2015年8月6日木曜日

朝日新聞02年12月08日社説
朝日新聞03年01月01日社説
産経新聞03年01月01日社説
毎日新聞03年01月01日社説
「アベック3組ナゾの蒸発」「外国情報機関が関与?」(拉致事件初の報道)
衝撃的な初の実名報道(横田めぐみさんの初の実名報道・平成9年2月3日付朝刊1面)
「うちの娘だと思う」(横田めぐみさんの初の実名報道・平成9年2月3日付朝刊社会面)
新聞協会賞受賞時の阿部記者のコラム
「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」設立趣意書
座談会 日朝首脳会談どう評価するか
97年6月6日付『朝鮮新報』
坂本義和氏、朝鮮新報社インタビュー記事
朝鮮総連組織図
北朝鮮はいま:田英夫参議院議員に聞く
食糧支援拒否する日本政府 (北川広和)
朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法
朝鮮新報「新潟少女拉致疑惑事件」
日朝国交正常化の課題/「過去の清算」なくして「拉致解明」なし
朝鮮総聯に対する要望決議(案)
在日コリアン市民協会(案)
在日コリアン団体比較表
難民の地位に関する条約
なぜ米国に行かなければならないのか(2001年03月16日)
家族会訪米関連記事(2001年)
家族会訪米関連記事(2003年)
拉致問題 米で広がる支援の輪 横田夫妻のビデオに涙…激励メッセージ続々
週刊文春平成14年11月28日号「公明党は学会員拉致被害者を見捨てた!」
北朝鮮ミサイル発射
北朝鮮核保有明言を受けての各紙社説(2003/4/26)
曽我さん家族の住所報道で臨時委員会開催 ・朝日新聞
拉致議連・日朝友好議連に所属している議員一覧(2003年8月現在)
戦争被害調査会設置法の早期制定に関する請願紹介議員一覧
拉致ヒステリーの落とし穴(ニューズウイーク)
辛光洙を含む政治犯の釈放嘆願書に署名した議員
辛光洙逮捕を報じる新聞
何もしてくれなかった現実(週刊SPA2002/10/15)
国連人権委員会強制的作業部会で家族会代理として外務省齋木審議官が陳述
万景峰号入港に関する平山新潟県知事宛質問状、及び回答書
北朝鮮船籍の港別入港状況(1998~2003)
朝日新聞折り込みチラシ(04年2月配布された折り込みチラシ)
「私が会った拉致日本人」新たな7人!(FRIDAY2003年5/2号)
山本美保さん問題 山梨県警の行動・回答書への疑問点・矛盾点
大町ルート(在日朝鮮人の物資輸送ルート・失踪者が多いルートでもある)
   

資料
朝日新聞 夕刊 1985年(昭和60年)6月28日 金曜日
 

日本人ら致、身代わりスパイ

宮崎から北朝鮮に

韓国発表 工作員ら3人拘束

【ソウル二十八日=小林(慶)特派員】韓国の国家安全企画部は二十八日、大阪の中華料理店に勤務していた日本人コック を朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)にら致し、本人になりすまして日本に住み、スパイ網をつくって活動を続けていた北朝 鮮スパイ、辛光洙(五六)=朝鮮労働党所属=と、辛に抱き込まれスパイ活動を行っていた金吉旭(五七)=大阪市、衣類小 売商=、方元正(五〇)=東京都、ニューコリアン酒屋経営=の三人を国家保安法違反、スパイ罪などの容疑でソウル地検に 身柄とともに送検したと発表した。日本人になりすましてスパイ活動をした例は過去にもあるが、そのため日本人を北朝鮮に ら致したケースは今回が初めてといわれる。
 同部の発表によると、主犯の辛は北朝鮮の最高首脳から「日本人をら致し、本人になりすまして在日工作を続けよ」との指 令を受け、八〇年四月、李三俊・在日朝鮮人大阪府商工会元理事長らと計画を練り、李氏が経営する中国料理店「宝海楼」= 大阪市天王寺区下味原=に勤める日本人コック原敕晃(ただあき)さん(四九)が独身で身寄りの少ないことに目をつけた。 八〇年六月、原さんを「良い職場を世話する」とだまして宮崎県青島にある李吉炳・在日朝鮮人大阪府商工会長所有の別荘に 連れ込んだ。さらに青島海水浴場の児童公園に誘い出したうえ、ここで待ち構えていた北朝鮮工作員四人と力ずくで口をふさ ぎ、手足をしばった後、袋に入れて八人乗りゴムボートで五百メートル沖に待機していた北朝鮮の工作船に移し、辛が同行し て北朝鮮へ連れ去ったという。このあと辛は、原さんの経歴、家族の構成、過去の生活から中国料理法までマスター、完全に 本人になりすまして、八〇年十一月、日本に不法入国し、原さん名義の旅券、運転免許証、国民保険証などの発給を受け、韓 国へ来るなどしてスパイ活動を続けていたという。
 辛は、日本で在日僑胞十二人のスパイ網を作り上げる一方、朝鮮総連系の在日僑胞を在日韓国居留民団(韓国系)に偽装転 向させ、その友人である李成洙氏(四七)=会社副社長=らを巻き込んで韓国の国家機密を集めていたという。去る二月二十 四日、辛は組織点検のためソウルを訪れたが、李副社長が自首したためスパイと分かり同月二十六日逮捕された。  同部は主犯、辛が日本人になりすました際使っていた戸籍などの各種文書、北朝鮮の指令受信装置、暗号書、抱き込み対象 者名簿など多数を押収し発表している。
 さらに同部によると、原さんは本籍が島根県松江市天神町四五ノ九で、長崎市鍛冶屋町七二で生まれ、長崎で中学校を卒業 したあと、長崎市立商業学校を三年で中退、五八年から大阪市の中華料理店を転々としながらコックを務めていたという。原 さんは身寄りが少なく、母親の違う兄、原康二さん=長崎市浜町在住といわれる=がいるが、この二十年間接触がなかったと いう。
 辛の自供によるとら致された原さんは北朝鮮で「元気でいる」という。

     ◇
 長崎市立長崎商業高校の話では昭和三十一年五月末に同校を病気中退した生徒に「原勅晃(ただあき)」という人がいた。 昭和十二年八月二日生まれで、当時長崎市東浜町(現浜町)に住み、両親が亡くなっていたらしく兄の耕一さん(五八)が保 護者になっていた。耕一さんは現在、浜町の商店街で万年筆店を経営している。

「寝耳に水…何のことか」商工会幹部ら

李三俊・元理事長は朝鮮籍の在日二世。在日朝鮮人大阪府商工会の役員などを歴任し、約六年前に「宝海楼」を始めた。韓 国政府発表のスパイ事件を報道関係者から聞き、「寝耳に水で驚いている。私には何のことかわからない。原という人物は確 かに数年前まで店で働いていた。しかし、『体がもたない。やめたい』と言い出したので、仕事ぶりもまじめでなかったので やめてもらった」と話している。
 また、同商工会の李吉炳会長(七〇)は二八日、朝鮮総連中央本部で「びっくりしている。宮崎へは終戦直後に一度だけ行 ったことがあるが、別荘など持っていない。原という日本人も、もちろん知らない。南北の対話ムードに水をさすひどいでっ ち上げで許せない」と話した。
 李吉炳会長は、済州島出身の在日一世。戦前から日本に住んでおり、同商工会の副会長を経て、三年前から会長。

 〈注〉在日朝鮮人大阪府商工会 大阪府下の在日朝鮮人商工業者の権益を守るため、終戦直後につくられた組織で、会員約 五千二百人。在阪の朝鮮人の商工業者の団体では最大で、大阪市北区中崎に本部、大阪府下二十四カ所に地域の商工会がある。

過去にも ら致事件?

警察庁、情報入手を急ぐ

 日本人になりすました「北朝鮮スパイ」が韓国で逮捕された事件について警察庁は二十八日、過去にも日本人がスパイにら 致された疑いのある事件が起きているため事態を重視、大阪、宮崎両府県警に対し、原さんが行方不明になった前後の行動の 確認など実態の解明をするように指示した。また、外務省を通じ、逮捕された北朝鮮スパイの供述などの情報入手を急いでい る。
 警察庁によると、北朝鮮スパイが日本で検挙されたケースは今年三月までに四十三件ある。これらのスパイは、治安当局に よると(1)密入国して北朝鮮に家族や親類などがいる在日北朝鮮人に協力を求め、この在日北朝鮮人になりすます(2)日本人と 偽装結婚する(3)身寄りがなかったり、家族から隠れて生活している蒸発人間になりすます、などして旅券を入手していた。
 ところが、今回の事件をきっかけに日本の治安当局がスパイによるら致事件の疑いを改めて強めているのは、五十三年七- 八月に賭けて北陸を中心に日本海側で相次いで起きた四件の蒸発、ら致未遂事件。同年八月五日夕、富山県高岡市の海岸を散 歩していた会社員(二八)と婚約者の各種学生(二一)=いずれも当時=が、四人の男に襲われ布袋を頭からかぶせられたり して連れ去られそうになったが、未遂に終わった。このとき、会社員が後ろ手にかけられた手錠や二人がはめられたゴム製の さるぐつわが日本製でないことなどから、背後関係が注目された。
 警察庁の指示で全国の警察が行方不明や蒸発事件を洗い直した結果、この年の夏、福井県小浜市(七月七日)、新潟県柏崎 市(七月三十一日)、鹿児島県日置郡吹上町(八月十二日)で挙式直前の婚約者同士や帰省中の東京の大学生、電電公社員が、 それぞれ女友達と海岸を散歩中に行方不明になっており、いずれも蒸発の原因などがまったくないことや、それぞれ近くに乗 ってきた車や自転車などをキーをつけたまま駐車していたことなどから、地元警察で現在も「何らかの事件に巻き込まれた疑 いがある」として捜査を続けていた。
 警察庁などはこれら一連のら致、未遂事件の解明を急ぐ一方、各警察本部に警戒を指示している。


朝日新聞 1985年(昭和60年)6月28日 金曜日  夕刊
 

毎日新聞 夕刊 1985年(昭和60年)6月28日 金曜日
 

身代わりスパイ逮捕


旅券入手目的 北朝鮮に日本人ら致
韓国発表


 【ソウル二十八日重村特派員】韓国の国家安全企画部は二十八日、日本人になりすまし、日本の旅券で韓国に入国した朝鮮
民主主義人民共和国(北朝鮮)のスパイと、在日韓国人ら三人を逮捕したと発表した。この北朝鮮スパイは日本の旅券を入手
するため、日本人を北朝鮮にら致した事実も自供したという。
 北朝鮮のスパイ容疑で逮捕されたのは、主犯の辛光洙(五六)と、大阪市東成区小橋三の三の二三、衣類販売、金吉旭(五
七)▽東京豊島区要町二の三〇、自営業、方元正(五〇)の三人。
 安全企画部の発表によると、辛は大阪市生野区鶴橋にある中華料理店「宝海楼」で働いていた日本人、原敕晃さん(四九)
を北朝鮮にら致し、辛が原さんに入れ代わることを計算した。この計画に基づいて辛らは八〇年六月中頃、原さんを宮崎県青
島海岸に連れ出し、待ち合わせていた北朝鮮工作船に原さんを乗せ、ら致した。
 辛はその後、北朝鮮で原さんに入れ代わる訓練を受け、八〇年十一月に再び日本へ密入国した。辛は原さんになりすまし、
住民登録を済ませ、原さん名義の旅券と運転免許証などを入手した。辛はこの旅券を使って八二年以来六回にわたり東京と欧
州、平壌の間を往復した。
 辛は韓国内でのスパイ組織づくりのため、今年二月二十四日に方元正とともにソウル入りした。辛は方の親戚にあたる退役
将校を仲間に加えようとしたが、この退役将校が当局に訴えたため、二月二十六日にソウル市内のホテルで逮捕された。金吉
旭は辛らの逮捕を知らずに韓国に入り逮捕された。
 原さんのその後の消息について、辛は「北朝鮮に帰ったときに当局者に聞いてみたが、元気でいるとだけ教えられた」と自
供しているという。

毎日新聞 1985年(昭和60年)6月28日 金曜日 夕刊

警察庁事実調査を指示


北朝鮮スパイ事件 日本人コックら致で

 日本人になりすましていた「北朝鮮スパイ」が韓国で逮捕された事件で、警察庁は二十八日、日本人コックの原敕晃さん (四九)が北朝鮮にら致されたとすれば略取の疑いがあるとして、大阪府警や宮崎県警など関係府県警に事実関係の調査をす るよう指示した。韓国の国家安全企画部は、原さんのら致について日本国内にまだ共犯者がいることを指摘しており、警察庁 では犯罪事実が裏づけられれば韓国側から捜査資料の送付を受けて、独自捜査に着手する方針。
 韓国で摘発された辛光洙(五六)=朝鮮労働党所属=ら三人は、国家保安法違反、スパイ罪などを適用されて逮捕された。 日本にはこれに見合う法律はなく、違法性を追求できないが、韓国国家安全企画部では「辛らが八〇年六月中頃に原さんを宮 崎県青島海岸に連れ出し、北朝鮮工作船に無理矢理乗せてら致した」としており、同庁は略取の疑いが強いとして原さんが行 方不明となった前後の行動など事実の解明を急いでいる。

毎日新聞 1985年(昭和60年)6月29日 土曜日 朝刊
 




電脳補完録資料 Keyword:辛光洙,菅直人,シンガンス,土井たか子


 
辛光洙(シン・グァンス)を含む
「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望」
 
私どもは貴国における最近の民主化の発展、とりわけ相当数の政治犯が自由を享受できるようになりつつあることを多とし、さらに残された政治犯の釈放のために貴下が一層のイニシアチブを発揮されることを期待しています。
在日関係のすべての「政治犯」とその家族が希望に満ちた報せを受け、彼らが韓国での社会生活におけるすぐれた人材として、また日韓両国民の友好のきづなとして働くことができる機会を与えて下さるよう、ここに心からお願いするものであります。

1989年

大韓民国
盧泰愚大統領貴下

日本国国会議員一同



署名した現職国会議員(06年1月補遺)
土井たか子 衆議院 社民党 兵庫7区 (日朝友好議連)(2005年落選)

菅直人 衆議院 民主党 東京18区
(2009年9月16日 国家戦略局担当相に就任)

田 英夫 参議院 社民党 比例 (日朝友好議連)
本岡昭次 参議院(副議長) 民主党(元社会党) (2004年引退)
渕上貞雄 参議院(社民党副党首) 社民党 比例 (日朝友好議連)
江田五月 参議院 民主党(元社民連) 岡山県
佐藤観樹 衆議院 民主党(元社会党) 愛知県10区 (2004年辞職 詐欺容疑で逮捕)
伊藤忠治 衆議院 民主党(元社会党) 比例東海(2005年引退)
田並胤明 衆議院 民主党(元社会党) 比例北関東(2005年落選)
山下八洲夫 参議院 民主党(元社会党) 岐阜県 (日朝友好議連)

千葉景子 参議院 民主党(元社会党)神奈川県
(2009年9月16日 法務大臣に就任)

山本正和 参議院 無所属の会 比例 (社民党除名)(日朝友好議連)
下図にある田辺誠(元社会党委員長、金丸・田辺訪朝団、議員引退)、現在は民主党群馬常任顧問としてにらみを効かす。民主党群馬は角田義一(元参議院副議長、元社会党員、訪朝経験あり)が朝鮮総連から寄付を受けるなど、総連と親しい関係を保つ。

安倍官房副長官:「土井、菅はマヌケ」過去の拉致事件対応批判

安倍晋三官房副長官は19日、広島市で講演し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の元工作員、辛光洙(シンガンス)元死刑囚による原敕晁さん(行方不明時 43歳)の拉致事件について、社民党の土井たか子党首と民主党の菅直人前幹事長が辛元死刑囚の釈放を韓国政府に要求したことがあると指摘。「土井たか子と 菅直人はきわめてマヌケな議員なんです」と名指しで厳しく批判した。
 安倍氏はさらに、「社民党や民主党が、いかにも昔から拉致事件に取り組んでいるかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのはちゃんちゃらおかしい。彼らはまず反省すべきだ」と、両党の過去の対応も批判した。
 政府の現地調査結果では、北朝鮮側は同元死刑囚が80年に原さんを拉致したことを認めたうえで、「法的な枠組みができれば(身柄を)提供する」としている。警視庁は同元死刑囚について今年8月、旅券法違反容疑などで逮捕状を取っている。
(毎日新聞2002年10月20日東京朝刊から)
「土井、菅両氏は間抜け」官房副長官が批判
 「いかにも(自分が)昔から取り組んでいたかのように、小泉(純一郎)首相の決断を批判するのは、ちゃんちゃらおかしい。まずは反省するべきだ」。安倍 晋三官房副長官は19日、広島市内で開かれたシンポジウムで、北朝鮮による日本人拉致事件をめぐる民主、社民両党議員の過去の対応を厳しく批判した。
 特に、原敕晁さん拉致事件に関与したとされる辛光洙元北朝鮮工作員の無罪放免を韓国当局に求めたことがあるとして、土井たか子社民党党首と菅直人民主党 前幹事長を「極めて間抜けな議員」と酷評。日朝平壌宣言署名の経緯や北朝鮮の核開発問題をめぐり、臨時国会で攻勢を強めるとみられる野党側を強くけん制し た。
 安倍氏は1997年に国会で拉致事件を取り上げた際のことを回想し「警察も外務省も対応が冷たく、新聞もどこも報道しなかった。それどころか社民、民主の議員は『いいかげんなことを言うな』とわめいていた」と指摘した。
 副長官として首相官邸入りする前から、拉致被害者や家族の支援に取り組んできた安倍氏。小泉首相訪朝にも同行、ようやく解決の糸口を見いだしたにもかかわらず、野党の批判がやまないことに、業を煮やして昔話を持ち出したようだ。
(産経新聞2002年10月20日朝刊から)

菅 直人が釈放を要求した「工作員全リスト」(週刊文春)

 間抜けは誰か――。安倍晋三官房副長官が言い放った「土井たか子氏と 菅直人氏は間抜け」発言が、みっともない展開を見せている。
 話の発端は89年。韓国の盧泰愚大統領へ、土井氏や菅氏ら133名の 国会議員が、『在日韓国人政治犯の釈放に関する要望』という署名を 提出したことに始まる。「政治犯」29名を列挙して無罪放免を訴えた ものだが、その中に原敕晁さん拉致事件の実行犯、北朝鮮工作員・辛光洙が 含まれていたのだ。

「菅事務所側は署名当時、辛光洙のことを知らなかったと言い、逆に安倍 事務所に電話でこう告げたそうです。『蓮池さんらが拉致された78年当時の 官房長官は、(安倍氏の父の)晋太郎さんですよね。誰が間抜けな官房長官 だったか、という議論になりかねませんよ』。脅しとも取れる言い方に、 安倍事務所側は唖然として返す言葉がなかったそうです」(自民党関係者)
 拉致被害者の家族がテレビで切々と真相究明を訴えているのに、何とも みっともない応酬である。菅氏は自身のホームページで謝罪したものの、 「事実関係を再調査中」と記している。
 しかし、安倍発言の13年前、すでに小誌は、土井氏ら署名議員の 間抜けぶりを指摘していた(89年9月28日号参照)。さらに今回、 菅氏に代わって「再調査」すると、辛光洙以外にも多くの工作員の存在が 新たに判明した。確かに間抜けではない。大間抜けだったのである。
 まず、警察関係者の証言。
「29名中、スパイ容疑で逮捕されたのは10名弱です。彼らは日本に 滞在中、北朝鮮からの工作船の接岸ポイントをつくったり、自衛隊や 米軍基地の情報収集を行なっていました」
 次に、元朝鮮総連幹部の張明秀氏が解説する。
「列挙された政治犯の多くは、有名な工作員グループに在籍していました。 ひとつは『烽火山グループ』。これは関東地域で秘密工作を行なっていた 朝鮮総連の非公然組織です。責任者は総連東京本部の金学根副委員長。 彼らは在日韓国人を”獲得”して、”教養”と称するスパイ教育を施す んです。北朝鮮に密航させて、”教養”を受けさせることもありました。 また、在日だけでなく、韓国に密航して”獲得”して来ることもあった。 スパイに仕立て上げられた若者たちは、対南工作要員として韓国に潜入 するのです」
 また、菅氏らが署名した釈放要請書には、辛光洙の共犯者・金吉旭の名前や、 75年に大阪で発覚した「学園浸透スパイ団事件」の中心人物・白玉光と 共謀者3名、「鬱陵島拠点スパイ団事件」なる韓国東海岸の鬱陵島を拠点に スパイ網を張っていた地下工作員グループのメンバーも名を連ねている。 彼らのほとんどが、日本から何度も北朝鮮に密航してはスパイ教育を 受けていた。
 張氏が続ける。
「名前があがっている徐勝は、72年11月に開かれた韓国での第2審で、 北朝鮮に2度渡って労働党員になったことや、長兄に誘われてスパイ団に 入ったことを認めているんです。この公判には、日本から大勢の救援団体が 押しかけましたが、徐勝の証言を聞いて運動は白け、鎮静化しました。 しかし80年2月、朝日新聞は徐勝の母親のインタビュー記事を、同情を 誘うような内容で紙面いっぱいに掲載。これで救援運動が再燃しました。 雑誌『世界』や和田春樹東大教授も追随して、その結果、徐勝以外の辛光洙ら すべての政治犯まで『釈放せよ』という運動に広がってしまったんです。 当時、土井たか子が国会の壇上で雑誌を振りかざし、この問題に言及していた 姿を今でも覚えています」
 こうした日本の政治家の自覚の甘さを、北朝鮮は常に利用してきた。 知らなかったでは到底済まされない。


2003年10月14日 安倍幹事長の選挙応援の街頭演説
 

安倍晋三vs菅直人
安倍晋三
「菅さん、今いろいろヤジを飛ばされましたけども辛光洙というスパイがですね
これは拉致に関わっていたスパイ、これを釈放しろと言ったのは菅さんですからね」

菅直人
「ちょっと待ってください、これだけはちゃんと答えさせて、ちょっとまって、ちょっとまって、ちょっとまってください
これだけは、いやいやそうじゃない、これはですね今から約20年前に社会党が中心になって、在日外国人
つまり日本生まれの・・かい・・がいこく・・あのー韓国人があのー・・んん・・民主化運動をやって逮捕されたので
それに対して、その釈放要求の署名をしてくれと当時の、えーあの多分んーあのー土井委員長から当時私の居た
社民連の、ちょっと待ってください、委員長のえー田さんに話があって、私は田さんからの話しだったので
それに署名しました。それは日本生まれのですよ、日本生まれの・・あの・・韓国人が、あーいや・・あのー
全斗煥政権で、そういう活動したのを、釈放してくれっていう趣旨だからということで、えー署名した事はあります。
しかしその人間が、だ・誰かというのをですね、えーいちいち調べるような余裕が無い時の署名です。



「拉致犯釈放」署名のマヌケ仲間 (週刊新潮)

拉致問題で御託を並べる野党議員に安倍晋三官房副長官が反発。かつて韓国で 逮捕された日本人拉致犯の釈放を求めた連中を名指して”極めてマヌケな議員” と揶揄したが……実は青島幸男前都知事や村山富市元首相以下約130人の 政治家も同罪なのだ。
 
 安倍官房副長官が暴露したのは土井たか子社民党党首と民主党の菅直人 前幹事長の名前だけである。しかし、彼らが署名した『在日韓国人政治犯の 釈放に関する要望』と題する嘆願書を読むと、いかに13年も前(89年)の 行為とはいえ、その不見識ぶりには顔を覆いたくなるほどだ。
<貴国においては……十数名の在日韓国人及び、ほぼ同数の在日関連者が今日も 「政治犯」として獄中にあります>
 以下、合計29人の釈放要望者名を列記。しかもそこには日本人拉致犯の リーダーで、北朝鮮の大物スパイ・辛光洙の名前まで入っていたのに、
<彼らが一日も早く釈放され、家族の元に帰ることができるよう切に願って おります>
 と、したり顔で嘆願、これを当時の盧泰愚・韓国大統領に届けたというので ある。現代コリア研究所の佐藤勝巳所長が苦言を呈する。
「彼らは在日韓国人の訴えで行動したつもりでも、実際には裏にいる北朝鮮の 工作員に踊らされていただけでね。主体性の欠片もなく、どんな書類にでも 署名してしまう政治家の無責任さには呆れます」  この嘆願のおかげもあって、86年に韓国の法廷で死刑を宣告された辛光洙は 99年に出獄。強制送還された北朝鮮では英雄として迎えられ、今も羽振りを 利かせている。
「日本人拉致被害者名簿には、80年に拉致され、死んだとされた原敕晁さんの 名前もあった。しかし拉致グループのリーダーだった辛は、正にその原さんの パスポートで日本人になりすまし、85年に韓国で逮捕されたのです。 彼の身柄が現在も確保されていたら、拉致被害者の様子や正確な人数が、 もっと知りえたはずだった」(北朝鮮ウォッチャー)
 結果的には辛光洙の釈放に利用されただけの嘆願書だったが、驚くのは、 これに当時の野党政治家128人が堂々と署名していたことだ。

公明党議員の署名 本紙はその署名簿の全コピーを入手。先の菅、土井の他に山口鶴男、田辺誠、 村山富市、青島幸男、上田哲、田英夫など、かつての有力議員達に混じって 公明党の塩出啓典元議員以下6名も名前を列ねているのを確認したのである。
 で、さっそく当事者達を直撃、その言い訳を聞いてみると……当時、社民連に 所属していた菅直人議員は言う。
「釈放を要望した人物の中に辛光洙がいるとは知りませんでした。 そんな嘆願書に署名したのは私の不注意ですので、今は率直にお詫びしたい」
 案外、素直に反省してみせるのだが、既に政界から去ったOBや長老連中は、 とても一筋縄ではいかない。かつての社民連代表・田英夫氏が、
「あの時代の韓国政府に対する嘆願書の類は、社会党の議員と一緒に年に 2回位ずつ出していたからね。問題の書類がどれだったか、今ではとても 思い出せませんよ」
 と惚ければ、社会党の書記長だった山口鶴男氏も言う。
「サインは秘書が代筆したのかもしれない。が、いずれにしろ当時、 朝鮮労働党と友党関係にあった我々にさえ、彼らが拉致犯人の存在を隠していた のは遺憾に思うね」
 まるで浮世離れしているのだが、そんなところは村山富市元首相も青島幸男 前都知事も……なぜか、そっくり。
「そんな嘆願書の存在自体をわしゃ、覚えてない」(村山氏)
「えー、今は休憩中と書いておいてくれと、青島本人が言っています」 (マネジャー氏)
 マヌケどころか実体は、無責任極まる御仁達なのだ。

当時の社会党委員長山花貞夫氏の週刊文春の取材に対する回答
『なお「在日関連者」とは一時的にせよ日本に滞在し、滞在中の言動が韓国において罪に問われた「政治犯」(国家保安法の適 用等)を指すと理解している。辛光洙氏が日本人コックの原氏を北朝鮮に拉致したかどうかについては、韓国当局の一方的発表が報道されただけで、事の真否を 確認する立場にはないが、日本における言動が問題にされている以上、辛光洙氏を「在日関連政治犯」の範疇から除外する積極的理由はないものと思われ、その 人権上、人道上の問題について関心を持つのは当然である。』
週刊文春1989年9月28日号
第116回国会 予算委員会 第5号
平成元年(1989年)十月二十六日(木曜日)

○石井一二君 最近、日本社会党さんが南北等距離外交ということを韓半島に対して言っておられる。こういった中で最近の週刊文春に「土井委員長が署名した「北朝鮮スパイ」釈放要求書」、このように題する記事が出たわけでございます。
 その記事をよく読んでおりますと、土井委員長らほとんど日本社会党の国会議員、すなわち百十九人が署名した北朝鱒スパイ釈放要求書というものが盧泰愚大 統領のもとに送り届けられたと。もう少し記事等の内容等を読んでおりますと、日本人の原敕晁さんという方が八五年二月二十六日にソウルで逮捕されておるわ けでございますが、その前にこの方は行方不明になったまま現在行方がわからない。その替え玉として北朝鮮の方が五十七年から五十九年まで年一回ずつモスク ワ、スイス、北京、北朝鮮等を経由していろんな活動をなされたということでございました。私は週刊誌がひょっとして間違っておらぬかということで八方手を 尽くしましたら、ここにそれがございますが、このようなきれいな表紙のついた「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望」という書類があるわけでございます。 まさかと思って中をずっと見ておりますと、ここに土井たか子委員長の御署名もある。これは本物ですか。そのとおりということでございます。
 私は、このような中で東西の緊張というものが我が国の平和のために極めて大きな意味を持つ。このような中で将来政権をも担当されようという日本社会党さ んがどのような言動をされるかということは国民の極めて強い関心事であり、国家にとっても重要な事項ではないかと思うわけでございます。


2002年10月21日 
「安倍副長官の『間抜け』発言は断じて許さない」民主党佐藤国対委員長
 民主党の佐藤敬夫国会対策委員長は21日、安倍官房副長官が19日に民主党の菅直人前幹事長、社民党の土井たか子党首と両党について「きわめてマヌケな 議員」「ちゃんちゃらおかしい」などと発言したことについて、「地方ではキャンキャン言うくせに、国会では堂々と真正面から答弁しようとしない。このよう な発言は、政治家としての資質が問われる」と厳しく批判した。
 安倍官房副長官の発言は、菅前幹事長と土井党首が、原敕晁さんを拉致した北朝鮮の元スパイ、辛光洙(シンガンス)元死刑囚の釈放を韓国政府に要求したこ とがあるという事実を挙げ、「土井たか子と菅直人はきわめてマヌケな議員なんです」と批判したもの。同氏はさらに、「社民党や民主党が、いかにも昔から拉 致事件に取り組んでいるかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのはちゃんちゃらおかしい。彼らはまず反省すべきだ」と、両党にも批判を向けていた。
 これに対して佐藤国対委員長は、問題の韓国政府への要求は13年前になされたものであり、当時菅前幹事長は社民連所属だったと指摘したうえで、「安倍副 長官こそ、自分が平壌に行ったときには、総理の袖を引っ張って『帰りましょうよ』と言ったらしいが、こどもの使いじゃあるまいし。今回の補選での『政治と カネ』という本来の争点をぼかすために、北朝鮮問題を政治利用していることは明らかだ」とし、今後予算委員会などで安倍副長官を厳しく追及することを表明 した。
 この件について、菅前幹事長は、自らのホームページの中で「13年前の130数名の超党派の国会議員の要望書に私の名前があるということで痛烈に批判し ている。当時の記憶をたどると、要望書は韓国の民主化運動で逮捕された東大生など在日韓国人について韓国政府に対し釈放を要望するという趣旨で同僚議員か ら賛同を求められたもの。対象はあくまで民主化運動に関係した在日韓国人の政治犯と説明され、この中に日本人に成りすました北朝鮮の工作員シンガンス容疑 者が含まれていたことは当時全く知らなかった。事実関係を再調査しているが、シンガンス容疑者が含まれた政治犯釈放の要望書に名を連ねていたとすればそれ は私の不注意。お詫びをしたい」と説明している。

釈放運動への署名、民主・菅氏が「私の不注意」と謝罪
 安倍晋三官房副長官が、北朝鮮による拉致事件の実行犯とされる辛光洙(シン・グァンス)容疑者の釈放運動をしたとして民主党の菅直人前幹事長や社民党の 土井党首を「まぬけな議員」と発言したことについて、菅氏は自らのホームページで「辛容疑者が含まれた政治犯釈放の要望書に名を連ねていたとすれば私の不 注意。おわびをしたい」と謝罪した。
 ただ、安倍氏の発言については、「統一補選を意識してか、拉致事件をあまりにも政治的に利用する意図的発言だ」と批判した。また、社民党は21日の衆院 議院運営委員会で、自民党に対し「公党の党首に対して由々しき発言であり、慎んでいただきたい」と主張した。
 これに対して、安倍氏は21日の記者会見で、「広辞苑を調べたら『マヌケ』は『ぬかりがある』ということ。(菅氏らに)確かにぬかりがあった」と再批判した。
 安倍氏は「(社民党などの反論は)言葉が不適切という批判かもしれないが、事実を受け止めていただきたい」と強調。「(辛容疑者に拉致されたとされる) 原敕晁(ただあき)さんは今、ものが言えないわけで、原さんとご家族の気持ちを私は代弁した」と説明した。(朝日新聞02/10/21

安倍官房副長官の「まぬけ」発言に野党反発

  民主党の佐藤敬夫国会対策委員長は21日の記者会見で、原敕晁(ただあき)さん拉致事件に関連して安倍晋三官房副長官が社民党の土井党首と民主党の菅直 人・前幹事長を名指しで「まぬけ」と述べたことについて、「この時期に誹謗(ひぼう)中傷するのは、政治とカネの問題をぼかす話で許せない」と批判した。
  社民党は、日森文尋衆院議員が同日の衆院議院運営委員会理事会で「ゆゆしき発言だ」と与党側に抗議。土井党首も記者団に「人格とか品格の問題にかかわる」と不快感を示した。
 これに対し、安倍氏は21日夕の記者会見で、「『まぬけ』を辞書で引くと『抜かりのあること』とある。(土井氏らの対応は)確かに抜かりがあったと思 い、そういう発言をした。原さんや家族の気持ちを代弁した」と述べ、撤回する考えがないことを強調した。(スポニチ02/10/21)

140 衆院・外務委員会 1997/06/04 ○安倍(晋)委員 そういう意味では大分いろいろな情報をとっていただいたわけでございますが、このことは本当に参考になっていくのではないか、私はこのように期待しておりますので、今後とも調査をしていただきますように、よろしくお願いしたいと思います。
 国会におきましても、拉致疑惑に関する日本人及び日本人の家族に対する支援をする議員連盟が発足いたしまして、大変な数 の議員に参加をしていただきました。残念ながら、まだまだ自民党、新進党以外の皆さんには、余りたくさんの皆さんには参加をしていただいていないわけでご ざいますが、こうした議連が今後果たしていく役割は大変大きなものがあると思いますし、北朝鮮に対して大きなプレッシャーにもなる、こういうふうに思って おります。北朝鮮に早く人道的な支援をしようという心優しい人たちが余り参加をしていただいていないという皮肉な現状にあるわけでございますが、今後とも 議連を通じて私も頑張っていきたい、このように思っておる次第でございます。
 続きまして、警察庁に質問をいたしたいと思うわけでありますが、先般十六日も質問をいたしました辛光洙事件であります。
 この辛光洙事件というのは、日本人の原敕晁さんに北朝鮮の、これはかなり大物スパイと言われておりますが、辛光洙が入れ かわって、この原敕晁さんを拉致して、原敕晁さんに成りかわって辛光洙が入ってきて、原敕晁さんの名前でパスポートあるいは免許証も取得をして、そして韓 国に再入国をしていろいろな活動をしていた中で逮捕をされたということであります。
 裁判記録からもいろいろなことがはっきりしてきているわけでございますが、我が国国内の北朝鮮系の商工団体の会長、理事 長が実際にこの原敕晁さんを拉致する謀議に明らかにかかわっていたということも裁判記録ではっきりいたしているわけでございまして、その二人とも特定する ことができます。一人は、原敕晁さんが勤めていた中華料理店のオーナーであり店長であります。この人がその商工団体の理事長だったわけでありますが、彼 が、自分のところにいいのがいるからこれを拉致してしまおうということで謀議した結果、原敕晁さんはある日忽然と姿を消すわけであります。そして、この成 りかわった辛光洙がスパイとして活動したということであります。
 皮肉なことに、この辛光洙につきましては、一九八九年七月十四日に、盧泰愚大統領に対して、在日韓国人政治犯の釈放に関 する要望というのを出したのですね。これは、衆参超党派の百三十数名の議員の皆さんが、この二十九人の政治犯を釈放してくれ、この人たちは無罪だと言っ て、土井たか子さん、菅直人さんを初め多数の議員の皆さんが釈放要求したわけでありますが、なぜかこの二十九人の政治犯の中にこの辛光洙が入っていたので すね。
 この辛光洙というのは、まさに原敕晁さんに成りかわって、我が国としては許すことのできないスパイですね、その人を釈放しようということを何と我が国の国会議員がやっていたので、私は大変驚いてしまったわけであります。
 この辛光洙は今刑務所で服役中であります。この辛光洙については、十六日の当委員会でも私が質問したように、パスポート あるいは免許証、これを公文書偽造している、我が国の国内の法律にも違反をしているわけでありますから、当然これは警察もこの辛光洙を韓国政府とかけ合っ て調べるべきである、私はこういうふうに思うわけでございますが、警察庁の御見解を承りたいと思います。
○内田説明員 委員御指摘の辛光洙事件でございますけれども、この辛光洙事件も含めまして、一連の北朝鮮による拉致の疑い のある事件につきましては、今後とも、韓国当局との情報交換を含めまして、関係機関と連携をしつつ、所要の捜査を継続してまいる所存であります。よろしく お願いします。
○安倍(晋)委員 これはまさに国家による犯罪なのですね。国家による犯罪ですから、これを解決していくためには、やはり 国家が強い意思を持って相対していかなければ、決してこれを解決することはできない、このように思うわけであります。まさにその入れかわってしまったスパ イが捕まっていて、その人に対してまだ尋問を行っていないとすれば、怠慢のそしりを受けてもしようがないのではないか、私はこういうふうに思っておりま す。
 そして、しかも調書の中で謀議に加わった人たちがのうのうとしているわけであります。それで本当に我が国の治安が守られているかどうかというのは、これは本当に耳を疑わざるを得ないようなことが公然と起こっているわけでございます。
 その点について外務大臣にお伺いをしたいと思うわけでございますが、この調書をとるべく韓国政府にぜひとも交渉をしていただきたいと私は思うわけでございます。外務省としての御見解をお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 我が国の法に違反した行為が行われた場合には、当然のこととして、捜査当局中心に政府としてもきちんと対 応しなくてはいかぬ話だと思います。ましてや、我が国の国民の安全にかかわる問題であるならば、外務省も含めまして、政府としても当然大きな関心を持って いるところでございますので、いずれにいたしましても、関係省庁ともよく相談をしながら適切に対応してまいりたいと思います。
○安倍(晋)委員 では、もう一度警察にお伺いします。この辛光洙を尋問するのですか、しないのですか。答えてください。
○内田説明員 先ほどもお答え申し上げましたけれども、辛光洙事件を含めまして一連の北朝鮮拉致の疑いのある事件につきましては、韓国当局との情報交換を含めて、関係機関と連携をしつつ、所要の捜査を実施してまいる所存でございます。
 なお、個別の事件の捜査の個別具体的な内容につきましては、捜査上の秘密の保持というような観点から、答弁を差し控えさせていただきます。
○安倍(晋)委員 当然、その秘密の保持というのも必要なのでしょうけれども、我々としては、疑いとしては、本当にやって いるのかどうかという疑いを持たざるを得ないのですね。今まで何回かの拉致議連において関係省庁の皆さんにお集まりをいただきまして質問をさせていただい たのですが、そういう疑問も本当にわいてくるような答弁ばかりであったわけでございます。
 ですから、きょうは厳しく質問をさせていただいているわけでございます。ぜひとも、そこにもうスパイが捕まっているわけです から、しかもこの人は原敕晁さんに入れかわってしまったわけですね。原敕晁さんはいまだに行方不明なのです。ですから、その重要な、容疑者というよりも、 これはもう刑が確定している人ですね、確定しているわけですよ、韓国において。ですから、その人に尋問をしないというのは、もう全く捜査当局がやる気がな いということ以外にはないと私は思うわけでありますから、これはぜひともやっていただきたい。政府が強い意思を持って韓国側と交渉して、この辛光洙に対す る尋問を行っていただきたいと強く要求をいたしたい、このように思う次第であります。