の小学生は読んでいましたが、戦後日本人はほとんど知りません。
戦前教育の日本人の方もすっかり忘れていたことを台湾人の許さんが暗誦したのです。許さんはこう続けました。
「い かなる国でも国家の永続性を願うものだ。秦の始皇帝も万代に続くことを念じていたが二代で終わってしまった。ヒトラーも『ドイツ民族数千年の将来は約束さ れた』と豪語していたが11年で滅びた。マルクス・レーニン主義のソ連は千年の共産社会と呼号していたが74年で消滅した。
世界史を眺めれば、漢は前漢と後漢を合わせて400年、唐は300年、明も清も300年。朝鮮には高麗や李氏朝鮮のように500年を保った。ヨーロッパにもいくつかある。
しかし、彼らは日本の天皇朝の永続性にははるかに及ばない。これは『神勅』にあるようにまさに『天壌無窮』なのだ。世界の奇跡と言ってもよい。なぜ日本だけがそのようなことが起こったのか」とお話をされました。
日本は初代神武天皇即位から今年は2674年(皇紀)。125代の皇統が連綿と続いているのです。しかも万世一系の男系です。これは日本が誇る「世界の奇跡」だと断言されているのです。
ご存知の通りかつて満州国がありました。その皇帝・溥儀は昭和10年4月に日本を訪問する時に、日本の戦艦・比叡に乗り、三隻の軍艦に護衛されて横浜に入港、その時に帝国海軍の艦艇70隻が溥儀の目の前で演習し、溥儀は痛く感激したのです。
天皇陛下と明治神宮に参拝し、とりわけ溥儀を感動させたのは貞明皇后の温かいおもてなしでした。日本訪問で君民一体の国柄と皇室の伝統と気品と威厳に魅せられて、満洲に帰国後もその感動はおさまらなかったといいます。
そ の溥儀が戦後、東京裁判で「満洲の責任はすべて日本にある」「自分は日本の傀儡だった」とソ連監視下のまま発言し、撫順戦犯収容所ではシナ共産党の思想改 造や人間改造を受け入れ、生きのびるために自身を家畜の如く振舞う姿は、かつて王座にあった気品も威厳のかけらも見られませんでした。
これは終戦の昭和天皇の態度とは全く違いました。昭和天皇は戦争の責任をわが身が負い、自分の命とひきかえに多くの日本国民を救う覚悟でマッカーサーと対峙されました。マッカーサーは勝者でありながら、陛下の気迫におされ、圧倒されたのです。
「今回の戦争の責任は私にある。そして日本人は今飢えている。私はどうなってもかまわないが将軍の力で日本国民を救ってほしい」。
日本はなぜ「天壌無窮」であるのか、陛下はつねに身をもって示されているのです。
http://blogs.yahoo.co.jp/bonbori098/33134298.html
日本人が知らない日本のアイデンティティー
玉鋼(たまはがね)は、日本刀などに使われる鋼で、飛鳥時代の釘なども玉鋼だそうです。
今 の鉄は、近代になって西洋から伝えられた製鉄法(鉄鉱石を高温のコークスで溶かして作る)で作られます。これに対し玉鋼は、砂鉄を木炭を使って低温で還元 して製鉄する「たたら製鉄」という方法で作られます。低温で製鉄することにより不純物が鉄の中に混ざりにくく、中から錆びてこないのだそうです。
西岡棟梁が「今の鉄は百年しかもたない」というのは、このことです。それに対し、かつて法隆寺などに使われた釘は、千年もっています。素晴らしい伝統の技です。
いま、薮田絃一郎著「ヤマト王権の誕生」が密かなブームになっていますが、それによると大和にヤマト王権が出来た当初は鉄器をもった出雲族により興 されたとの説になっています。
そうすると、がぜんあの有名な山陰の青銅器時代がおわり日本海沿岸で四隅突出墳丘墓が作られ鉄器の製造が行われたあたりに感心が行きます。
当時は、西谷と安来-妻木晩田の2大勢力が形成され、そのどちらかがヤマト王権となったと考えられるのですがどちらなんだろうと思ったりもします。
西谷は出雲大社に近く、安来は古事記に記されたイザナミの神陵があるので神話との関係にも興味がわいてきます。
海外の方と多く接すると、みなさん日本文化ってわかりにくいという。よくよく聞くと、一般的日本人が自国の歴史を教養として持っておらず、日本人のアイデ ンティティーがつかみにくいのだそうだ。日本文明を自覚しながら世界的活躍をされている日本人の瑞々しい感性を、海外の人達は求めているのでしょう。
戦後の日本はGHQによって思想の改革や焚書など、ありとあらゆる形で日本文化を否定されてきたために、日本人が自分の国の歴史を正しく勉強することを阻害されてきました。メディアしかり、日教組しかり。それが現代でも延々と続いているのです。
日本の大学から地政学科が消え、日本が世界においてどのような役割を持ち、どれほどの影響力を持っているかなど、またその原因は日本人としての知らず知らずに受け継がれてきた伝統や技術やその思考経路なども、突き詰めて考えることも今はありません。
しかし、東日本大震災でも世界が感じたように、もし日本が無かったならば、世界経済やモノの生産がどれほど甚大な影響を受けるかが良く分かっただろうと思 います。それを、肝心な日本人自体が自覚していません。また、その日本人のアイデンティティーがどこから来るものなのかを、分かっていないのだろうと思い ます。
口では、日本の政府に歴史の検証を求めながら、自分自身では何一つ進んで知ろうとして来なかった、戦後ずっと続いた他人任せの気風が今も続いているからに他なりません。これこそがGHQの思う壺といったところでしょう。
現代になって若い女性達が日本の立場や、特亜と米国の日本に対する理不尽なまでの破壊に目覚め立ち上がったように、次々と新しい動きが芽生えて来ました。 言い過ぎかも分かりませんが、まさに母性の持つ民族の種に対する本能と言いましょうか危機感が、女性の方に強いのだろうと思います。それに引き替えなんと 草食男性の多さよと嘆いている暇はもう今の日本には無いのだろうと思います。
日本の国の素晴らしさ、日本人のもって生まれたアイデンティティーを良く知り、日本人の誇りと伝統を受け継ぐことが、また日本という国の繁栄に繋がり復興の狼煙となることを信じます。
目覚めよ日本!
2014/09/21 草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN
平安朝では学問も進み、戦乱の続く中国大陸から学ぶべきものは残っていなかった。
■1.「菅原道真が提唱した遣唐使廃止の理由」
平安時代を支えた藤原氏の英智」[a]では、天変地異がうち続く中でも、人口増を支えた藤原氏の奮闘を描いたが、内乱のうち続く大陸との縁を切って、遣唐使を廃止したことも英断の一つであった。
自由社の歴史教科書は「9世紀に入ると唐がおとろえた。朝廷は菅原道真の意見を取り入れて、894(寛平6)年に遣唐使を廃止した」と述べ、「菅原道真が提唱した遣唐使廃止の理由」と題するコラムで、次のような理由を挙げている。[1,p68]
(1) 中国では内乱が続いている。
(2) 遭難が多く、国家有為の人材を失う。
(3) 日本と唐の文化は対等で、もはや学ぶべきものはない。
(4) いつのまにか朝貢のようにあつかわれており、国の辱(はずかしめ)である。
(「菅家文集」より)
遣唐使廃止は、わが国の文化的独立を象徴する歴史的な事件であり、その廃止を提唱した菅原道真の説明を記載している点は優れた配慮だが、ここの所はもう少し背景の説明が必要だ。
■2.「唐や新羅の商船を利用して」
同じ遣唐使廃止を東京書籍版はこう説明する。
東アジアの変化と遣唐使の廃止 その後も多くの僧が、唐や新羅の商船を利用して日本と唐との間を行き来しましたが、唐では国内が乱れ、9世紀にはその勢力が急速におとろえたため、日本は長く続けてきた遣唐使を廃止しました。
唐は10世紀のはじめにほろび、やがて宋が中国を統一しました。同じ頃、朝鮮半島では高麗(コリョ、こうらい)がおこり、新羅をほろぼしました。
日本は、宋や高麗とは正式な国交を結びませんでしたが、両国の商人の活動を通じて、文物を輸入しました。[2,P42]
自由社版よりはやや精しく中国大陸や朝鮮半島の情勢が書かれているが、よく読むと、巧みなトリックによる偏向記述が隠されている。
「多くの僧が、唐や新羅の商船を利用して日本と唐との間を行き来し」たというのは、事実だが、その後、遣唐使廃止の文を続けているために、あたかも遣唐使も「唐や新羅の商船」を使ったかのように誤解してしまう中学生もいるだろう。
遣唐使船が日本の船である事は、Wikipediaの「大阪住吉の住吉大社で海上安全の祈願を行い、海の神の『住吉大神』を船の舳先に祀り」という記述[3]からも明らかである。
そもそも大和朝廷は、すでに3百年以上前の663(天智2)年に、朝鮮半島の白村江の戦いで400隻もの軍船を送っているほどの造船・操船技術を持っていた。[b]
なのに「多くの僧が、唐や新羅の商船を利用して」というのは、大陸や半島の戦乱から国内を守るために、大和朝廷が半鎖国政策をとって、日本の商船の渡航を禁じていたからである。
■3.戦乱うち続いた中国大陸と朝鮮半島
東書版では「唐では国内が乱れ」「宋が中国を統一しました」とか、「朝鮮半島では高麗(コリョ、こうらい)がおこり」などと、さも平和的な政権交代が起こったかのように記述しているが、当然、王朝交代には激しい戦乱がつきものであった。
唐は907年に滅びたが、その末期には859年、868年と内乱が続き、874年から884まで10年も続いた黄巣の乱は全国に波及した。菅原道真が遣唐使廃止を提唱した理由の第一に「中国では内乱が続いている」とあるのは、この事である。
唐の滅亡後は、907年から960年の半世紀もの間、華北では5つの王朝が興っては滅び、また華中、華南では10カ国もの地方政権が割拠したため、この時代を「五代十国時代」と呼ぶ。
一方の新羅は唐との対立から長らく日本に従属し、朝貢する関係にあった。752(天平8)年には新羅王子が7百余名もの新羅使を伴って朝貢した。しかし、その北に渤海が興り、唐との戦いを始めると、新羅は唐に接近して、渤海を攻撃する。
唐との関係が良くなると、新羅は日本に無礼な態度をとったり、また国内が混乱すると、慇懃な態度に戻ったりと、その節操なき外交姿勢は現在の韓国・北朝鮮と同様であった。
そして新羅の国内情勢が悪化すると、人民の一部が日本に亡命してきたり、賊と化して対馬や博多を襲ったりした。朝廷は842年に新羅人の入国を禁じ、流民は食料を与えて帰国させ、商人は交易終了後、直ちに帰国させることを命じた。[3,p150]
内乱が続く中で、892年に南西部に後百済が興り、901年には北部で後高句麗が建てられて、3国が争う時代に入る。そして後高句麗が政変により高麗となり、後百済、新羅を亡ぼして、ようやく半島を統一したのは936年であった。
10世紀前半は大陸も半島も、このような戦乱の最中にあった。
大和朝廷が、遣唐使をやめ、半鎖国状態をとったのは、こういう国際情勢からだった。平安時代には、まさに平安のうちに国風文化が花開いたが、その結果から見ても半鎖国政策は正しかったと判断しうる。
■4.宋から輸入品
東書版は、遣唐使廃止後も「両国の商人の活動を通じて、文物を輸入しました」という。あいかわらず「先進地域から文明を学んだ」というふうに読めてしまうが、実際はどうだったのか。
大陸で群雄割拠した10国のうち、揚子江の下流、東シナ海に面した呉越国は他国よりも平和だったために産業や文化が発達し、海外貿易も盛んで、わが国にも936(承平6)年以降、数回使者を送ってきた。
また、この地方に960年、宋王朝が興り、半世紀ぶりに大陸を統一した。
宋の商船はしきりにわが国に来航して、12世紀の半ばまでの約2百年間に70回以上に達した。朝廷は宋船の来航を制限する法令も出したが、貿易の利益を狙う宋の商人は太宰府の管理する博多港をさけ、越前の敦賀などに密入国までした。
日本が「文物を輸入した」というのは史実の半面で、日本からの輸出品で大儲けできるから、多くの宋船がやってきたのである。宋の商人が持ってきたのは、絹織物、香、薬品、陶器、文房具、書籍など、平安貴族が珍重する贅沢品が多かった。
輸入されたのは中国の文物に限らない。ペルシャ産のガラス器やインド、東南アジアからの香木、染料、薬物なども唐を経由して輸入された。宋は当時の国際貿易ネットワークの中心であった。
宋の商人から輸入したと言っても、「中国の進んだ文物を輸入した」とだけ理解しては一面的である。
また、東書版は何かと朝鮮を引き合いに出す習性をここでも見せて、わざわざ高麗商人の活躍も記載している。
しかし、たとえば『日本全史』は「古代世界を結ぶ物流のネットワーク 輸入された文物」という見開き2ページの記事で、世界各地からの様々な舶来商品を紹介しているが、そこには朝鮮産の商品は登場しない[4,p150]。
朝鮮は地理的な利点から仲介貿易には関わっても、平安貴族が珍重するような文化財は産出していなかったようだ。
■5.宋の商人が求めたもの
一方、宋の商人がわが国に求めたのは、金・銀・硫黄・水晶などの鉱産物、絹、布などを中心として、金銀蒔絵(まきえ)、漆器類、扇・屏風・刀剣などの工芸品も珍重された。日本が一方的に「文物を輸入」したのではなく、互いの文化財を交換したのである。
1073(延久5)年、宋の第六代皇帝・神宗は、渡来していた日本僧の帰国に際して、大和朝廷あての正式の国書と贈り物を持たせて、国交を開こうとした。しかし朝廷は国交再開には消極的だった。
宋との貿易は貴族の珍重する贅沢品が中心で、これ以上、拡大しても国益が増進するはずもなく、また宋が統一したとはいえ、いつまた動乱に戻るかも知れない大陸に関わっては、国内の平和が脅かされる恐れもあったからだろう。
日宋貿易とは言っても、宋の方が熱心で、日本の方が消極的だったという史実を見れば、「文物を輸入しました」というより、「日本の文物を求めて、朝廷の半鎖国政策もものともせずに、宋や高麗の商船がやってきました」と書いた方が正確だろう。
■6.日本から仏典を逆輸出
遣唐使廃止の理由の第3に「日本と唐の文化は対等で、もはや学ぶべきものはない」という点も、国史を学ぶ上で重要なポイントだ。國學院大學名誉教授の樋口清之氏は『うめぼし博士の逆・日本史3』で、こう語っている。
遣唐使制度が始まってからわずか十数回も往復しただけで、平安初期には、すでに中国の文化・文物の大部分が日本に輸入されてしまう。仏教経典の全集という べき大蔵経も来てしまった。大蔵経とは、三蔵法師が天竺(インド)から中国へ持ち帰って漢訳した仏典のことである。[5,p105]
日本があらかたの仏典を持ち帰ったのに対して、中国では五代十国の戦乱で、多くの文献が失われたようで、宋代に渡った日本人僧は逆に多くの書籍を持っていった。
1003年(長保5)年に入宋した天台宗の僧寂照(じゃくしょう)も多くの書物を持っていったが、そのうちにも宋ではもはやみることのできなくなったものもあって、その一部はかの地の僧の手によって出版されたという。
成尋(じょうじん)は天台宗や真言宗関係の経典6百巻以上をたずさえて渡宋したが、これもかの地では貴重なものであったらしく、神宗に献上されている。[5,p155]
■7.中国以上に進んでいた我が国の仏教学
半世紀もの戦乱で多くの書物が失われたということは、焼かれた寺や殺された僧も多かったであろう。そんな動乱の中で仏教研究が進むはずもない。
逆に平和な日本では、買い集めた仏典で研究に没頭することができた。宮内庁書陵部の橋本義彦氏は日本の僧が入宋に際して、書物を持っていった事に関して、こう述べている。
こうしたことは唐代までは見られなかったできごとで、わが国の仏教学が中国と対等、あるいはそれ以上の地位まで進んだことを語っている。[5,p155]
その実例として氏は、源信(942-1017)の著した「往生要集」が中国に送られ、多いにもてはやされた、という事実を挙げている。
また、上述の成尋の旅行記では、多くの学僧と会った話はあるが、教えを受けた様子はなく、かえって法華経の講義をしたことが書かれている。[5,p156]
寂照は宋に在ること三十余年でかの地に没したが、その間第3代の皇帝真宋をはじめ朝廷の人々に深く敬愛されたという。[5,p157]
しかし、それではなぜ日本僧たちは、はるばる波濤を超え、危険を冒して大陸に渡ったのか。彼らの目的は中国仏教の研究や、典籍の輸入ではなく、天台宗の根本道場である天台山に詣でたり、文殊菩薩があらわれるという霊場五臺山に巡礼することだった。
たとえて言えば、中世以降の欧州のキリスト教徒が聖地エルサレムに巡礼をするようなもので、そこで何を学んだかという事よりも、苦難を乗り越えて、そこに行く事自体が修行だった。その求道心は立派である。
■8.大陸で活躍した日本人
大陸に渡って活躍した日本人を見ても、日本の文明の程度がすでにひけを取るものではなかった事が分かる。
弘法大師・空海は804(延暦23)年に遣唐使の一員として入唐した。船が目的地のはるか南の福州に到着した為、地方の役人が怪しんで都への出発許可を与えない。
空海は遣唐大使の代理として福州観察使への手紙を書いたが、観察使はあまりに見事な漢文に驚き、ただちに疑いを捨てて、出発を許した。[6,p107]
長安ではインド仏教の流れを伝える最後の高僧・恵果阿闍梨(けいかあじゃり)に巡り会った。死期の迫っていた恵果は空海を見るや「われ先より汝の来たるを知り、相待つこと久し」と喜び、
千人以上もいた弟子たちを差し置いて、ただちに密教の秘法をすべて空海に授けた。こうしてインド密教の正統は、日本に伝えられたのである。[6,p117]
留学生として有名なのは、奈良時代、717(養老元)年に入唐した阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)である。唐で科挙に合格し、高官にまで出世し、李白や王維ら当時一流の文人たちと交際し、彼らに引けをとらない漢詩をつくっていたという。
在唐35年にして、一度は帰国を許されて遣唐使の帰国船に乗り込んだが、ベトナム中部に漂着し、唐に戻った。帰国船に乗り込む前の送別会で、王維ら友人を前にして日本語で詠ったとされているのが、百人一首に選ばれている次の歌である。
天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも
同じ天の原の月に照らされている、はるか郷里の山を偲ぶ切々とした望郷の思いが伝わってくる。こういう歌で、遣唐使として渡唐し異境に客死した先人の心を偲ぶことは、中学生の情操教育にも良いだろう。
(文責:伊勢雅臣)
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-6281.html
◆カタカナの起源
日本は奈良の僧徒たちが、仏典の漢文訓読のために補助的な符号として用い始めたものが発達を遂げ、今のカタカナへと発展しました。
僧 徒たちは、漢文の助詞や送り仮名を行間や字間など狭い場所に書き込むために字画が少ないことが必要で、漢字の一部だけをとったもので出来るだけ字画を省略 していました。しかし、省略の仕方が一定せずに多くのバリエーションが生じていたのが、平安時代の中期になって字体が統一されて今日の「カタカナ」になっ たのだそうです。
仏教関係の文書など、実用を旨として美的な表現を目的としないものだけに使われていたようですね。
現行のカタカナの字体は1900年(明治33年)の「小学校令施行規則」で確定しています。
朝鮮語は15世紀半ばまでそれを表記する固有の文字を持たず、口訣(こうけつ)・吏読(りとう)など漢字を借りた表記法により断片的・暗示的に示されてきました。
当然難しい漢字を崩して簡略的に書いていたということで、日本も同様です。
しかし李氏朝鮮では漢文は両班のみに留まり、中、下級官吏は漢字の音と訓を利用して朝鮮語を表記する吏読(りとう)方式でした。
吏読では名詞・動詞語幹などの実質的部分は主に漢語が用いられ、文法的部分に吏読が主に用いられます。
より簡略に書こうとすれば、当然日本がカタカナを作る段階の簡略化と似たものになって当然です。
ですから、カタカナの起源が朝鮮半島というのは全く見当違いです。朝鮮では、むしろ難しすぎて漢字を使いこなせなかったために、いい加減な文字で誤魔化していたと言うことになります。
両班以外は教育すらされず、この出来損ないの簡略漢字すら知らなかったのです。
◆太秦と秦氏
ブログ「服部堂」より
京都の西に太秦(うずまさ)という所がある。
国宝で知られる弥勒菩薩半跏思惟像というとても
綺麗な仏像がある広隆寺の前の交差点の名前だ。
その太秦には伊佐良井(イサライ)という地名がある。
「扶桑京華志」(寛文5年 松生元敬著)に
「伊佐良井 太秦村ニ在リ。深ノ事ハ知レザル和歌有リ」と
書いてある。
太秦の地名の由来は、古代ユダヤ古代ヘブライ語の「ウズ」(光)、
「マサ」(賜物)が語源であるなど諸説あるが、太秦=聖徳太子+秦氏と
なっているのにも大きな意味がありそうだ。
太秦にある広隆寺は、秦氏と聖徳太子を結びつける重要な寺だ。
ちなみに僕は数年前に広隆寺に呼ばれ、1日中仏像の前で
瞑想したことがある。
秦氏と広隆寺のつながりは以下の通りである。
1.広隆寺
太秦にある広隆寺は、渡来人系の豪族秦氏の氏寺であり、
太秦寺という別名がある。建立したのは秦河勝
2.弥勒菩薩
広隆寺の弥勒菩薩(国宝 宝冠弥勒)は新羅から渡来したものと
言われている。秦氏は渡来人である。
3.十戒
古代ユダヤのモーセの十戒・・・ユダヤ期限の秦氏とのつながりがある。
聖徳太子と広隆寺のつながり
1.広隆寺
広隆寺の本堂 上宮王院太子殿の本尊は聖徳太子像である。
2.弥勒菩薩
広隆寺の弥勒菩薩(泣き弥勒)。
「宝冠弥勒」と同様のポーズをとるが、やや小さい。
日本製と言われている。・・・聖徳太子を模したと言われている。
3.十善戒
広隆寺の十善戒・・・聖徳太子
ここで、十戒と十善戒を比較してみる。
広隆寺の十善戒とモーセの十戒
広隆寺の十善戒 モーセの十戒
不殺生 (殺さない) 殺人をしてはいけない
不偸盗 (盗まない) 盗んではいけない
不邪淫 (邪淫しない) 姦淫をしてはいけない
不妄語 (嘘をつかない) 偽証してはいけない
不慳貪 (欲張らない) 隣人の家をむさぼってはいけない
不両舌 (二枚舌を使わない) ヤハウェが唯一の神である
不綺語 (お世辞を言わない) 神の名を徒らに取り上げてはならない
不瞋恚 (怒らない) 安息日を守る
不悪口 (悪口を言わない ) 父母を敬う
不邪見 (不正な考えをしない) 偶像を作ってはならない
(偶像崇拝の禁止)
十善戒は聖徳太子に縁のある広隆寺の境内に書いてある。 秦氏は、ユダヤ教、原始キリスト教、景教に関係があると言われている。
十善戒は聖徳太子が作ったものではなく、
古くからある仏教の教えである。
聖徳太子の十七条の憲法は肯定文で何かをするように
指示されているのに対し、十善戒は「何々するな」と
否定語で書かれている。
十七条の憲法が聖徳太子の作だとすれば、十善戒の文面は
聖徳太子に似合わない。
その十善戒が広隆寺の境内に書かれているのは、
聖徳太子以外の何者かの考えがあった事を推察させる。
いずれ明らかになることと思うが、太秦という地名に加えて
広隆寺周辺にはこうした不思議な話がたくさんある。
またいずれ訪問することになると思うが、半跏思惟像は
すばらしい作品なので、一度ご覧になっていただきたい。
http://13131313.com/archives/2011/05/%E5%A4%AA%E7%A7%A6%E3%81%A8%E7%A7%A6%E6%B0%8F.html
◆裏天皇の漢波羅秘密組織「八咫烏」とは何か?
一般的には、「日本最古の秘密結社」と言われているが
最古の歴史を誇る日本、「世界最古の秘密結社」と言えるのではないかと思う。
熊野那智本宮大社
「八咫烏」とは、生まれもって戸籍に入る事を免除され法律上は存在していない事になり、日本国民でもない。
八咫烏とは、神武天皇以前に既に奈良にいた「もう一つの天皇家」のことである。同じ天皇家だったから八咫烏から現在に繋がる天皇家への国譲りが出来た。遡ると邪馬台国の卑弥呼の時代から既に彼らはいた。
八咫烏の正体は物部氏である。物部氏とは、中国の秦始皇帝の命を受けた除福が連れてきた技術者集団であり、それが若狭湾など複数の地点から上陸してきた。そして、神武天皇への国譲り以後は裏天皇として存在を維持することになった。これが八咫烏である。
八咫烏の主な役目は何かというと、祭司にのみ関係している。祭司を教授する組織が八咫烏である。
皇太子が後を継ぐときになされる大嘗祭は京都で行われる可能性が高い。
天 皇がやるべき儀式、そして天皇の目的、天皇が将来的に何をするかという預言、それらを司るのが八咫烏である。天皇家の京都への移動も八咫烏が決めている。 もし、天皇家に男子が出生しなかった場合でも、八咫烏の家系から男子を連れてくる。(物部系の天皇に入れ代わることになる。)
神武天皇以降の天皇家は基本的には秦氏系である。ルーツはどちらもユダヤだから大きな違いは無い。
八 咫烏は現在70名いる。その上部組織は12名からなっていて、「大烏」と呼ばれている。さらに、その中で最高位に立っているのが3人の金鵄がいるという構 図である。金鵄は天皇に代わって祭司を行ってきた裏天皇であり、建国以前から日本史の秘密を全て握っている存在である。
これは、イエス・キリストの12使徒の構造と全く同じだ。
彼等は全員が「漢波羅」とよばれる迦波羅(カバラ)の達人で陰陽師でもある。
そして八咫烏(物部氏)の正体は、イスラエル12支族に属さない祭祀を司っていたレビ族の末裔=モーセの末裔になる。
イスラエル12支族の象徴の「鳥」から、一抜けて「烏(カラス)」になりイスラエル12支族からの脱退を意味する13番目に位置する支族である。
「八咫烏」とは、西洋でいうフリーメイソンのことでフリーメイソンの原型が「八咫烏」なのだ。
そして、日本は神国で、世界の雛形国。
日本が崩壊すれば、世界が崩壊すると言われているが日本を支配している裏天皇は、世界をも支配していると言える。
八 咫烏というのは物部氏だから、天皇家を裏から支えているのは物部氏ということになる。伊勢神宮の内宮や外宮を裏で支えているのは伊雑宮(いざわのみや)と いう物部系の伊勢神宮であり、京都においても天皇を守っていた下鴨神社と上賀茂神社を支えているのは物部系の河合神社である。
伊勢神宮は現在地に鎮座するまで、90年かけて候補地を転々としている。それを元伊勢(もといせ)というが、その元伊勢の中でも最重要な存在が籠神社(このじんじゃ)である。これは、特別に本伊勢(ほんいせ)とも呼ばれている。
籠神社の裏社紋がユダヤのシンボルであるダビデの星である。
物部系の神社はユダヤの旧約を守っていたから血の儀式をやっていて、牛などを生贄(いけにえ)に捧げていた。ところが、秦氏系の神武天皇の後からは血の儀式を止めるようにお触れが出て、今は何処もやっていない。
八 咫烏と対抗するために置かれたのが「忍(しのび)」である。それを造ったのが聖徳太子のブレーンとされる秦河勝である。物部氏の八咫烏に対して、秦氏は忍 を置いた。甲賀や伊賀といった忍者の里は、八咫烏の領域の真ん中辺りに置かれている。聖徳太子の正体は秦河勝であり、秦氏が忍者を創設したことになり、全 ての辻褄が合う。
八咫烏は政治を一切やらない。日本は基本的に秦氏と物部氏との間のバランスで成立してきた。物部氏は裏に回る約束だった。しかし、時々暴走する物部氏が出てくる。
「カ ゴメ唄」の本当の意味は、カゴメ唄の中にある言葉が出てきたら、日本をがんじがらめにしている封印が解ける。籠神社の宮司が口にしたら、一気に事態が進 む。まず、熱田神宮から伊勢神宮に草薙の剣が移管される。そして、三種の神器が揃った伊勢神宮は、いよいよ防衛態勢に入る。籠神社の宮司の一言があると、 その「がんじがらめの鎖」が全部外れてしまう。それは2015年以降に起きても良い。起きなければおかしい。
諏訪大社は物部系である。諏訪大社の筒粥神事(つつがゆしんじ)で、2011年は「かってない出来事が起きて、春に日本は足をすくわれる」という結果が出た。実際に起きたのが3・11の東日本大震災だった。占いでは「三分五厘」であり、主から絶たれるという意味である。
2012 年の筒粥神事は「三分六厘」だった。一厘増えたけど、これは「日月神示」のいう神一厘つまり、土壇場で大逆転をもたらす一厘である。一厘の意味が誰も分か らなかったが、いよいよ見えてくる。隠された一厘の姿が現す・2015年を境にして全てが入れ代わる。これからは日本中心に世界は動く。日本はイスラエル の三種の神器が揃っている「ユダヤの中のユダヤ」であり、聖書の民が日本人だから、当然日本中心に世界は動くことになる。
*2014年の筒粥神事は3分6厘で世相は明るい兆しが見られるという。権宮司によると「今年の前半は安定し、事を起こすなら早い方が良い。後半は石橋を叩いて渡る気持ちが必要である。」と話している。
日本の外宮にヤハウェがいる。だから、まず日本で事が起きる。そして世界に波及していく。物部氏に主権が戻る。物部氏が真実をオープンにすると日本のいろんな仕掛けが全部はじけ飛ぶ。八咫烏も象徴ではあるが世に出る。
というのが「八咫烏」の真実である。
なんともファンタジーに富んだ興味をそそられる伝承ではないか。
◆日本の武術の精神
石坂 哲朗氏(FBより)
日本の武術は他の国の格闘と異なり、技術的にも精神的にも「護る・守る・衛る」と言うものがベースにある。
そして「勝利の定義」が、ただ殺戮と言う結論に達せず大変高尚な哲学に裏付けられているのだ。
現代社会においての争いにも大変通ずるものがある。
民事事件の場合、敵の財産が移動されないうちに、仮差押を打つ。
そしてあまたの証拠をそろえ法廷での準備をして、提訴したり、準備を整えて示談交渉をしたりする。
決裂すれば裁判と言うわけだ。
悪質な相手であれば、「刑事告訴」を付加しておく。
財産を隠蔽してもこれをすることにより刑務所生活を免れる為、取り下げを条件に金を支払う。
(外堀から埋めて戦にのぞむ訳だねー)
これを武道では「布陣」と言う。
スポーツと武道の違いはまさしくここにある。
ルールに守られたゲームに勝利する事を目的とするか、社会の場で勝利する心構えを培う為に修行するものかに大きく分かれるわけである。
(みんな知っててやってるのかなー)
しかし現在心無い指導者が多く、欧米ナイズされ競技に走る「優勝至上主義」傾向は止まる事が無い。
勝って泣いたり、負けて泣いたりの御祭り騒ぎで とても武道と呼べる代物でないものが蔓延しているのだ。
国際社会における紛争は「示談」これが「外交」にあたる。
そして「民事訴訟」は「国際司法裁判所」であり、「刑事訴訟」は「軍備」に相当するものである。
「惻隠の情」を持つ我が国民の持つ裁判所でさえ常に大賑わいの中、文化を異にする外国との争いを「示談」のみに頼り「刑事罰」を放棄させられ、我が国はそれを改めず、良い外交が出来る道理が無いのだ。
( 外務省もやる気なくなってんじゃあない?)
江戸時代まで「日本刀」と言う武力を帯刀し、いつでも死ぬ覚悟で切腹の為の「脇差」を持ち歩き、毅然とし礼儀を重んじ交渉をする凛とした武士の姿。
この様な血の通っている我が大和民族が侵略戦争など起こす事は皆無である。
いい加減外国から押し付けられたまやかしの歴史観を捨去り目覚めの一歩を踏み出す事。
これが私流の「武術の真髄」の序章である。
櫻満開の中こんな話の花も咲かせて頂きたいと切望する。
( いしざか てつろー )
シェア · 3月25日
◆ 『君が代』
『君が代』の原歌は古今和歌集の賀歌に出てきますね。
長寿を祈る歌です。
「私の敬愛する人よ、
千年も八千年も、
小さな石が巨岩となって、
さらにその表面を苔が覆うように
なるまでの永い歳月を、
どうか息災でいて下さい」
という、君が代の「君」…
つまり、親、兄弟、恋人、仲間など、
『愛する人の長寿』を願う歌です。
これのどこが軍国主義の象徴なのか?
日教組の石頭に説明して欲しいですね。
◆日本神話よ復活してくれ!
イギリスの高名な歴史学者「アーノルド・J・トゥインビー」は「12・13歳までに自国の神話を学ばなかった民族は例外無く滅ぶ」と述べている。
誰が「日本神話を奪ったか知ってますか?」それは「連合国総司令部GHQ」です。日本人の凄まじいばかりの精神性の高さに恐れを成したGHQは「神道指 令」を発令し「宗教、神話としての神道」を奪い去りました。「古事記」「日本書紀」を「史実ではなく非科学的だ」と教えさせる事を止めさせた。「ア レ〜ッ」実に変だ。GHQの中心的国家米国は大統領の即位式に、今でも聖書に手を置き宣誓する。その聖書は史実で科学的なのか?ノアの箱船、マリア処女生 誕と奇跡のオンパレード、とても史実、科学的とは思えない。ダブルスタンダードも甚だしい。
かと言ってGHQ、米国が悪いとは思っていない。負けた国を貶めるのは当たり前。ましてや高貴なる日本民族の精神破壊は徹底せざるを得なかっただろう。敗戦後70年近くも「邪悪な破壊工作」を、そのまま受け入れる現在の日本人の問題だと個人的に思う。
池間 哲郎氏 Facebookよりシェア
◆【日本はなぜ世界の奇跡なのか。日本の素晴らしさを語れる日本人になろう】
さくらの花びらの「日本人よ、誇りを持とう」より
「天壌無窮(てんじょうむきゅう)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
台湾で医学と教育学の博士号を持ち、台湾の元国会議員であった許國雄(きょこくゆう 1922~2002)さんが、平成9年に東京の教育会館で挨拶をされた時に「日本人の大切な忘れもの」としていきなり「天壌無窮の神勅」を朗誦しました。
豊 葦原(とよあしはら)の千五百秋(ちいほあき)瑞穂の国は、是(これ)、吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり。よろしく爾皇孫(いま しすめみま)、就(ゆ)きて治(しら)せ。さきくませ。宝祚(あまつひつぎ)の隆(さか)えまさむこと、当(まさ)に天壌(あめつち)と窮(きわまり)り なかるべし。
この朗唱には会場の方々が大変驚きました。戦前の修身の教科書にはこの神勅が書かれており、昔の小学生は読んでいましたが、戦後日本人はほとんど知りません。
戦前教育の日本人の方もすっかり忘れていたことを台湾人の許さんが暗誦したのです。許さんはこう続けました。
「い かなる国でも国家の永続性を願うものだ。秦の始皇帝も万代に続くことを念じていたが二代で終わってしまった。ヒトラーも『ドイツ民族数千年の将来は約束さ れた』と豪語していたが11年で滅びた。マルクス・レーニン主義のソ連は千年の共産社会と呼号していたが74年で消滅した。
世界史を眺めれば、漢は前漢と後漢を合わせて400年、唐は300年、明も清も300年。朝鮮には高麗や李氏朝鮮のように500年を保った。ヨーロッパにもいくつかある。
しかし、彼らは日本の天皇朝の永続性にははるかに及ばない。これは『神勅』にあるようにまさに『天壌無窮』なのだ。世界の奇跡と言ってもよい。なぜ日本だけがそのようなことが起こったのか」とお話をされました。
日本は初代神武天皇即位から今年は2674年(皇紀)。125代の皇統が連綿と続いているのです。しかも万世一系の男系です。これは日本が誇る「世界の奇跡」だと断言されているのです。
ご存知の通りかつて満州国がありました。その皇帝・溥儀は昭和10年4月に日本を訪問する時に、日本の戦艦・比叡に乗り、三隻の軍艦に護衛されて横浜に入港、その時に帝国海軍の艦艇70隻が溥儀の目の前で演習し、溥儀は痛く感激したのです。
天皇陛下と明治神宮に参拝し、とりわけ溥儀を感動させたのは貞明皇后の温かいおもてなしでした。日本訪問で君民一体の国柄と皇室の伝統と気品と威厳に魅せられて、満洲に帰国後もその感動はおさまらなかったといいます。
そ の溥儀が戦後、東京裁判で「満洲の責任はすべて日本にある」「自分は日本の傀儡だった」とソ連監視下のまま発言し、撫順戦犯収容所ではシナ共産党の思想改 造や人間改造を受け入れ、生きのびるために自身を家畜の如く振舞う姿は、かつて王座にあった気品も威厳のかけらも見られませんでした。
これは終戦の昭和天皇の態度とは全く違いました。昭和天皇は戦争の責任をわが身が負い、自分の命とひきかえに多くの日本国民を救う覚悟でマッカーサーと対峙されました。マッカーサーは勝者でありながら、陛下の気迫におされ、圧倒されたのです。
「今回の戦争の責任は私にある。そして日本人は今飢えている。私はどうなってもかまわないが将軍の力で日本国民を救ってほしい」。
日本はなぜ「天壌無窮」であるのか、陛下はつねに身をもって示されているのです。
http://blogs.yahoo.co.jp/bonbori098/33134298.html
日本人が知らない日本のアイデンティティー
玉鋼(たまはがね)は、日本刀などに使われる鋼で、飛鳥時代の釘なども玉鋼だそうです。
今 の鉄は、近代になって西洋から伝えられた製鉄法(鉄鉱石を高温のコークスで溶かして作る)で作られます。これに対し玉鋼は、砂鉄を木炭を使って低温で還元 して製鉄する「たたら製鉄」という方法で作られます。低温で製鉄することにより不純物が鉄の中に混ざりにくく、中から錆びてこないのだそうです。
西岡棟梁が「今の鉄は百年しかもたない」というのは、このことです。それに対し、かつて法隆寺などに使われた釘は、千年もっています。素晴らしい伝統の技です。
いま、薮田絃一郎著「ヤマト王権の誕生」が密かなブームになっていますが、それによると大和にヤマト王権が出来た当初は鉄器をもった出雲族により興 されたとの説になっています。
そうすると、がぜんあの有名な山陰の青銅器時代がおわり日本海沿岸で四隅突出墳丘墓が作られ鉄器の製造が行われたあたりに感心が行きます。
当時は、西谷と安来-妻木晩田の2大勢力が形成され、そのどちらかがヤマト王権となったと考えられるのですがどちらなんだろうと思ったりもします。
西谷は出雲大社に近く、安来は古事記に記されたイザナミの神陵があるので神話との関係にも興味がわいてきます。
海外の方と多く接すると、みなさん日本文化ってわかりにくいという。よくよく聞くと、一般的日本人が自国の歴史を教養として持っておらず、日本人のアイデ ンティティーがつかみにくいのだそうだ。日本文明を自覚しながら世界的活躍をされている日本人の瑞々しい感性を、海外の人達は求めているのでしょう。
戦後の日本はGHQによって思想の改革や焚書など、ありとあらゆる形で日本文化を否定されてきたために、日本人が自分の国の歴史を正しく勉強することを阻害されてきました。メディアしかり、日教組しかり。それが現代でも延々と続いているのです。
日本の大学から地政学科が消え、日本が世界においてどのような役割を持ち、どれほどの影響力を持っているかなど、またその原因は日本人としての知らず知らずに受け継がれてきた伝統や技術やその思考経路なども、突き詰めて考えることも今はありません。
しかし、東日本大震災でも世界が感じたように、もし日本が無かったならば、世界経済やモノの生産がどれほど甚大な影響を受けるかが良く分かっただろうと思 います。それを、肝心な日本人自体が自覚していません。また、その日本人のアイデンティティーがどこから来るものなのかを、分かっていないのだろうと思い ます。
口では、日本の政府に歴史の検証を求めながら、自分自身では何一つ進んで知ろうとして来なかった、戦後ずっと続いた他人任せの気風が今も続いているからに他なりません。これこそがGHQの思う壺といったところでしょう。
現代になって若い女性達が日本の立場や、特亜と米国の日本に対する理不尽なまでの破壊に目覚め立ち上がったように、次々と新しい動きが芽生えて来ました。 言い過ぎかも分かりませんが、まさに母性の持つ民族の種に対する本能と言いましょうか危機感が、女性の方に強いのだろうと思います。それに引き替えなんと 草食男性の多さよと嘆いている暇はもう今の日本には無いのだろうと思います。
日本の国の素晴らしさ、日本人のもって生まれたアイデンティティーを良く知り、日本人の誇りと伝統を受け継ぐことが、また日本という国の繁栄に繋がり復興の狼煙となることを信じます。
目覚めよ日本!
まず、下記のURLより日本が許可認定している遺伝子組換え野菜・果物の内容をご覧頂きたい。ネットでは遺伝子組み替えの危険性が議論されているが、日本にはもうとっくに輸入され日常に出回っている。
左派に偏っているように見える日本のメディアなのに、殆ど報道されない不思議な現象である。
とうもろこしだけで198品種、じゃがいも8品種、大豆15品種、てんさい3品種、なたね19品種、わた43品種、アルファルファ3品種、パパイア1品種。添加物17品種が既に許可されている。
当然認可されたものは日本の加工品に混入されているのは事実。家畜飼料も間違いなく使用されている。
厚生労働省医薬食品局食品安全部
平 成 2 6 年 4 月 1 0 日 現 在
安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧
http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/dl/list.pdf
★遺伝子組換えトウモロコシは分類上、食品ではなく、なんと殺虫剤!
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=164046
なぜ公然と輸入されているのに我々の目に止まりにくいのかというには秘密がある。
なんと遺伝子組み換えトウモロコシが分類上、食品ではなく殺虫剤と分類されているのである。
そんな殺虫剤を、日本では食品として認可しており、スーパーの食品コーナーには平然と並べられているのだ。
しかも、なんの表示もされることなく・・・
たとえば食用油(コーン油やナタネ油等)などは、ほぼ100%がこういった遺伝子組み換え品が原料になってるはず。
日本では遺伝子組み換え品使用の表示が義務付けられてる食品はわずか30種類ほどだけで、他の食品には一切表示されることがない。
また、豆腐・納豆等に、「遺伝子組み換えでない」と表示されているものも、実際には5%まで組み替え品の混入が認められている。
(しかし現実にはおそらくこの5%よりもっと高い割合で混入されてるんじゃないかと私は思っている)味噌も同様だろう。
これなんかは、どうみても国民を騙すための表示としか思えない。
http://www.epa.gov/oppbppd1/biopesticides/ingredients_keep/fr_notices/frnotices_006484.htm
野菜として輸入されてはいないが、なんとタマネギが、全国で既にもう90%以上も遺伝子組み換え種子に切り替えさせられているというのだ。ほとんど全部と言っていいくらいじゃないか。知らない内に食べてしまっていたのである。
左派に偏っているように見える日本のメディアなのに、殆ど報道されない不思議な現象である。
とうもろこしだけで198品種、じゃがいも8品種、大豆15品種、てんさい3品種、なたね19品種、わた43品種、アルファルファ3品種、パパイア1品種。添加物17品種が既に許可されている。
当然認可されたものは日本の加工品に混入されているのは事実。家畜飼料も間違いなく使用されている。
厚生労働省医薬食品局食品安全部
平 成 2 6 年 4 月 1 0 日 現 在
安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧
http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/dl/list.pdf
★遺伝子組換えトウモロコシは分類上、食品ではなく、なんと殺虫剤!
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=164046
なぜ公然と輸入されているのに我々の目に止まりにくいのかというには秘密がある。
なんと遺伝子組み換えトウモロコシが分類上、食品ではなく殺虫剤と分類されているのである。
そんな殺虫剤を、日本では食品として認可しており、スーパーの食品コーナーには平然と並べられているのだ。
しかも、なんの表示もされることなく・・・
たとえば食用油(コーン油やナタネ油等)などは、ほぼ100%がこういった遺伝子組み換え品が原料になってるはず。
日本では遺伝子組み換え品使用の表示が義務付けられてる食品はわずか30種類ほどだけで、他の食品には一切表示されることがない。
また、豆腐・納豆等に、「遺伝子組み換えでない」と表示されているものも、実際には5%まで組み替え品の混入が認められている。
(しかし現実にはおそらくこの5%よりもっと高い割合で混入されてるんじゃないかと私は思っている)味噌も同様だろう。
これなんかは、どうみても国民を騙すための表示としか思えない。
http://www.epa.gov/oppbppd1/biopesticides/ingredients_keep/fr_notices/frnotices_006484.htm
野菜として輸入されてはいないが、なんとタマネギが、全国で既にもう90%以上も遺伝子組み換え種子に切り替えさせられているというのだ。ほとんど全部と言っていいくらいじゃないか。知らない内に食べてしまっていたのである。
◆スーパー雑草の逆襲/モンサント社の除草剤が効かない!
2009-10-14 世界の真実の姿を求めて
モンサント社の除草剤(グリフォセート)に耐性を持つスーパー雑草が世界中に発生してきた!
自然界を冒涜する遺伝子改良を読けてきたことが原因だ。
その結果恐ろしく強い雑草が出現。
モンサント社は別の薬剤を使うらしいが、それを使ってもまた新たなるスーパー雑草が出現するだろう。
そしてまた別のさらに強力な農薬が作られる。
そんなことが繰り返される。
その結果収穫できた農作物は、人間が食べられないものとなっている!
そして十年後の農業は、機械を使わない、原始農業になっているかも。
な ぜならスーパー雑草というのは農薬が効かない。農薬が効かないからこそ物理的に引き抜いたり刈ったりするしかない、と。でも、刈るのであれば、何も手で刈 らなくても機械でまとめて刈ればいいものだが、大規模な農地と機械化が特徴であるアメリカの農業なのに、何故人が1本1本スーパー雑草を刈っているのか?
それは、機械で刈るとなると、大事な作物も一緒に刈ってしまうから、不必要な雑草だけを選りわけて刈る必要がある。
おそろしく効率の悪い農業生産方法で、食料が減産され、食料危機がやってくる。
動画:1本1本スーパー雑草を刈っている人たちhttps://www.youtube.com/watch?v=B-cka5s4AqE
http://www.y-asakawa.com/message2009-1/09-message54.htm
スーパー雑草による被害の拡大
ご覧になられた方も多かったと思うが、見逃された方や見たものの、事態をあまり深刻に受け止められなかった方もおることと思われるので、改めてその内容を知って頂くために、番組の概要をお伝えすることに した。決して聞き流しておれるような話ではないからである。
今、日本全国の農地で異変が起き始めている!
稲 穂が実りはじめた今、日本の各地で稲の間を埋め尽くすように繁殖している「スーパー雑草」によって、稲作に大変な被害が発生しはじめている ようである。 「スーパー雑草」とは何か? その代表的な種が先般、HP「水田の野鳥と昆虫①」に掲載した白い花の「オモダカ」という雑草である。
この「オモダカ」は水辺に咲く2センチほどの小さな花で、雑草にしておくのがもったいないような可憐な草花である。田んぼの一角で数輪が咲いている分には、農家の方にとってもさして害にならないが、これが田の中一面に生い茂るとなると、重大事である。
昔から農家の方にとって一番頭が痛いのは、田や畑の雑草の草取りである。それだけに、近年この雑草を除草剤で除去することが出来るようになったのは、農作業を進める上で大変喜ばしいことであった。
ところが、この除草剤に頼り切り、より効果の高い除草剤を農家の方が一斉に使うようになった結果、除草剤に耐性を持つ雑草が出現してきたのである。その一つが「オモダカ」というわけだ。
雑草にしろ、農作物にしろそれらの植物は、体内に持つ酵素がタンパク質と結合してアミノ酸を作って成長していく。そこで、酵素がタンパク質と結合しないように結合する面をふさげば、植物は枯れてしまう。その役目をするのが除草剤である。
近 年、アメリカの薬品会社によってほとんどの雑草に効き、効果が長持ちする「SU 剤」 という大変効率のよい除草剤が開発された。一度散布すればそれで済むということで、農家の方が一斉に使用するようになり、今では アメリカだけでなく世界中の主要な農地でこのSU剤が使われている 。
この40年間で、世界の人口はおよそ2 倍に達した。その人口増を養ってこれたのは、乾燥や害虫に強い品種の改良や小量で多くの雑草に効果のあるSU剤などの除草剤の開発であった。日本において も、効率的な除草剤は多くの農家が求めていたものであったので、田や畑で広範囲に使われてきた。
雑草の反逆が始まった!!
製 薬会社が開発を進めてきたのは、乾燥や害虫に強い品種の改良だけではなかった。除草剤の影響を受けない品種の改良も同時に行われてきた。それ が出来なければ、強力な除草剤を使うことが出来ないからである。それらは、みな今論議を呼んでいる「遺伝子組み換え」の技術を使って為されてきた ものである。
そして、散布から十数年が経過した今、いじめられてきた雑草たちの大反撃が始まったのである。稲 の間を埋め尽くした「オモダカ」は、稲の養分を奪い、稲穂の成長を妨げはじめているのだ。 それによって、どの程度の被害が発生するのかというと、20%から40%の減産につながるというから、農家にとっては一大事である。
5 年ほど前から除草剤の効かない「オモダカ」が繁殖し始めた宮城県では、今その被害が全農地の3分の1にまで広がってきており、農業経営に深刻な問題を引き 起こしているのである。 さらに心配なのは、除草剤の効かないスーパー雑草が「オモダカ」以外にも広がっていることである。現在、専門家により確認されているだけでも、すでに17 種類に達して おり、その被害が懸念されはじめている。
もともと「オモダカ」は冷たい水で生育する植物なの で、寒冷地や高冷地にだけ咲く花であったが、除草剤の影響を受けて、今は温暖な地、九州までその繁殖地が広がっている。それだけに、除草剤に免疫力を持っ たオモダカが全国規模で広まるようなことになったとしたら、日本の稲作農家にとっては一大事である。
17種類のスーパー雑草の中には水田に繁殖する雑草だけでなく、畑で繁殖するものも含まれているので、このまま早急な対策が講じられなければ、日本 における食糧事情の悪化につながる可能性が大である。
その被害は世界に広まっている
アメリカの巨大農園が雑草の反撃にさらされはじめている。
それでは、海外からの輸入を増やせばよいのではないかと考えるかもしれないが、「スーパー雑草」の蔓延は何も日本固有の問題ではないのである。例えば、世界最大の穀物輸出国であるアメリカでは、 「スーパー雑草」の問題は我が国よりはるかに深刻な問題となっているのだ。
遺 伝子組み換え農業の本家で、巨大な農場を持つアメリカのことであるから、想像に難くないところであるが、ジョージア州をはじめとするアメリカの東南部一帯 では、 すでに「スーパー雑草」の繁殖エリアが 、この5年間で2800倍に広がっており、その拡大状況はまさに天文学的な数値に達しているのである。
ア メリカでは、遺伝子組み替え作物の作付け面積の割合は、トウモロコシで85%、大豆では91%に達している。そのことを考えると、これからアメリカの農家 を襲う 「スーパー雑草」の被害は想像を絶するものになる可能性が大きい。だからこそ、アメリカの研究者は「スーパー雑草」の蔓延は世界の食糧危機につながると警 告を発している のである。
またテレビでは、アメリカの状況だけしか触れていなかったが、その被害がヨーロッパやロシア、中国、東南アジアの一角に広がりはじめていることは間違いない。なぜなら、 「スーパー雑草」を産み出したSU剤は今や世界的に使用されているからである 。
遺 伝子組み換えや除草剤の製造などを進める上で、研究者に欠けているのは、作物にしろ雑草にしろ、そうした植物の生命に対する倫理観である。 学者は植物も動物もみな人間と同じ心を持った生命体であることの認識に欠けている。そのため、そういった研究者たちによって産み出された 新種や薬品は、SU除草剤に限らず決してよい結果を産むことにはならないのである。
現に、最近の野菜類の栄養 価は一昔前のそれらに比べて半分以下に落ちているといわれている。そこに目をつけたのが通販の主力商品となっているミネラル類の栄養食品である。劣化して きているのは栄養価だけではない。トマトなど昔のおいしさを知っている我々60代の人間は、 自然野菜の持つ本当のおいしさ感じなくなって既に久しい。
ア イオワ州立大学農学部のボブ・ハーツラー教授によるこの論文が明らかにしたところによると、過去7年間に、除草剤のグリフォセートに抵抗性がある5種類の 雑草が発見された。グリフォセートは、モンサント社の商標登録名ラウンド・アップによって良く知られている。その抵抗性は、従来から懸念されていたような GM除草剤の耐性作物から移転された遺伝子によってではなく、自然の進化によって起こった。
グリフォセートは「広範囲の」除草剤である。すなわち、それは、何でも、作物までも枯らすということを本来意味した。GM作物はグリフォセートに耐性を持つように開発されたので、生育期を通じてグリフォセートを散布することが可能になった。
イギリスで商業的な栽培が申請されている2つのGM作物、飼料ビートと砂糖大根はグリフォセートに耐性を持つ。しかし、グリフォセートでも枯れない雑草がオーストラリア、チリ、マレーシア、そしてカリフォルニア州を始めとするアメリカのさまざまな地域で発見された。
モ ンサント社のアメリカでの大豆技術課長、グレッグ・エルモア氏は、モンサント社はグリフォセートへの抵抗性という問題を深刻に受けとめ、「雑草管理の実 践」によってその問題に取り組んでいると語った。大豆に関しては、抵抗性のある雑草は、別の除草剤である2,4-Dを使って、植え付け前に焼き尽くす(何 もかも枯らしてしまう)ことによってコントロールされたと、彼は説明した。
グリフォセートがGMではない作物に使われていた農地で、抵抗性のある雑草が少なくとも3種類出てきたと彼は述べた。それは雑草が抵抗性を起こしたただ一つの除草剤とは言えず、70種類ほどの雑草が何らかの除草剤に抵抗性を持ったと付け加えた。
地 球の友という団体で反GMキャンペーンをしているピート・リレー氏は、モンサント社のような会社は、GM作物と除草剤は環境への影響が少ないと話している が、事実は、抵抗性をもつ雑草は、間違いなく除草剤使用量を増加させ、環境への影響も大きくなることを意味すると語る。「これらの発見はGM作物の議論か ら核心的な論点を取り去ってしまう。」
http://www.asyura.com/0403/gm10/msg/200.html
そ うです、スーパー雑草というのは農薬が効かないのです。農薬が効かないからこそ物理的に引き抜いたり刈ったりするしかない、と。でも、刈るのであれば、何 も手で刈らなくても機械でまとめて刈ればいいものをと、私は一瞬思ってしまいました。大規模な農地と機械化が特徴であるアメリカの農業なのに、何故人が1 本1本スーパー雑草を刈っているのか?
それは、機械で刈るとなると、大事な綿花も一緒に刈ってしまうからなのではないでしょうか。不必要な雑草だけを選りわけて刈る必要がある、と。
いずれにしても、今アメリカでは、スーパー雑草が大繁殖しているのです。
ジョージア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、アーカンソー州、テネシー州、ケンタッキー州、ミズーリー州、と。
あまりのスーパー雑草の繁茂ぶりに、農地を手放してしまうケースもあるとか。
では、一体、どうしてこんなことなことが起きているのか? さあ、何故でしょう。
年配の人なら想像がつくかもしれません。我々、小さな時に習いました。農薬を使い過ぎると、だんだん農薬が効かなくなる、
と。農薬が効かなくなるというよりも、農薬に耐性を持つ植物に変異する、と。
では、アメリカの農家は農薬を使い過ぎたのか?
アメリカの化学会社は、こんなことを言って遺伝子組み換え作物を宣伝しました。「遺伝子組み換え作物にすれば、農薬を撒く回数も少なくなるから‥」、と。そして、雑草を除去する手間がなくなるから仕事が楽になる、と。
ただ、遺伝子組み換え作物の種子は、農薬もセットになって販売されているのです。そして、その農薬を散布すれば、雑草は生えないが、栽培される本体の植物が枯れることは決してない、と。何故かといえば、その農薬に耐性を持つように遺伝子操作がなされているからです。
しかし、一部の人が予想したとおり、遺伝子操作された植物が大量に栽培されるようになると、当該農薬に耐性を持つ雑草が出現してしまったのでした。
結果、雑草を刈る手間を省く目的だったのが、却って雑草を刈る手間を増やしてしまった、と。
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-314.html
農協推奨!日本でバンバン使われているモンサントの除草剤ラウンドアップは諸外国で使用禁止の猛毒
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11506272533.html
ラウンドアップ(グリホサート剤)は、既に成分特許が切れているため、様々な名前で同剤が販売されています。日本では住友化学園芸の「草退治」など
http://www.sc-engei.co.jp/guide/syo00516.html
TPP で有名になったモンサント社。この会社はロックフェラーの軍産複合体の一部で、ベトナム戦争で枯葉剤をばら撒いたのは有名。戦争が終わってあり余った枯葉 剤を除草剤ラウンドアップとして名前を変えて販売。発ガンの原因の一つとも考えられている。日本では住友化学が販売。
TPPの裏の顔が見える。
住友化学株式会社代表取締役会長米倉弘昌が経団連 名誉会長。
http://goo.gl/Mocw6P
◆ビル・ゲイツやユダヤ金融資本家たちの種子独占計画
2009-10-11 世界の真実を求めて
日本では既にモンサント社は農協を使い、日本の玉ねぎだけを見ても90%を悪魔の種(遺伝子組み換えの自殺種のF1種)に切り替えさせた!
その悪魔の種は恐ろしいことを引き起こし始めた。
従来の野菜種と勝手に交配して、種をとれなくしてしまう。
在来種絶滅の危機がやってきている。
放置していても、悪魔の種(遺伝子組み換えF1種)が在来種子を絶滅させるということの重大さに、
真っ先に気づいたのが、他ならないロックフェラーとゲイツ、モンサントらユダヤ金融資本であり、このためゲイツやモンサント、ノルウェー政府が遺伝子保存計画を実現ようとしした。
それがビル・ゲイツやヘッジファンドの帝王たちの現代版「ノアの方舟建設計画」
保存した種子は人類のためのものなのか?
そしてユダヤ人はユダヤ人以外の人間(ゴイム)にもその種子は与えるのだろうか?
ただ言えることは、
《権力者》を怒らせることをしたり、反対したりしようものなら、《支配者たち》はただ、種子を売るのを拒否するだけでいいのだ、それを避けるためには種子を持たない者は隷属的にならざるを得ない!
(クリックで拡大)
写真のような巨大種子倉庫が北極の地下に作られたということは、種子が絶滅するのが確実であることを暗示している。
種子の絶滅対策に、日本は何をしているのだろうか?
「ユダヤ人 ビルゲイツの謀略とモンサントの国際食糧テロ活動」
ビル・ゲイツやヘッジファンドの帝王たちの新たな野望が始まった。世界の自然環境と食糧ビジネスは新たなマネーの流入で大きく変貌しようとしている。
現代版「ノアの方舟建設計画」
FX 会社最新順位と比較 2009年5月5日、ニューヨークはマンハッタンにあるロックフェラー大学の学長でノーベル化学賞の受賞者ポール・ナース博士の邸宅 に世界の大富豪とヘッジファンドの帝王たちが集まった。この会に名前はついていないが、参加者たちは「グッドクラブ」(善意の集まり)と呼んでいる。
主な顔触れはデービッド・ロックフェラーJr、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、マイケル・ブルムバーグ、テッド・ターナー、オプラ・ウィンフ レーと言った超豪華メンバー。この集まりを呼び掛けた人物はパソコンソフトの標準化を通じて寡占状態を築き上げ、個人資産5兆円を超すビル・ゲイツであ る。
これほどの大富豪たちが一堂に会し、密かに議論したテーマは何であったのか。実は世界の人口増大をいかに食い止めるか、そのために彼らが所有する巨万の富をいかに有効に活用すべきか、ということであった。
議長役としてこの会を取り仕切ったビル・ゲイツによれば、「人類の未来に立ちふさがる課題は多いが、最も急を要する問題は人口爆発である。現在67億人が住む地球であるが、今世紀半ばには100億人の可能性もありうる」
「こ のままの状況を放置すれば、環境・社会・産業への負荷が過大となり地球環境を圧迫することは目に見えている。なんとしても人口爆発の流れを食い止め、83 億人までにとどめる必要がある。各国政府の対応はあまりにスローで当てにはできない。潤沢な資金を持ち寄り、我々が責任をもって地球の未来を救うために独 自の対策を協力して推し進める必要がある」とのことであった。
ゲイツはその思いをすでに具体化するために、あるビッグプロジェクトに資金を注いでいる。それが現代版「ノアの方舟建設計画」に他ならない。
「北極種子貯蔵庫」に巨額の資金を提供したゲイツ氏
この計画は2007年から本格的に始まった。人類がこれまで手に入れてきたあらゆる農業遺産を保護することを目的としている。
あらゆる国の農業で不可欠の役割を果たしてきた種子を未来のために保存するということである。見方を変えれば、生き残れる人類とそうでない人類を区別することもできる。
この計画を推進してきたのは、ノルウェー政府であるが、資金面で協力してきたのがビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金。この慈善事業団体を通じて、毎年 15億ドルを使わなくてはならないゲイツ氏はこれまでエイズの撲滅やがんの治療ワクチンの開発等に潤沢な資金を提供してきた。
そ の彼が、2007年、ノルウェーのスピッツベルゲン島に建設された「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」に巨額の資 金を提供していることはほとんど知られていない。ゲイツのお陰で、この貯蔵庫は2008年2月26日に正式オープンを迎えた。
核戦争が勃発したり、地球温暖化の影響で種子が絶滅したような場合でも、未来の人類がこれらの種子を再生できるように保存するのが目的だという。しかし、この種子の提供を受けなければ将来は食糧を手に入れることはできなくなってしまう可能性は高い。
しかも、ゲイツ基金の他にロックフェラー財団、モンサント、シンジェンタ財団、CGIAR(国際農業調査コンサルグループ)なども、未来の作物の多様性を 確保するため300万種類の植物の種子を世界から集めて保管し始めたのである。ちなみに、シンジェンタはスイスに本拠を構える遺伝子組換え作物用の種子 メーカー。CGIARはロックフェラー財団とフォード財団が資金提供を行っている組織。
この計画に共同提案 者として協力しているグローバル・クロック・ダイバーシティー・トラスト(GCDT:世界生物多様性信託基金)のカーリー・パウラー博士によれば、「我々 は毎日のように作物生物の多様性を失いつつある。将来の農業のため、そして気候変動や伝染病などの危機から人類を守るため、あらゆる環境に適用する種子を 保存する必要がある。いわば、あらゆる危機に生き残る種子を集めたフエール・セーフの金庫が必要だ」。
このGCDTは国連食糧機構(FAO)とCGIARによって設立された。この会長はフランスの水企業スエズの経営諮問委員会に籍を置くマーガレット・カールソンである。
「緑の革命」がもたらしたもの
ビル・ゲイツをはじめ農薬や種子をビジネスとするモンサントやシンジェンタは、いったいどのような人類の未来を想定しているのであろうか。
また、ロックフェラー財団はかつて食糧危機を克服するという目的で「緑の革命」を推進した中心組織である。当時の目論見 では在来種より収穫量の多い高収量品種を化学肥料や除草剤を投入することで拡大し、東南アジアやインドで巻き起こっていた食糧不足や飢餓の問題を解決でき るはずであった。
ロックフェラー財団の農業専門家ノーマン・ボーローグ博士はこの運動の指導者としての功績が認められ、1970年にノーベル平和賞を受賞している。しかし、緑の革命は石油製品である化学肥料や農薬を大量に使用することが前提であった。
メキシコの小麦やトウモロコシ栽培で見られたように、導入当初は収穫量が2倍、3倍と急増した。しかしその結果、農作地は疲弊し、新しく導入された種子も年を経るにしたがい収穫量が減少し始めた。そのためさらに化学肥料を大量に投入するという悪循環に陥ってしまった。
最終的には農薬による自然破壊や健康被害も引き起こされ、鳴り物入りの緑の革命も実は伝統的な農業を破壊し、食物連鎖のコントロールを農民の手から多国籍企業の手に移そうとするプロジェクトにすぎなかったことが明らかになった。
とはいえ、このおかげで石油産業をベースにするロックフェラー一族やセブンシスターズ、そして世界最大の種子メーカーであるモンサントをはじめ、大手アグリビジネスは空前の利益を上げたことは言うまでもない。
ノルウェー政府が推進している「ノアの方舟計画」に参加しているモンサントやシンジェンタにとって、どのようなメリットが種子銀行にはあるのだろうか。
種子を押さえることで食糧生産をコントロール
これら遺伝子組換え作物の特許を所有する多国籍企業にとっては「ターミネーター」と呼ばれる技術特許が富を生む源泉となっている。要は、この技術を組み込まれた種子を捲いて育てても、できた種子は発芽しないように遺伝子を操作されているのである。
言い換えれば、どのような状況においても一度この種子を導入した農家は必ず翌年も新たな種子を買わなければならないのである。いわば種子を押さえることで食糧生産をコントロールできるようになるわけだ。
緑の革命を推進してきたロックフェラー財団やターミネーターを開発し、世界に普及させようとしている巨大なアグリビジネス、そしてマイクロソフトを通じて 独占ビジネスに経験と知識を持つゲイツが世界の終わりの日に向けて手を結び、世界中から植物や作物の種子を収集している狙いは明らかだ。
(クリックして拡大)
この種子貯蔵庫が建設されたスピッツベルゲン島のスエルバードという場所は北極点から1100キロメートル離れた場所に位置している。周りに人は一人も住 んでおらず、まさに氷に閉ざされた場所であり、種子の保存には最適の自然環境かもしれない。とはいえ、この地下130メートルの収蔵庫は鋼鉄で補強された 厚み1メートルのコンクリート製の壁で覆われ、核攻撃にも耐えうるといわれるほどの堅固なつくりとなっている。
スピッツベルゲン島自体が永久凍土の一部を形成しており、マイナス18度が最適と言われている種子の保存にとっては理想的な環境といえるだろう。しかも、この一帯は地震の恐れがまったくないという。
この地下貯蔵庫に集められた多くの種子は数千年の保存期間が保障されている。大麦の場合は2000年、小麦で1700年、モロコシでは2万年もの長期保存が可能といわれる。現在は300万種類の種子が保存されているが、今後さらに保存対象の種子を増やす計画のようだ。
実はこのような植物や動物の種を保存するための種子貯蔵庫は世界各地に作られている。その数1400。にもかかわらず、既存の種子貯蔵庫を遙かに上回る規模でノルウェー政府がこのような巨大な地下貯蔵庫を建設した理由は何であろうか。
意外に思われるかも知れないが、各地に作られた種子貯蔵庫は最近の経済金融危機の影響を受け、管理維持が難しくなりつつあるという。
将来の宝の山が失われつつある現状
イギリスにあるミレニアム種子貯蔵プロジェクトでは30万種類の植物種子を保存することで、将来の生物多様性を維持し、食糧や医薬品の開発に貢献しようとしている。当初の目的では2010年までに世界中に存在する種子の10%を収集することになっていた。
必要な費用はイギリスの宝くじ販売からの収益金と企業からの寄付金でまかなう構想であった。しかし、宝くじの収益は経済危機の影響で落ち込む一方となり、 加えて2012年のロンドン・オリンピックのためにも宝くじの収益金が欠かせないという状況が生まれ、このイギリスの種子貯蔵計画は空中分解一歩手前と なってしまった。
あらゆる種類の種子を集めることは将来の人類の生存にとって、欠かせない作業と言えるだろ う。なぜなら、ほんの30年前には「カサランサス」というマダガスカル・ペリーウィンクルという名前でも知られる植物にがんの治療薬に欠かせない成分が含 まれていることは知られていなかった。昨今の新型インフルエンザの発生を見ても、予防薬や治療薬を開発するために同様なケースが容易に想像できるだろう。
現在世界各地で森林の伐採や干ばつの進行によって、多くの自然の生物や植物が地上から姿を消し始めている。世界には1400か所ほどの種子貯蔵施設がある が、それらすべてを集めても地球上の植物多様性の中のほんの0.6%の種子を保存できているにすぎない。未だ人類が理解していない将来の宝の山が失われつ つあるという現状がある。それこそビル・ゲイツやモンサントなどが大きな関心を寄せている背景に違いない。
人類の将来の食糧危機や健康維持に必要な素材を確保する。また、同時にこれまで緑の革命の中で人工的に自然破壊が行われてきた過去の経緯を闇に葬ることも 可能になるだろう。モンサントをはじめ、デュポン、ダウ・ケミカルといったアグリビジネスがこれまで開発提供してきたデカブやパイオニア・ハイブレッドな ど遺伝子組み換え作物のトレーサビリティーが効かないようにすることも、あらゆる種子をコントロールすることで可能になるだろう。
こうした人類の未来を左右することになりかねない種子の保存や選別といった極秘ビジネスが2007年から始まったことに我々は無関心でいるわけにはいかな い。人間のありかたすらも影響を与えかねない。現在、種子の製造会社としてはモンサント、デュポン、シンジェンタそしてダウ・ケミカルが世界の市場をほぼ 独占しており、遺伝子組換え作物に関する特許もほとんど彼らが押さえてしまっている。
米国はアフリカ大陸を遺伝子組換え作物の実験場に
2007年、モンサントはアメリカ政府と共同でターミネーターと呼ばれる種子の特許を世界的に押えることに成功した。このターミネーターに関する特許を押 さえたことでモンサントはかつて人類の歴史上ないことなのだが、一民間企業が農業生産すなわち食物の確保に決定的な支配力を持つことになったと言えるだろ う。
世界中の農民たちは毎年モンサントをはじめ巨大アグリビジネスが提供する種子を買わざるを得ない。特に 米、大豆、トウモロコシ、小麦、といった主要作物に関してはあまりにも影響が大きくなりそうだ。2007年にそのような特許が成立したことを受け、今後 10年あるいは20年以内に確実に世界の食糧生産者の大多数はこれら4社が提供する種子が手に入らなければ、農業生産ができないという状況に追い込まれる だろう。
そのような長期的な食糧独占計画をアメリカ政府は国際開発庁が中心となりモンサントらとともに進め ているのである。これほど強力な外交交渉における武器もないだろう。アメリカの政策に反対するような国に対しては食糧生産に欠かせない種子の提供を拒むと いうこともありうるからだ。
すでにアメリカ政府はアフリカ大陸における遺伝子組換え農業の推進に着手してい る。モンサントが開発した遺伝子組換え種子をアフリカ各地で実験的に栽培する動きを支援し始めた。南アフリカでは遺伝子組換え作物の導入が法律を改正して 認められるようになった。また、ブルキナ・ファソでも実験的な遺伝子組換え作物の導入が始まり、ガーナでも同様の動きが見られるようになっている。
要はアメリカの新たな国家戦略としてアフリカ大陸をアメリカ製の遺伝子組換え作物の実験場にしようとしているわけである。その背後にはビル・ゲイツやヘッ ジファンドの帝王たちの新たな野望が見え隠れする。彼らの隠されたビジネス戦略については、筆者の最新刊『食糧争奪戦争』(学研新書)で詳しく取り上げ た。ご関心の向きには是非ご一読をお勧めしたい。世界の自然環境と食糧ビジネスは新たなマネーの流入で大きく変貌しようとしている。
<転載終わり>
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-300.html
今やモンサントの従業員食堂でも遺伝子組み換えを排除する時代になっている。イン ディペンデント紙の報道によると、英バッキンガムシャー州ハイウィカムにあるモンサントの製薬工場の食堂にはこんな掲示がしてあります。「この食堂で提供 する全食品からは、現実的に可能な限りGM大豆とGMトウモロコシが除去されています。私どもが提供する食品についてお客様が安心してもらえるよう努力し ています」(掲示しているのはSutcliffe Catering Groupというケータリング会社) 日本のタネ業者と自然農家を、バカなグーミンたちから守りましょう。
2009-10-14 世界の真実の姿を求めて
モンサント社の除草剤(グリフォセート)に耐性を持つスーパー雑草が世界中に発生してきた!
自然界を冒涜する遺伝子改良を読けてきたことが原因だ。
その結果恐ろしく強い雑草が出現。
モンサント社は別の薬剤を使うらしいが、それを使ってもまた新たなるスーパー雑草が出現するだろう。
そしてまた別のさらに強力な農薬が作られる。
そんなことが繰り返される。
その結果収穫できた農作物は、人間が食べられないものとなっている!
そして十年後の農業は、機械を使わない、原始農業になっているかも。
な ぜならスーパー雑草というのは農薬が効かない。農薬が効かないからこそ物理的に引き抜いたり刈ったりするしかない、と。でも、刈るのであれば、何も手で刈 らなくても機械でまとめて刈ればいいものだが、大規模な農地と機械化が特徴であるアメリカの農業なのに、何故人が1本1本スーパー雑草を刈っているのか?
それは、機械で刈るとなると、大事な作物も一緒に刈ってしまうから、不必要な雑草だけを選りわけて刈る必要がある。
おそろしく効率の悪い農業生産方法で、食料が減産され、食料危機がやってくる。
動画:1本1本スーパー雑草を刈っている人たちhttps://www.youtube.com/watch?v=B-cka5s4AqE
http://www.y-asakawa.com/message2009-1/09-message54.htm
スーパー雑草による被害の拡大
ご覧になられた方も多かったと思うが、見逃された方や見たものの、事態をあまり深刻に受け止められなかった方もおることと思われるので、改めてその内容を知って頂くために、番組の概要をお伝えすることに した。決して聞き流しておれるような話ではないからである。
今、日本全国の農地で異変が起き始めている!
稲 穂が実りはじめた今、日本の各地で稲の間を埋め尽くすように繁殖している「スーパー雑草」によって、稲作に大変な被害が発生しはじめている ようである。 「スーパー雑草」とは何か? その代表的な種が先般、HP「水田の野鳥と昆虫①」に掲載した白い花の「オモダカ」という雑草である。
この「オモダカ」は水辺に咲く2センチほどの小さな花で、雑草にしておくのがもったいないような可憐な草花である。田んぼの一角で数輪が咲いている分には、農家の方にとってもさして害にならないが、これが田の中一面に生い茂るとなると、重大事である。
昔から農家の方にとって一番頭が痛いのは、田や畑の雑草の草取りである。それだけに、近年この雑草を除草剤で除去することが出来るようになったのは、農作業を進める上で大変喜ばしいことであった。
ところが、この除草剤に頼り切り、より効果の高い除草剤を農家の方が一斉に使うようになった結果、除草剤に耐性を持つ雑草が出現してきたのである。その一つが「オモダカ」というわけだ。
雑草にしろ、農作物にしろそれらの植物は、体内に持つ酵素がタンパク質と結合してアミノ酸を作って成長していく。そこで、酵素がタンパク質と結合しないように結合する面をふさげば、植物は枯れてしまう。その役目をするのが除草剤である。
近 年、アメリカの薬品会社によってほとんどの雑草に効き、効果が長持ちする「SU 剤」 という大変効率のよい除草剤が開発された。一度散布すればそれで済むということで、農家の方が一斉に使用するようになり、今では アメリカだけでなく世界中の主要な農地でこのSU剤が使われている 。
この40年間で、世界の人口はおよそ2 倍に達した。その人口増を養ってこれたのは、乾燥や害虫に強い品種の改良や小量で多くの雑草に効果のあるSU剤などの除草剤の開発であった。日本において も、効率的な除草剤は多くの農家が求めていたものであったので、田や畑で広範囲に使われてきた。
雑草の反逆が始まった!!
製 薬会社が開発を進めてきたのは、乾燥や害虫に強い品種の改良だけではなかった。除草剤の影響を受けない品種の改良も同時に行われてきた。それ が出来なければ、強力な除草剤を使うことが出来ないからである。それらは、みな今論議を呼んでいる「遺伝子組み換え」の技術を使って為されてきた ものである。
そして、散布から十数年が経過した今、いじめられてきた雑草たちの大反撃が始まったのである。稲 の間を埋め尽くした「オモダカ」は、稲の養分を奪い、稲穂の成長を妨げはじめているのだ。 それによって、どの程度の被害が発生するのかというと、20%から40%の減産につながるというから、農家にとっては一大事である。
5 年ほど前から除草剤の効かない「オモダカ」が繁殖し始めた宮城県では、今その被害が全農地の3分の1にまで広がってきており、農業経営に深刻な問題を引き 起こしているのである。 さらに心配なのは、除草剤の効かないスーパー雑草が「オモダカ」以外にも広がっていることである。現在、専門家により確認されているだけでも、すでに17 種類に達して おり、その被害が懸念されはじめている。
もともと「オモダカ」は冷たい水で生育する植物なの で、寒冷地や高冷地にだけ咲く花であったが、除草剤の影響を受けて、今は温暖な地、九州までその繁殖地が広がっている。それだけに、除草剤に免疫力を持っ たオモダカが全国規模で広まるようなことになったとしたら、日本の稲作農家にとっては一大事である。
17種類のスーパー雑草の中には水田に繁殖する雑草だけでなく、畑で繁殖するものも含まれているので、このまま早急な対策が講じられなければ、日本 における食糧事情の悪化につながる可能性が大である。
その被害は世界に広まっている
アメリカの巨大農園が雑草の反撃にさらされはじめている。
それでは、海外からの輸入を増やせばよいのではないかと考えるかもしれないが、「スーパー雑草」の蔓延は何も日本固有の問題ではないのである。例えば、世界最大の穀物輸出国であるアメリカでは、 「スーパー雑草」の問題は我が国よりはるかに深刻な問題となっているのだ。
遺 伝子組み換え農業の本家で、巨大な農場を持つアメリカのことであるから、想像に難くないところであるが、ジョージア州をはじめとするアメリカの東南部一帯 では、 すでに「スーパー雑草」の繁殖エリアが 、この5年間で2800倍に広がっており、その拡大状況はまさに天文学的な数値に達しているのである。
ア メリカでは、遺伝子組み替え作物の作付け面積の割合は、トウモロコシで85%、大豆では91%に達している。そのことを考えると、これからアメリカの農家 を襲う 「スーパー雑草」の被害は想像を絶するものになる可能性が大きい。だからこそ、アメリカの研究者は「スーパー雑草」の蔓延は世界の食糧危機につながると警 告を発している のである。
またテレビでは、アメリカの状況だけしか触れていなかったが、その被害がヨーロッパやロシア、中国、東南アジアの一角に広がりはじめていることは間違いない。なぜなら、 「スーパー雑草」を産み出したSU剤は今や世界的に使用されているからである 。
遺 伝子組み換えや除草剤の製造などを進める上で、研究者に欠けているのは、作物にしろ雑草にしろ、そうした植物の生命に対する倫理観である。 学者は植物も動物もみな人間と同じ心を持った生命体であることの認識に欠けている。そのため、そういった研究者たちによって産み出された 新種や薬品は、SU除草剤に限らず決してよい結果を産むことにはならないのである。
現に、最近の野菜類の栄養 価は一昔前のそれらに比べて半分以下に落ちているといわれている。そこに目をつけたのが通販の主力商品となっているミネラル類の栄養食品である。劣化して きているのは栄養価だけではない。トマトなど昔のおいしさを知っている我々60代の人間は、 自然野菜の持つ本当のおいしさ感じなくなって既に久しい。
ア イオワ州立大学農学部のボブ・ハーツラー教授によるこの論文が明らかにしたところによると、過去7年間に、除草剤のグリフォセートに抵抗性がある5種類の 雑草が発見された。グリフォセートは、モンサント社の商標登録名ラウンド・アップによって良く知られている。その抵抗性は、従来から懸念されていたような GM除草剤の耐性作物から移転された遺伝子によってではなく、自然の進化によって起こった。
グリフォセートは「広範囲の」除草剤である。すなわち、それは、何でも、作物までも枯らすということを本来意味した。GM作物はグリフォセートに耐性を持つように開発されたので、生育期を通じてグリフォセートを散布することが可能になった。
イギリスで商業的な栽培が申請されている2つのGM作物、飼料ビートと砂糖大根はグリフォセートに耐性を持つ。しかし、グリフォセートでも枯れない雑草がオーストラリア、チリ、マレーシア、そしてカリフォルニア州を始めとするアメリカのさまざまな地域で発見された。
モ ンサント社のアメリカでの大豆技術課長、グレッグ・エルモア氏は、モンサント社はグリフォセートへの抵抗性という問題を深刻に受けとめ、「雑草管理の実 践」によってその問題に取り組んでいると語った。大豆に関しては、抵抗性のある雑草は、別の除草剤である2,4-Dを使って、植え付け前に焼き尽くす(何 もかも枯らしてしまう)ことによってコントロールされたと、彼は説明した。
グリフォセートがGMではない作物に使われていた農地で、抵抗性のある雑草が少なくとも3種類出てきたと彼は述べた。それは雑草が抵抗性を起こしたただ一つの除草剤とは言えず、70種類ほどの雑草が何らかの除草剤に抵抗性を持ったと付け加えた。
地 球の友という団体で反GMキャンペーンをしているピート・リレー氏は、モンサント社のような会社は、GM作物と除草剤は環境への影響が少ないと話している が、事実は、抵抗性をもつ雑草は、間違いなく除草剤使用量を増加させ、環境への影響も大きくなることを意味すると語る。「これらの発見はGM作物の議論か ら核心的な論点を取り去ってしまう。」
http://www.asyura.com/0403/gm10/msg/200.html
そ うです、スーパー雑草というのは農薬が効かないのです。農薬が効かないからこそ物理的に引き抜いたり刈ったりするしかない、と。でも、刈るのであれば、何 も手で刈らなくても機械でまとめて刈ればいいものをと、私は一瞬思ってしまいました。大規模な農地と機械化が特徴であるアメリカの農業なのに、何故人が1 本1本スーパー雑草を刈っているのか?
それは、機械で刈るとなると、大事な綿花も一緒に刈ってしまうからなのではないでしょうか。不必要な雑草だけを選りわけて刈る必要がある、と。
いずれにしても、今アメリカでは、スーパー雑草が大繁殖しているのです。
ジョージア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、アーカンソー州、テネシー州、ケンタッキー州、ミズーリー州、と。
あまりのスーパー雑草の繁茂ぶりに、農地を手放してしまうケースもあるとか。
では、一体、どうしてこんなことなことが起きているのか? さあ、何故でしょう。
年配の人なら想像がつくかもしれません。我々、小さな時に習いました。農薬を使い過ぎると、だんだん農薬が効かなくなる、
と。農薬が効かなくなるというよりも、農薬に耐性を持つ植物に変異する、と。
では、アメリカの農家は農薬を使い過ぎたのか?
アメリカの化学会社は、こんなことを言って遺伝子組み換え作物を宣伝しました。「遺伝子組み換え作物にすれば、農薬を撒く回数も少なくなるから‥」、と。そして、雑草を除去する手間がなくなるから仕事が楽になる、と。
ただ、遺伝子組み換え作物の種子は、農薬もセットになって販売されているのです。そして、その農薬を散布すれば、雑草は生えないが、栽培される本体の植物が枯れることは決してない、と。何故かといえば、その農薬に耐性を持つように遺伝子操作がなされているからです。
しかし、一部の人が予想したとおり、遺伝子操作された植物が大量に栽培されるようになると、当該農薬に耐性を持つ雑草が出現してしまったのでした。
結果、雑草を刈る手間を省く目的だったのが、却って雑草を刈る手間を増やしてしまった、と。
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-314.html
農協推奨!日本でバンバン使われているモンサントの除草剤ラウンドアップは諸外国で使用禁止の猛毒
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11506272533.html
ラウンドアップ(グリホサート剤)は、既に成分特許が切れているため、様々な名前で同剤が販売されています。日本では住友化学園芸の「草退治」など
http://www.sc-engei.co.jp/guide/syo00516.html
TPP で有名になったモンサント社。この会社はロックフェラーの軍産複合体の一部で、ベトナム戦争で枯葉剤をばら撒いたのは有名。戦争が終わってあり余った枯葉 剤を除草剤ラウンドアップとして名前を変えて販売。発ガンの原因の一つとも考えられている。日本では住友化学が販売。
TPPの裏の顔が見える。
住友化学株式会社代表取締役会長米倉弘昌が経団連 名誉会長。
http://goo.gl/Mocw6P
◆ビル・ゲイツやユダヤ金融資本家たちの種子独占計画
2009-10-11 世界の真実を求めて
日本では既にモンサント社は農協を使い、日本の玉ねぎだけを見ても90%を悪魔の種(遺伝子組み換えの自殺種のF1種)に切り替えさせた!
その悪魔の種は恐ろしいことを引き起こし始めた。
従来の野菜種と勝手に交配して、種をとれなくしてしまう。
在来種絶滅の危機がやってきている。
放置していても、悪魔の種(遺伝子組み換えF1種)が在来種子を絶滅させるということの重大さに、
真っ先に気づいたのが、他ならないロックフェラーとゲイツ、モンサントらユダヤ金融資本であり、このためゲイツやモンサント、ノルウェー政府が遺伝子保存計画を実現ようとしした。
それがビル・ゲイツやヘッジファンドの帝王たちの現代版「ノアの方舟建設計画」
保存した種子は人類のためのものなのか?
そしてユダヤ人はユダヤ人以外の人間(ゴイム)にもその種子は与えるのだろうか?
ただ言えることは、
《権力者》を怒らせることをしたり、反対したりしようものなら、《支配者たち》はただ、種子を売るのを拒否するだけでいいのだ、それを避けるためには種子を持たない者は隷属的にならざるを得ない!
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写真のような巨大種子倉庫が北極の地下に作られたということは、種子が絶滅するのが確実であることを暗示している。
種子の絶滅対策に、日本は何をしているのだろうか?
「ユダヤ人 ビルゲイツの謀略とモンサントの国際食糧テロ活動」
ビル・ゲイツやヘッジファンドの帝王たちの新たな野望が始まった。世界の自然環境と食糧ビジネスは新たなマネーの流入で大きく変貌しようとしている。
現代版「ノアの方舟建設計画」
FX 会社最新順位と比較 2009年5月5日、ニューヨークはマンハッタンにあるロックフェラー大学の学長でノーベル化学賞の受賞者ポール・ナース博士の邸宅 に世界の大富豪とヘッジファンドの帝王たちが集まった。この会に名前はついていないが、参加者たちは「グッドクラブ」(善意の集まり)と呼んでいる。
主な顔触れはデービッド・ロックフェラーJr、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、マイケル・ブルムバーグ、テッド・ターナー、オプラ・ウィンフ レーと言った超豪華メンバー。この集まりを呼び掛けた人物はパソコンソフトの標準化を通じて寡占状態を築き上げ、個人資産5兆円を超すビル・ゲイツであ る。
これほどの大富豪たちが一堂に会し、密かに議論したテーマは何であったのか。実は世界の人口増大をいかに食い止めるか、そのために彼らが所有する巨万の富をいかに有効に活用すべきか、ということであった。
議長役としてこの会を取り仕切ったビル・ゲイツによれば、「人類の未来に立ちふさがる課題は多いが、最も急を要する問題は人口爆発である。現在67億人が住む地球であるが、今世紀半ばには100億人の可能性もありうる」
「こ のままの状況を放置すれば、環境・社会・産業への負荷が過大となり地球環境を圧迫することは目に見えている。なんとしても人口爆発の流れを食い止め、83 億人までにとどめる必要がある。各国政府の対応はあまりにスローで当てにはできない。潤沢な資金を持ち寄り、我々が責任をもって地球の未来を救うために独 自の対策を協力して推し進める必要がある」とのことであった。
ゲイツはその思いをすでに具体化するために、あるビッグプロジェクトに資金を注いでいる。それが現代版「ノアの方舟建設計画」に他ならない。
「北極種子貯蔵庫」に巨額の資金を提供したゲイツ氏
この計画は2007年から本格的に始まった。人類がこれまで手に入れてきたあらゆる農業遺産を保護することを目的としている。
あらゆる国の農業で不可欠の役割を果たしてきた種子を未来のために保存するということである。見方を変えれば、生き残れる人類とそうでない人類を区別することもできる。
この計画を推進してきたのは、ノルウェー政府であるが、資金面で協力してきたのがビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金。この慈善事業団体を通じて、毎年 15億ドルを使わなくてはならないゲイツ氏はこれまでエイズの撲滅やがんの治療ワクチンの開発等に潤沢な資金を提供してきた。
そ の彼が、2007年、ノルウェーのスピッツベルゲン島に建設された「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」に巨額の資 金を提供していることはほとんど知られていない。ゲイツのお陰で、この貯蔵庫は2008年2月26日に正式オープンを迎えた。
核戦争が勃発したり、地球温暖化の影響で種子が絶滅したような場合でも、未来の人類がこれらの種子を再生できるように保存するのが目的だという。しかし、この種子の提供を受けなければ将来は食糧を手に入れることはできなくなってしまう可能性は高い。
しかも、ゲイツ基金の他にロックフェラー財団、モンサント、シンジェンタ財団、CGIAR(国際農業調査コンサルグループ)なども、未来の作物の多様性を 確保するため300万種類の植物の種子を世界から集めて保管し始めたのである。ちなみに、シンジェンタはスイスに本拠を構える遺伝子組換え作物用の種子 メーカー。CGIARはロックフェラー財団とフォード財団が資金提供を行っている組織。
この計画に共同提案 者として協力しているグローバル・クロック・ダイバーシティー・トラスト(GCDT:世界生物多様性信託基金)のカーリー・パウラー博士によれば、「我々 は毎日のように作物生物の多様性を失いつつある。将来の農業のため、そして気候変動や伝染病などの危機から人類を守るため、あらゆる環境に適用する種子を 保存する必要がある。いわば、あらゆる危機に生き残る種子を集めたフエール・セーフの金庫が必要だ」。
このGCDTは国連食糧機構(FAO)とCGIARによって設立された。この会長はフランスの水企業スエズの経営諮問委員会に籍を置くマーガレット・カールソンである。
「緑の革命」がもたらしたもの
ビル・ゲイツをはじめ農薬や種子をビジネスとするモンサントやシンジェンタは、いったいどのような人類の未来を想定しているのであろうか。
また、ロックフェラー財団はかつて食糧危機を克服するという目的で「緑の革命」を推進した中心組織である。当時の目論見 では在来種より収穫量の多い高収量品種を化学肥料や除草剤を投入することで拡大し、東南アジアやインドで巻き起こっていた食糧不足や飢餓の問題を解決でき るはずであった。
ロックフェラー財団の農業専門家ノーマン・ボーローグ博士はこの運動の指導者としての功績が認められ、1970年にノーベル平和賞を受賞している。しかし、緑の革命は石油製品である化学肥料や農薬を大量に使用することが前提であった。
メキシコの小麦やトウモロコシ栽培で見られたように、導入当初は収穫量が2倍、3倍と急増した。しかしその結果、農作地は疲弊し、新しく導入された種子も年を経るにしたがい収穫量が減少し始めた。そのためさらに化学肥料を大量に投入するという悪循環に陥ってしまった。
最終的には農薬による自然破壊や健康被害も引き起こされ、鳴り物入りの緑の革命も実は伝統的な農業を破壊し、食物連鎖のコントロールを農民の手から多国籍企業の手に移そうとするプロジェクトにすぎなかったことが明らかになった。
とはいえ、このおかげで石油産業をベースにするロックフェラー一族やセブンシスターズ、そして世界最大の種子メーカーであるモンサントをはじめ、大手アグリビジネスは空前の利益を上げたことは言うまでもない。
ノルウェー政府が推進している「ノアの方舟計画」に参加しているモンサントやシンジェンタにとって、どのようなメリットが種子銀行にはあるのだろうか。
種子を押さえることで食糧生産をコントロール
これら遺伝子組換え作物の特許を所有する多国籍企業にとっては「ターミネーター」と呼ばれる技術特許が富を生む源泉となっている。要は、この技術を組み込まれた種子を捲いて育てても、できた種子は発芽しないように遺伝子を操作されているのである。
言い換えれば、どのような状況においても一度この種子を導入した農家は必ず翌年も新たな種子を買わなければならないのである。いわば種子を押さえることで食糧生産をコントロールできるようになるわけだ。
緑の革命を推進してきたロックフェラー財団やターミネーターを開発し、世界に普及させようとしている巨大なアグリビジネス、そしてマイクロソフトを通じて 独占ビジネスに経験と知識を持つゲイツが世界の終わりの日に向けて手を結び、世界中から植物や作物の種子を収集している狙いは明らかだ。
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この種子貯蔵庫が建設されたスピッツベルゲン島のスエルバードという場所は北極点から1100キロメートル離れた場所に位置している。周りに人は一人も住 んでおらず、まさに氷に閉ざされた場所であり、種子の保存には最適の自然環境かもしれない。とはいえ、この地下130メートルの収蔵庫は鋼鉄で補強された 厚み1メートルのコンクリート製の壁で覆われ、核攻撃にも耐えうるといわれるほどの堅固なつくりとなっている。
スピッツベルゲン島自体が永久凍土の一部を形成しており、マイナス18度が最適と言われている種子の保存にとっては理想的な環境といえるだろう。しかも、この一帯は地震の恐れがまったくないという。
この地下貯蔵庫に集められた多くの種子は数千年の保存期間が保障されている。大麦の場合は2000年、小麦で1700年、モロコシでは2万年もの長期保存が可能といわれる。現在は300万種類の種子が保存されているが、今後さらに保存対象の種子を増やす計画のようだ。
実はこのような植物や動物の種を保存するための種子貯蔵庫は世界各地に作られている。その数1400。にもかかわらず、既存の種子貯蔵庫を遙かに上回る規模でノルウェー政府がこのような巨大な地下貯蔵庫を建設した理由は何であろうか。
意外に思われるかも知れないが、各地に作られた種子貯蔵庫は最近の経済金融危機の影響を受け、管理維持が難しくなりつつあるという。
将来の宝の山が失われつつある現状
イギリスにあるミレニアム種子貯蔵プロジェクトでは30万種類の植物種子を保存することで、将来の生物多様性を維持し、食糧や医薬品の開発に貢献しようとしている。当初の目的では2010年までに世界中に存在する種子の10%を収集することになっていた。
必要な費用はイギリスの宝くじ販売からの収益金と企業からの寄付金でまかなう構想であった。しかし、宝くじの収益は経済危機の影響で落ち込む一方となり、 加えて2012年のロンドン・オリンピックのためにも宝くじの収益金が欠かせないという状況が生まれ、このイギリスの種子貯蔵計画は空中分解一歩手前と なってしまった。
あらゆる種類の種子を集めることは将来の人類の生存にとって、欠かせない作業と言えるだろ う。なぜなら、ほんの30年前には「カサランサス」というマダガスカル・ペリーウィンクルという名前でも知られる植物にがんの治療薬に欠かせない成分が含 まれていることは知られていなかった。昨今の新型インフルエンザの発生を見ても、予防薬や治療薬を開発するために同様なケースが容易に想像できるだろう。
現在世界各地で森林の伐採や干ばつの進行によって、多くの自然の生物や植物が地上から姿を消し始めている。世界には1400か所ほどの種子貯蔵施設がある が、それらすべてを集めても地球上の植物多様性の中のほんの0.6%の種子を保存できているにすぎない。未だ人類が理解していない将来の宝の山が失われつ つあるという現状がある。それこそビル・ゲイツやモンサントなどが大きな関心を寄せている背景に違いない。
人類の将来の食糧危機や健康維持に必要な素材を確保する。また、同時にこれまで緑の革命の中で人工的に自然破壊が行われてきた過去の経緯を闇に葬ることも 可能になるだろう。モンサントをはじめ、デュポン、ダウ・ケミカルといったアグリビジネスがこれまで開発提供してきたデカブやパイオニア・ハイブレッドな ど遺伝子組み換え作物のトレーサビリティーが効かないようにすることも、あらゆる種子をコントロールすることで可能になるだろう。
こうした人類の未来を左右することになりかねない種子の保存や選別といった極秘ビジネスが2007年から始まったことに我々は無関心でいるわけにはいかな い。人間のありかたすらも影響を与えかねない。現在、種子の製造会社としてはモンサント、デュポン、シンジェンタそしてダウ・ケミカルが世界の市場をほぼ 独占しており、遺伝子組換え作物に関する特許もほとんど彼らが押さえてしまっている。
米国はアフリカ大陸を遺伝子組換え作物の実験場に
2007年、モンサントはアメリカ政府と共同でターミネーターと呼ばれる種子の特許を世界的に押えることに成功した。このターミネーターに関する特許を押 さえたことでモンサントはかつて人類の歴史上ないことなのだが、一民間企業が農業生産すなわち食物の確保に決定的な支配力を持つことになったと言えるだろ う。
世界中の農民たちは毎年モンサントをはじめ巨大アグリビジネスが提供する種子を買わざるを得ない。特に 米、大豆、トウモロコシ、小麦、といった主要作物に関してはあまりにも影響が大きくなりそうだ。2007年にそのような特許が成立したことを受け、今後 10年あるいは20年以内に確実に世界の食糧生産者の大多数はこれら4社が提供する種子が手に入らなければ、農業生産ができないという状況に追い込まれる だろう。
そのような長期的な食糧独占計画をアメリカ政府は国際開発庁が中心となりモンサントらとともに進め ているのである。これほど強力な外交交渉における武器もないだろう。アメリカの政策に反対するような国に対しては食糧生産に欠かせない種子の提供を拒むと いうこともありうるからだ。
すでにアメリカ政府はアフリカ大陸における遺伝子組換え農業の推進に着手してい る。モンサントが開発した遺伝子組換え種子をアフリカ各地で実験的に栽培する動きを支援し始めた。南アフリカでは遺伝子組換え作物の導入が法律を改正して 認められるようになった。また、ブルキナ・ファソでも実験的な遺伝子組換え作物の導入が始まり、ガーナでも同様の動きが見られるようになっている。
要はアメリカの新たな国家戦略としてアフリカ大陸をアメリカ製の遺伝子組換え作物の実験場にしようとしているわけである。その背後にはビル・ゲイツやヘッ ジファンドの帝王たちの新たな野望が見え隠れする。彼らの隠されたビジネス戦略については、筆者の最新刊『食糧争奪戦争』(学研新書)で詳しく取り上げ た。ご関心の向きには是非ご一読をお勧めしたい。世界の自然環境と食糧ビジネスは新たなマネーの流入で大きく変貌しようとしている。
<転載終わり>
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-300.html
今やモンサントの従業員食堂でも遺伝子組み換えを排除する時代になっている。イン ディペンデント紙の報道によると、英バッキンガムシャー州ハイウィカムにあるモンサントの製薬工場の食堂にはこんな掲示がしてあります。「この食堂で提供 する全食品からは、現実的に可能な限りGM大豆とGMトウモロコシが除去されています。私どもが提供する食品についてお客様が安心してもらえるよう努力し ています」(掲示しているのはSutcliffe Catering Groupというケータリング会社) 日本のタネ業者と自然農家を、バカなグーミンたちから守りましょう。
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